2016年6月28日火曜日

過去の未完を果たす 第1回目「テイルズオブファンタジアーーなりきりダンジョン(初代)」その1


 昔々(今でもあるのだが)テイルズシリーズと言うRPGがあった。

 私はこのシリーズが大好きで、一人暮らしを始めてテレビが生活からなくなるその日まで、ほぼ全シリーズをやっていた。エターニアは名作だし、いろいろ荒の多いジ・アビスも、十年後にはもう一度やってみたい作品だと思っている。

 ただ一つ、クリアしていないものがあった。

「テイルズオブファンタジア――なりきりダンジョン(初代)」

である。

 これはシリーズの初代「テイルズオブファンタジア」の後日談を描いたもので、ゲームボーイカラーで発売されたものだった。

 その時はまだ、ナムコはバンダイと合併しておらず、シリーズを専門に作るテイルズスタジオも存在しておらず、まさか十数年後にシリーズ20周年作品が「売られた意味を知るRPG」とか「約束された炎上」だとかいって叩かれるとは思いもよらなかった時代だ。

 それでこの旧き良き小品、私にはクリアできなかった。

 敵が強すぎたのである。

 プレイ当時、私は小学生。ファンタジアのほうは「○ボタン×2の通常攻撃→虎牙破斬→襲爪千裂破」のごり押しで「ダオスを倒す」したものの、なりダンの方の戦闘はファンタジアのリアルタイムバトルではなく一種のターン制を採用していて、プレイヤーの操作技術でどうにかなるシロモノではなかった。

 また当時の私には、ターン制バトルが退屈に思えたのも、クリアできなかった理由の一つだ。

「せいれいのもり」の敵が強くて、ついに放り出してしまったのだった。

 そして、十数年の月日が流れた・・・

 今の私は二〇代。気力、体力ともに充実している。ついでに就活中でヒマだ。

 過去の未完を今こそ、果たすべきときだ!

 ※ ※ ※

 とゆうわけで、クローゼットの奥から当時そのままで封印されていた「なりダン」を取り出し、プレイする次第だ。

 待っていろ、共にテイルズを語り合った友人「J」よ。もう君の前で、なりダンをクリアしたと知ったかぶりしないから!

2016年6月27日月曜日

初めてのヴァイスシュヴァルツ その2

 近所にあるフリーWi-Fiが飛んでいるスーパーで、クラウドワークスという在宅でできる内職の報連相(ほうれんそう)をしたあと、さっそくバトルドームのあるプレイスペースへと自転車を走らせる。時刻は夕方だ。

 一応公認大会なのだが、参加者は私を含めて二人しかいなかった。田舎の大会なんてそんなものだ。

 さて、カードゲームで対戦する前に、相手のおおよその実力を測る手段がある。――相手のカードのきり方を見るのだ。

 高い実力を持つものほど、手品師のようにきり、そして「ぱちぱち」とカードをもてあそぶ。

「うわ、この人ガチの人やん」と私は冷静に分析した。

 相手は、ラブライブのまきちゃんのみで構成されたデッキで、場に並んだ「クリスマス仕様のまきちゃん」「夏祭りデートVerのまきちゃん」「プライドの高いまきちゃん」が一斉に俺に襲い掛かる。
 俺はといえばYP民(遊戯王プレイヤー)のクセが出て、しんちゃんを「召喚する」、まきちゃんを「殴る」、シロを「墓地へ送る」と言って微妙な笑いをまきおこした。
(正しくはしんちゃんを「スタンドして置く」、まきちゃんに「フロントアタック」、シロを「控え室へ送る」)。

 試合の結果は、まあ、言うまでもないだろう。

 ただ、相手も「クレヨンしんちゃん」と戦うのは初めてだったようで、意外に苦戦しているようだった。

 ちなみに彼はその後、店主に戦いを挑んでいた。

 店主はCLANNAD(クラナド)使いで、攻撃力10000のなぎさちゃんで相手を殴り殺すデッキであった。

 ※ ※ ※
  
 ここで、ヴァイスシュバルツを新しく始める人のために、どのテーマ(作品)でデッキを組むべきかを、自分が雑談で聞いたことを中心にまとめたい。

 一番いいのは「自分の好きな作品で組む」とのことだ。
 ただ、やっぱり強いテーマと弱いテーマがあって、全てのカードゲームがそうであるように新規カードが続々と追加されるテーマが強い。

