2016年6月8日水曜日

引っ越し雑記2ー2

 さて、引っ越し当日には、次の二つのイベントがある。

・引っ越し
・家の引渡し(立会い)

 引っ越しは言うまでもなく、見積もりを出して、正式に契約を結んだ業者さんに荷物を引き渡す作業だ。
 業者さんは来るとまず、自分が運ぶべき荷物の確認をする。ここで極端に荷物が多いと、トラックに積みきれず、別のトラックを用意するための追加料金が発生する可能性がある。
 作業は、あなたがもし単身者なら、すぐに終わる。もし三階建てで犬が飼える庭付きの家に住んでいるのなら、時間はそれなりにかかる。
 さて、だいたいの人間は、誰かが自分に関して作業しているのを見ていると手伝いたくなるものだ(そうじゃない人もいるが)。ここでの問いは、我々依頼主は業者を手伝うべきか否か、ということである。
 結論から言えば、手伝わなくてよい。
 見積もりの時点で、引っ越し屋さんはその日必要な人数を計算して配置しているはずだし、実は単純な肉体労働に見えて、荷物の持ち方、体の向き、トラックへの積み方など、結構細々したルールがあって、不慣れな素人は部屋の隅で掃除でもしておくのが無難だ。あとで「立会い」というイベントもある。
 ただし、もし見積書の記入欄に「あなたも手伝いますか→はい」とか書いていたのなら、話は別だ。
 引越し屋さんはあなたという戦力をあてにして人員を減らしている可能性があり、そうゆう約束の不履行を引越し屋さん(少なくとも現場の人)は、大変憎む。

 無事荷物の引渡しが終わったら、今まで住んでいた家を管理する不動産屋(もしくは大家)に連絡する。
「立会い」と呼ばれる、恐怖のイベントが待っているからだ。
 説明しよう! 立会いとは、不動産屋(あるいは大家)さんが、今まであなたが住んでいた部屋をすみずみまで検分して、生活レベルや人間性を推測しつつ、部屋の傷や汚れをさぐりあて、あわよくば補償金をむしりとろうとする作業である!!
 ウソです。
 ウソというか、かなりの誇張が混じっている。
 ここで本当なのは、部屋の状態をチェックして異常がないかを確認することと、退去時にかかる費用を計算することだ。
 みなさんは部屋を借りるとき、敷金もしくは保証金を払っていると思う。その敷金及び保証金は、その部屋を去るときだいたい半額が返ってくる。
 立会いは、部屋の傷や汚れを確認して修繕にかかる費用を計算し、その返ってくる敷金及び保証金から天引きする額を見積もる作業だと思ってくれればいい。
 私の例を上げておく。

 私はその家を借りるとき、保証金8万円を払い、その家の退去時に4万円を返してもらうという契約を結んだ(そう書かれた契約書にサインした)。
 この8万円のうち返ってこない4万円は、私が退去した後の部屋のクリーニング代で、例えふっかつのじゅもんを唱えてもカムバックしない。
 さて、引っ越し当日。家を引き渡す私には、昔払った4万円が返ってくるはず・・・
 しかし、そうは問屋が卸さない! 立会い作業にて、不動産屋から派遣されてきた選りすぐりの刺客が、きびしく使用済みの部屋のチェックをするからだ!
 夕方の5時半、スクーターにのった刺客が登場する。私が不動産屋に家賃を払い込みに行くとき、いつも奥の席にいて、なにやら怪しげな作業をしていた男だ。
 男は我が物顔で我が家に入ってくる。飲みかけのカフェオレと充電中のスマホに一べつを加える。すでに他の荷物はトラックの中だ。
 おもむろにペンと紙をはさんだバインダーを取り出して、何やら書き物を始める・・・
 玄関から入ってすぐの四畳半を見て、奥の流しをのぞきこみ、私がうっかりあけた壁の穴をしげしげと眺める。
 日の長い季節に入っているといっても、すでに太陽は西の地平線に落ちつつある。この部屋は東向きにしか窓がないので、必然的にうす暗い。近くにねぐらを持つキジバトが、「ポーポポーポポ」と鳴いている。
「特に問題ないようですね。お疲れ様でした」

 わかりにくいと思うので、もっと簡単にまとめておく。

・引っ越し予定日一ヶ月前
俺「あ、もしもし、○○不動産ですか? ○○に住んでいるきんぎょ顔です。○月○日に引っ越すんですけど・・・」
不動産「では、その日に立会いをおこないたいと思いますので、引っ越しが完了次第、お電話ください」
・引っ越し当日
俺「今日はどうもよろしくお願いします」
不動産「はい、お願いします」
 ペンと紙をはさんだバインダーを取り出し、流しを中心にチェック。
不動産「特に問題ないようですね。お疲れ様でした」
俺「ありがとうございます。雨戸とか閉めておかないで大丈夫ですか」
不動産「あ、こっちで全部やっておくんで大丈夫ですよ」

 ※ ※ ※

 立会いが終わったら、その日の翌日以降に、建物賃貸借契約書(たてものちんたいしゃくけいやくしょ。家借りるとき名前書いて印鑑押した紙)を持って、不動産屋に行く。あなたがすでに関東の人で、関西の不動産屋に行きにくい場合は、書留で郵送する。
 不動産屋さんが契約書の確認をしてはじめて、敷金(保証金)の返還がおこなわれる。手渡しかもしれないし、銀行振り込みかもしれない。
 もし立会いの時点で問題があれば、天引きされた分の返還となる。

 私の場合は、不動産屋がかなり親切だったおかげで、4万円まるまる返ってきた(ただし、未払いだった光熱費はしっかり徴収されていた)。
 ただネット上には、立会いと天引きに対する悲憤と断末魔があふれているので、注意が必要だ。
 畳や壁紙の日焼けなどのさけようのないものは問われない、と法律で定められているようだが、うっかりタバコを押しつけた焦げ目や床にこぼした塗料の跡とかは、がっつりとられるそうなので、警戒を怠るべきではない。

 だいたい、家というのは、自分の身体の延長だ。
 きれいに使うにこしたことはない、と思う。

※:次回は引っ越し後の暮らしをアップしたいと思います。

3 件のコメント:

  1. お久しぶり、俺だ、ユスグだ。
    引っ越しは無事に済んだみたいだね、新たに関東の生活談を楽しみにしてるな。

    後、引っ越し話は参考にさせて貰っている。
    アレから色々と人生の整理をしようとしてるから参考になってる。

    では、この辺で。

    追伸
    ミカンから、ここで金魚顔に連絡する事だけは許された、、、後は察して下さい。

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  2. あ、今コメントに気がついたw
    まあ、ヒマなら見てくれ

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  3. あ、今コメントに気がついたw
    まあ、ヒマなら見てくれ

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