 クレヨンしんちゃんは「弱くはないが、新規カードが出ないので限界がある」のだそうだ。もう一つ私が好きだと言ったまどかマギカは、「新規カードが出る見込みがないので、公式戦ではむずかしい」とのお言葉であった。

 ねらい目はやはり「艦これ」と「アイマス」で、新規カードの追加で強化が見込める。
 手っ取り早く強いデッキを作るなら「進撃の巨人」、お金はかかるがおもしろい動きをするのは「プリズマ・イリヤ」、今後どう化けるのかわからないのが「おそ松さん」。

 デッキのテーマに関しては、ざっとこんなものだ。

2016年6月25日土曜日

初めてのヴァイスシュヴァルツ その1

 うむ・・・ すでにフォルダに保存されている画像は無理だが、ブロガーを立ち上げているときブロガーから起動したカメラで撮った画像は、ちゃんとアップできるようだ・・・ あ、こちらの話。

 それで今回、カードゲームのヴァイスシュヴァルツに手を出した理由なのだが、プレイ人口に関係していた。

 自宅から自転車で少し行ったところに、かなり居心地のいいカードゲーム屋がある。

 ゲーム屋、という呼び名は正確ではなく、いわゆるプレイスペースだ。一時間当たり○○円で場所を提供して、お客さんにゲームその他をやってもらう店のことだ。もちろん、もろもろのカードゲームの大会も随時開催している。
 ほどよい狭さの店内に、wii版スマブラ、Vジャンや「R&R」などの雑誌、そしてバトルドームがあると言えば、居心地のよさをわかってくれるだろうか?
 ところがこのお店、一つ問題があった。
 自分のやるカードゲームをやる人間が、全くいなかったのだ。つまり、対戦相手がいない。

 自分はいちおう、遊戯王とラクエンロジックをやる。

 超絶に人気のないラクエンロジックはともかくとして、遊戯王のプレイヤーがいないのはちょっとめずらしい。

 そのゲーム屋で優勢だったのは、デュエルマスター、ヴァンガード、そしてマジックザギャザリングであった。

 金がかかることで悪名高いマジックを、金銭的体力のない自分がやるのはちょっとしんどい。かといってデュエマとヴァンガの主なプレイヤーは小中学生で、年齢が離れている。
というわけで、画像にも上げたヴァイスシュヴァルツに手を出すことに相成った。
 様々な作品のスターターデッキがある中で、クレヨンしんちゃんを選んだのは、百の萌えアニメよりクレヨンしんちゃんが好きだからである。

 ヴァイスシュヴァルツは、様々なアニメ作品をカードゲームに落とし込み、キャラクターを対戦させるゲームデザインになっている。

 例えば、「Fate」の世界観で作られたデッキと「艦これ」の世界観で作られたデッキが、対戦するといった具合だ。

「いろんな作品世界で大活躍するキャラが大集合!
   ヴァイスシュヴァルツ(以下WS)は、そんな夢の競演を実現してくれる対戦型トレーディング・カードゲーム(TCG)です」(公式クイックマニュアルより引用)

 今そのクイックマニュアルを見ているのだが、ゲームデザイン的には、いかに素早くデッキを圧縮してストック(カードの効果を使うときのコスト)を溜め、相手を殴るかに勝負がかかっているようだ。このあたりはちょっとラクエンロジックに似ている。

 まあ、同じ会社の製品だし。

 とにかく、今から一勝負してくるつもりだ。ほとんどいじっていないスターターデッキで勝てるとは考えていないが、ま、次もおもしろい記事が書けたらなと思う。

買っちゃたー♪ 買っちゃたー♪

2016年6月23日木曜日

たまにはTRPGの話しをしよう

 たまにはTRPGの話をしよう。

 先日、関東地方の某市で行なわれたTRPGのオープンコンベイションに参加してきた。いちおう首都圏への通勤圏内にあるはずなのだがとんでもない田舎で、電車は一時間に一~二本、しかも4両編成で、駅周辺にはセブンイレブン以外、近代化された建物が見当たらない。

 実は、来る人拒まずのオープンコンベイションへの参加は始めてであった。今までずっと身内(しかも全員初心者)でやっていたのだ。

「関西出身の田舎者だからって、なめられんようせんといけんのう!」

とは思わなかったが、とにかく道に迷いつつ、会場の公民館に入った。

 そこで私は初めて、ちゃんとしたGM(ゲームマスター)という生き物を見た。

 そなえつけの会議テーブルを慣れた手つきでセッティングし、大量のサプリメントを持ち、サイコロの結果をプレイヤーたちに見せないようにするつい立まで配備している。

 私はといえばゲームが久しぶりすぎて、キャラクターの作り方も忘れている始末だった。

 ちなみにゲームは「ソードワールド2.0」、内容は「ミストキャッスル」であった。

 ミストキャッスルはうんと簡単に言うと、制限日数以内に蛮族(クリーチャー)の支配する街から脱出するというストーリーで、襲いくる蛮族を排除し、反蛮族組織と連絡を保ち、時に蛮族に日雇いで雇われて金をためたりする。

 その日のセッションは「キャンペーン」つまりその前に開かれたコンベンションからの続き物で、私は初心者同然なのに途中参加というはめに陥った。

 前回のセッションで亡くなった(らしい)ミレーヌさんの遺品を届けるのが、私のキャラの最初の任務となった。なんのこっちゃ。

 ところで、電源ゲーム・電源不要ゲーム問わず、自分の分身たるキャラクターの名前を付けるとき、みなさんはどうしているだろうか?

 我が友人の一人Jは、これが決められないがために「ゲームを開始する事ができない」という状態にしばしば陥るらしい。それほどまでに、何かに名前を与える作業は、むずかしく、困難なのだ。

 好きな映画やアニメのキャラから拝借する? なんかそれは違う。あえて自分の本名をつける? 「ああ、●●●よ、しんでしまうとはなさけない!」確かに情けない気分になる。

 それとも、小学生のとき書いた自作マンガのキャラ名を復活させる? これは、いろんな意味で精神の弱いところをがりがりとひっかかれそうだ!

 結局昔よく読んだ小説の、あまり知られていない脇役から名前を取ることにした。主役級だと沸き起こる「なんかそれ違う」感を、知名度の低さで薄めるのだ。

 で、我が分身たるジョゾくん(種族ミアキス、職業フェンサー)は、パーティ唯一の前衛としてこき使われながらも、結局蛮族の都から脱出する事ができなかった。

 リアルで時間が来たので、次回に持ち越しになったのだ。

 TRPGは基本的に時間がかかる。「キャンペーン」は、長時間遊ぶための工夫であるとともに、セッションに時間がかかるゆえの必然でもある。
 次回のセッションは約一ヵ月後である。日程があうかどうか・・・

 ※ ※ ※

 TRPGは、習熟すれば習熟するほど、おもしろさが増すゲームだ。今回久しぶりに遊んで、改めてそう実感した。

 覚えることはたくさんあるが、それに対する確実な見返りもくる。「一生遊べるゲーム」の、形の一つだ。

2016年6月20日月曜日

単身者引っ越し総費用一例

 需要があるようなので、自分が関西から関東への引っ越しにかかった全ての金額を記す。

●総費用:¥190,782
内訳
・引っ越し代:¥52,070
・前払い家賃二か月分:¥33,060
・入居時保険料:¥16,000
・保証会社料金:¥20,000
・鍵交換代:¥16,200
・仲介手数料:¥31,320
・物件下見の交通費等:¥15,796
・その他雑費:¥ 6,336

●総費用¥190,782の捻出(ねんしゅつ)内訳
・派遣会社収入: ¥111,535
・荷物(本など)の売却益:¥ 45,025
・タンス貯金切り崩し:  ¥ 30,000
・メイン収入からの補填: ¥ 4,222

 以前引っ越し代金は¥49,000と書いたが、パソコンとかの大事な荷物はゆうパックで送ったため、その分+¥3,070され¥52,070となっている。

 前払い家賃は日割り計算した5月の末日分¥1,740と、6月分の合計値。

 仲介手数料は一ヶ月の家賃+共益費の値段。

 関西地方と関東地方の往復は全て夜行バスを使った。片道¥2,200。

以上

 ※ ※ ※

追伸
ブログに画像を貼り付けたくて試行錯誤している間に、間違ってコメントごと記事を消してしまった。関係者の方、申し訳ない。

先の記事の補記

 先日の記事について補足したい。

・会場について
 会場の選定についてだが、もし新潟という条件が絶対なら、「HARD OFF ECOスタジアム」を選ぶ以外なかったのではないかと思う。他の新潟の球場は、自分が調べた限りでは老朽化が激しく、数万人規模のイベントの使用には適さないみたいだ。

 またこのスタジアム、設営の休憩時間にぐるりと回ってみたのだが、周りは公園と鳥屋野方(とやのがた)という湖で住宅地はなく、ファンが近隣住民に迷惑をかけるリスクも少なそうに見える。
 スタジアムも半開放型で、さぞ外聞きがしやすかっただろう。

・キャッチコピーについて
「ぼくたちは誰についていくべきだろう?」ではなく、「我々は誰を支持するべきか?」なら、日本語として力強さがあってよかったと思う(ただアイドルイベントのキャッチコピー向きではまったくないが)。
「ぼくたちは誰についていくべきか?」と語尾を少し変えるだけでも、だいぶ印象が違っただろう。
「ぼくたちは誰についていくべきか?」→「ぼくは○○を押します」と、繋げられるからだ。

・運営について
 運営側についてだけど、ブームがひと段落して、AKBについて新たに模索している段階なのだと思う。
 今はまだ国民に認知されたイベントだが、2、3年後には忘れ去られてしまうかもしれない。

 その焦燥感が「ちぐはぐ」へとつながった可能性もある。
 もちろん今回のイベントは、ブームの縮小を予期して、従順でコアなファンを積極的に取り込んで「ついていかせる」ための布石としての役割もあっただろう。
 
 ※ ※ ※

 総選挙で第一位が指原莉乃さんと報道された。

 そういえばどこかのブログで「くやしいが色っぽい」と書き込まれていた人だな、と思い出した。

 これでも縁は大切にする方なので、これからは気にかけようと思う。

 もちろん「ついていく」という気分までには、ならないが。

(長い拙文を読んでくださった皆様がた、感謝します)

ちぐはぐな最近のAKB その2

「僕たちは誰についていけばいい?」というキャッチコピーを見たとき、「AKBって、ついていくものなのか?」と思った。

 AKB48はその黎明期(れいめいき)から、若く愛嬌があるもののまだまだ発展途上の女の子が、「ファンに支えられて」サクセスストーリーを歩む、というストーリーで、成り立っていたのではないか?

「ついていく」と言うからには「ついていく」理由が必要だ。

 彼女たちは安打を数千本打ち守備も良好な野球選手だろうか? それとも映画やCMに出るだけで売り上げを伸ばす女優か? 長年笑点に奉職した噺家か? あるいは(喧嘩を売るつもりはまったくないが)、歌と踊りの練度が日本で五本の指に入るアイドルか? そうゆうわけではないだろう。

 あくまで身近にいて、応援ができ、自分が支えていることが実感できる、キャラクターたちであったはずだ。

 AKB48を支えているのは、今も昔も熱心なファンであるということには、異論がないと思う。
 そのファンはおそらく、何かしらの技能や技術で給料を得て、その給料をグッズ購入に当てている人たちのはずだ。
 AKBの一人ひとりと比較して、人的に見劣りする人間では決してないだろう。

 本当は支えている人々に「ついていく」という表現を与え、支えられている側の人間を高みに上らせるやりかたは、新興宗教で寄付を払う信者と教祖の関係を見ているようで、気分のいいものではない。

 だいたい「僕たちは誰についていけばいい?」という問いかけがおかしい。

 そんなの自分で決めろと言いたい。いやしくもファンなら、好ましいと思う子の一人や二人いるはずだ。
 AKBのメンバーにしたって、そんな自分の好みを決められない意志薄弱な人間についてきてほしいのだろうか?

 それとも、総選挙で晴れて上位に選ばれたメンバーについていくための、問いかけとしての意味だろうか? それまでの自分の好みをさしおいて、多数決で選ばれただけの人間に宗旨替えするのは、不誠実と言っていいのではないか?

 AKB48は各人の「キャラクター」を売りにして、芸能界という業界のニッチ(居場所)を占める戦略を前面に押し出している。はっきり言って、歌唱力やダンス力で勝負しているわけでない。

 そのキャラクターはおおむね、ファンの支えによって形作られて、時に変化さえする。AKBのファンなら、ファンの好みに合わせてキャラクターを軌道修正したメンバーの名前を、一つ二つは上げられると思う。

 一つの概念が二つに分かれていて、その二つが相反する動きをしているとき、我々はそれを「ちぐはぐ」と呼ぶ。
 
「ファンに支えられるAKB」の概念が、その概念が事実であるにもかかわらず、イベントの現場において「ファンをついていかせる」に逆転してしまっている。

 今回の総選挙は、そのように感じられる。

2016年6月19日日曜日

ちぐはぐな最近のAKB その1

 どうも。役所に「転入届」を出すのが遅れて、一筆書かされたきんぎょ顔だ。いやあ、役所ってめんどくさいね!

 ただ遅れたのには理由がある。

 日雇い労働者として、「AKB48総選挙2016新潟」の会場設営に参加してきたのだ。

 普段アイドルにさほど関心がなく、テレビさえ家にない生活だが、せっかくなので色々調べ、思うところがあったので記す。

 関東からの派遣労働者の第一陣として夜行バスにのり、6月15日の朝に現地入りした。
 場所はHARD OFF ECOスタジアムで、普段は主に野球場として使われている。その前日も、ベイスターズと日本ハムの試合があった。
 フェンスがやや低めの設計で、イチローのような選手ががんばればバントでホームランが打てるかもしれない。

 朝7時。地面の人工芝を守るべく分厚いゴムマットを敷く作業から始まった。この黒いゴムマットが日光を吸収し、鉄板の上のたい焼きのように我々をじりじりと責めさいなむようになるのは、昼過ぎになってからの話だ。

 給料は悪くない。一日当たり、手当て込みで2万円弱だ。
 作業時間が朝7時から夜10時までで、他に夜行バスによる移動時間が往復で11時間ぐらいある。合計26時間ほどの拘束時間だ。
 これが割に合っているか割に合っていないかは個人の価値判断だろうが、決して安すぎる仕事ではないだろう。
 事実私はこの仕事を電話で紹介されたとき、二つ返事で快諾した。

 ゴムマットが敷き終わるといよいよ器材を積んだトラックが出入りを開始し、フォークリフトも動き出す。大型のクレーン車も到着した。
 車両は地元新潟の他に、品川、千葉、など関東のものが多かった。
 トラックから器材を降ろし、コードを電源車につなぐ。昼からはステージの組み立てが始まり、フォークリフトが組み立てた骨組みを運び、その骨組みをクレーン車が吊り下げる。ステージの鉄塔が立ってゆく。作業は確実に進んでゆく。

 仕事開始からしばらくたち、関東からの派遣労働者の多くが、声に出さないまでも思ったことがある。

「俺らいらないんじゃね?」

 やとわれた身として、そしてすでに給金をもらった身としては、このようなことを書くのは非常に心苦しいのだが、まちがいなく人間の投入量をミスっていた。

 私が確認した限りでは、アルバイトだけで最大160人ほどが働いていた。ほぼ半分は地元新潟や福井からの労働者たちで、残りが関東からの派遣組だ。
 アルバイトだけでなく、直接ステージの設営を受注した施工会社のスタッフも現場にはいたから、200人は人間がいただろう。

 明らかに人手が余っていた。午前中、30分ほど作業して1時間ほど待機するサイクルだったのだが、午後にはもっとヒマになり、30分作業して2時間待機するはめにおちいった。

 このようなイベントの設営で、待機時間が発生するのは珍しくない。器材を積んだトラックが到着しなかったり重機による作業が終わらなかったりすると、生身の人間は待たされることになる。

 しかし、今回はかなり要領がまずかった。

 常時50人ぐらい手持ち無沙汰な待機組がいて、その時間も常に一時間以上あった。たまにその待機組にお呼びがかかっても、必要な人数は6~10人で、それも30分ほどで作業が完了して戻ってきていた。
 有効に働いていたのは施工業者の職人たちで、その数も多かったので、工程自体に致命的な遅れはなかった。ただやはり、スケジュールが押していたようで、何人かは残業をしていた。

 さて、最近のAKB48の話につながる。
 この舞台設定といい、宣伝戦略といい、運営側のちぐはぐな印象がぬぐいきれない。

 まず総選挙を開催する土地の選定に疑問がある。
 新幹線が通っているとはいえ、新潟はやや行きにくい場所だ。ネット上で「交通費がかかって大変」という意見を、よく見かける。
 それにバリバリの観光地と言うわけでもないので、宿泊施設に限りがあるのだ。
 現地では急ピッチで受け入れ態勢が整えられているようだが、なにぶん総選挙開催の発表から実際の実施まで3ヶ月ほどしか時間がなく、限界があるようだ。

 おそらく、昨年新設された妹分であるNGT48の拠点が新潟なので、それの宣伝も兼ねてこの土地を選んだのだろうが、それは運営側の都合である。一部報道であるように、「地元民のことを考えていないのでは?」と勘ぐられても仕方がない。

 また、作業員の中でしばし話されていたことに「なんでここ(HARD OFF ECOスタジアム)を選んだんだろう?」というのがある。
 このスタジアム、昔ながらの市民球場に似た形をしていて、雨風を防ぐのに都合がよくないのだ。
 いちおう観客席には屋根があるし、メンバーたちの立つステージにも簡単な屋根をかけてあるが、斜めからの雨には対応していない。そろそろ梅雨の時期なのに(事実設営作業中に雨が降った)、運営側はお客さんや自分たちのアイドルが多少濡れるのもやむなし、と考えたのだろうか?

 舞台の設営作業については、スケジュールがタイトで、突貫工事のイメージがある。
 6月14日がプロ野球の試合だったので、作業が開始できるのは15日からになる。総選挙の開票が18日なので、ぱっと見は設営に三日使える計算になるが、前日17日はおそらくリハーサルがあるから、実質二日の期限だ。

 たぶん運営側も、スケジュールがタイトなのは重々承知していたのだろう。だから関東からまで人を呼んだし、私もその中の一人に入ったわけだが、人間がたくさんいる=作業がはかどるわけではない。
 作業場の面積には限りがあり、その作業をするのに適切な人数というものがある。トラックの荷降ろしに50人が集まったって、実際に荷物を運ぶのには8人も人間がいれば事足りる。だいたい、とび職でも音響技術者でもない派遣の労働者がたくさんいたって、大した戦力にはならないのだ。

 私見では、今回のイベントにはかなり潤沢な予算が組まれていたのでないかと思う。雇われた人数もそうだし、リース料の高い大型のクレーン車が4台も投入されていたこともある。
 しかしもっと適切に、力の配分をするべきだったのではないか? 作業の見積もりが今一つできず、とりあえず ちぐはぐな最近のAKB その1

 どうも。役所に「転入届」を出すのが遅れて、一筆書かされたきんぎょ顔だ。いやあ、役所ってめんどくさいね!
 ただ遅れたのには理由がある。
 日雇い労働者として、「AKB48総選挙2016新潟」の会場設営に参加してきたのだ。

 普段アイドルにさほど関心がなく、テレビさえ家にない生活だが、せっかくなので色々調べ、思うところがあったので記す。

 関東からの派遣労働者の第一陣として夜行バスにのり、6月15日の朝に現地入りした。
 場所はHARD OFF ECOスタジアムで、普段は主に野球場として使われている。その前日も、ベイスターズと日本ハムの試合があった。
 フェンスがやや低めの設計で、イチローのような選手ががんばればバントでホームランが打てるかもしれない。

 朝7時。地面の人工芝を守るべく分厚いゴムマットを敷く作業から始まった。この黒いゴムマットが日光を吸収し、鉄板の上のたい焼きのように我々をじりじりと責めさいなむようになるのは、昼過ぎになってからの話だ。

 給料は悪くない。一日当たり、手当て込みで2万円弱だ。
 作業時間が朝7時から夜10時までで、他に夜行バスによる移動時間が往復で11時間ぐらいある。合計26時間ほどの拘束時間だ。
 これが割に合っているか割に合っていないかは個人の価値判断だろうが、決して安すぎる仕事ではないだろう。
 事実私はこの仕事を電話で紹介されたとき、二つ返事で快諾した。

 ゴムマットが敷き終わるといよいよ器材を積んだトラックが出入りを開始し、フォークリフトも動き出す。大型のクレーン車も到着した。
 車両は地元新潟の他に、品川、千葉、など関東のものが多かった。
 トラックから器材を降ろし、コードを電源車につなぐ。昼からはステージの組み立てが始まり、フォークリフトが組み立てた骨組みを運び、その骨組みをクレーン車が吊り下げる。ステージの鉄塔が立ってゆく。作業は確実に進んでゆく。

 仕事開始からしばらくたち、関東からの派遣労働者の多くが、声に出さないまでも思ったことがある。

「俺らいらないんじゃね?」

 やとわれた身として、そしてすでに給金をもらった身としては、このようなことを書くのは非常に心苦しいのだが、まちがいなく人間の投入量をミスっていた。

 私が確認した限りでは、アルバイトだけで最大160人ほどが働いていた。ほぼ半分は地元新潟や福井からの労働者たちで、残りが関東からの派遣組だ。
 アルバイトだけでなく、直接ステージの設営を受注した施工会社のスタッフも現場にはいたから、200人は人間がいただろう。

 明らかに人手が余っていた。午前中、30分ほど作業して1時間ほど待機するサイクルだったのだが、午後にはもっとヒマになり、30分作業して2時間待機するはめにおちいった。

 このようなイベントの設営で、待機時間が発生するのは珍しくない。器材を積んだトラックが到着しなかったり重機による作業が終わらなかったりすると、生身の人間は待たされることになる。

 しかし、今回はかなり要領がまずかった。

 常時50人ぐらい手持ち無沙汰な待機組がいて、その時間も常に一時間以上あった。たまにその待機組にお呼びがかかっても、必要な人数は6~10人で、それも30分ほどで作業が完了して戻ってきていた。
 有効に働いていたのは施工業者の職人たちで、その数も多かったので、工程自体に致命的な遅れはなかった。ただやはり、スケジュールが押していたようで、何人かは残業をしていた。

 さて、最近のAKB48の話につながる。
 この舞台設定といい、宣伝戦略といい、運営側のちぐはぐな印象がぬぐいきれない。

 まず総選挙を開催する土地の選定に疑問がある。
 新幹線が通っているとはいえ、新潟はやや行きにくい場所だ。ネット上で「交通費がかかって大変」という意見を、よく見かける。
 それにバリバリの観光地と言うわけでもないので、宿泊施設に限りがあるのだ。
 現地では急ピッチで受け入れ態勢が整えられているようだが、なにぶん総選挙開催の発表から実際の実施まで3ヶ月ほどしか時間がなく、限界があるようだ。

 おそらく、昨年新設された妹分であるNGT48の拠点が新潟なので、それの宣伝も兼ねてこの土地を選んだのだろうが、それは運営側の都合である。一部報道であるように、「地元民のことを考えていないのでは?」と勘ぐられても仕方がない。

 また、作業員の中でしばし話されていたことに「なんでここ(HARD OFF ECOスタジアム)を選んだんだろう?」というのがある。
 このスタジアム、昔ながらの市民球場に似た形をしていて、雨風を防ぐのに都合がよくないのだ。
 いちおう観客席には屋根があるし、メンバーたちの立つステージにも簡単な屋根をかけてあるが、斜めからの雨には対応していない。そろそろ梅雨の時期なのに(事実設営作業中に雨が降った)、運営側はお客さんや自分たちのアイドルが多少濡れるのもやむなし、と考えたのだろうか?

 舞台の設営作業については、スケジュールがタイトで、突貫工事のイメージがある。
 6月14日がプロ野球の試合だったので、作業が開始できるのは15日からになる。総選挙の開票が18日なので、ぱっと見は設営に三日使える計算になるが、前日17日はおそらくリハーサルがあるから、実質二日の期限だ。

 たぶん運営側も、スケジュールがタイトなのは重々承知していたのだろう。だから関東からまで人を呼んだし、私もその中の一人に入ったわけだが、人間がたくさんいる=作業がはかどるわけではない。

 作業場の面積には限りがあり、その作業をするのに適切な人数というものがある。トラックの荷降ろしに50人が集まったって、実際に荷物を運ぶのには8人も人間がいれば事足りる。だいたい、とび職でも音響技術者でもない派遣の労働者がたくさんいたって、大した戦力にはならないのだ。

 私見では、今回のイベントにはかなり潤沢な予算が組まれていたのでないかと思う。雇われた人数もそうだし、リース料の高い大型のクレーン車が4台も投入されていたこともある。

 しかしもっと適切に、力の配分をするべきだったのではないか? 作業の見積もりが今一つできず、とりあえず下請け業者に人数を依頼する方法は、予算に余裕のある地方自治体とか有名大学のやり方で、私企業ではあまり考えられない。

 総選挙の場所と日程が定まらず時間が過ぎ、メンバーの「卒業」の兼ね合いなどからあわてて決めてしまい、地元との調整も不十分で、急いで施工業者に受注したもののスケジュール的に厳しいと言われ、急遽人数を投入する事によっていろいろ補おうとした、というのが私の予想である。

 私がこの仕事を電話で紹介されたのは総選挙の十日前で、そのとき「新潟で某アイドルグループの総選挙の会場設営をして欲しいのですが」と言われた。

 すでに新潟でAKBの総選挙が行なわれることは世間にあまねく知れ渡っており、およそ無意味なぼかしだったのだが、今にして思えば「某アイドルグループ」とぼかして効果があるもっと早い時期に労働者を調達するつもりが、いろいろ不備があって遅れ、「某アイドルグループ」という言葉だけが勧誘のセリフとして残ったのではないだろうか?

 雇い主のゴタゴタは現場にまで響くというのが経験上の持論だが、今回はそれが感じられた。

 ※ ※ ※

 長々と書いたが、もう少し話は続く。
 今回のキャッチコピーである「僕たちは誰についていけばいい?」。これに違和感を覚えたのは、私だけではないだろう。

2016年6月14日火曜日

私的一人暮らしのススメ――節約

 私的一人暮らしのススメ――節約

①ガスを止める
②代用品を使う
③閉店間際のスーパーを利用する

①ガスを止める
 ガスを使うと基本料金と使用料金、この二つがかかる。ガスそのものを止めてしまえば、この二つがかからない。世の中は簡単にできている。
 料理をする人には不便かもしれないが、最近はレンジで野菜やパスタがゆがける容器が広く出回っている。ガスを使わない料理を考案してみるのも一興だろう。

「ああ、あんたのとこ、デデドンと居座るIH式だもんな。ガスいらないよな」と思ったそこのあなた。ブログを精読してくれていることを感謝する。
 しかし世の中、簡単だがなかなかうまくいかないようにできているのだ。
 ガスが使えないということは、お湯が使えないということである。
 つまり、暖かいシャワーが浴びれないのだ。

 引っ越してきたばかりの6月の初め、冷たいシャワーを浴びるのは、かなりつらい所業であった。が、三日ほど耐えたら馴れた。今では気温もだいぶ暖かいので、むしろ冷たさが快感になる部類だ。
 このガスを止める節約法、問題はいつまで続けられるかと言うことだ。さすがに真冬は無理だろうな。

②代用品を利用する
 日用品は、普段捨ててしまうようなもので代用できることが多い。例えば雑巾。スーパーで売っているのを見かけるが、なぜ古いタオルで代用しないのだろうか?
 私の例を二つあげる。
 一つはダンボールの棚である。
 引っ越しで使ったダンボールを、空いている方をこちら側にして二つ重ねて、食器入れ兼食糧入れにしている。ダンボールはわりと丈夫だし、白い紙で覆えば、まあ見栄えもひどいものではなくなる。
 ただ、ここ最近の雨で湿度があがってきて、弱冠くたびれ始めているのが問題だが。

 もう一つは、まな板である。
 展開した牛乳パックを、まな板代わりに使っている。
 私はちゃんとしたまな板を持っているのだが、これは現在洗たく板に使っているので(なに言ってるかわかんねーと思うが、読んで字のごとくである)、本来は捨てるはずの牛乳パックに白羽の矢が立ったのだ。
 この即席のまな板は便利だ。軽いし、たわむので、切り分けたものをそのまま鍋に投入するのが簡単だ。そして何より、汚れたらお役ゴメンで捨てればいいので、衛生的でもある。
 この牛乳パックをまな板にするのは、実は登山家の知恵で、山にかさばるまな板持って行きたくねえよ、でも料理はしたいぜよ、との欲求から、採用されているものだ。

③閉店間際のスーパーを利用する。
 かなり前「ベン・トー」というライトノベルが流行った。閉店間際で半額になるスーパーの弁当を実力行使で奪い合う男女の青春を書いた活劇である。
 このように閉店間際のスーパーは惣菜が安くなるし、ドラマの素材にもなる深い世界だ。
 ねらい目はだいたい閉店一時間前だが、品数がどうしても少なくなるので、気に入った商品があるのなら二時間前でもいい。

 初めは定価の一割引で、閉店時間が近づくにつれ、二割引、三割引、半額、となってゆく。寿司とか、揚げ物のロースカツとかは、単価が高いので、半額だとバカにならない節約になる。

 特におススメは、翌日が平日の休日と雨の日だ。どちらも客の入りが少なくなるので、値下げが早く行なわれるのだ。
 食糧を安く手に入れ、浮いたお金で、リーズナブルな「氷結」のチューハイを買ってもいいだろう。ちなみに氷結は、「ベン・トー」のヒロインの二つ名である。

 ※ ※ ※

 ところで、最後に今回の節約のテーマをぶち壊すことを言いたいのだが、言っていいかな? 見たくない人をこれ以上スクロールしないことをおススメする。

節約をするより単発でいいから仕事しろ

 節約よりずっと現金がたまる。というか節約は現金をなるべく使わない、いわば消極的な方法だが、働くのは現金収入になる積極的な方法だ。

 ヘタにスーパーの閉店まで待ち、ダンボールで棚を自作し、冷たいシャワーを我慢するより、気苦労も少ない。
「はたらきたくないでござるー」と思っている人や節約が趣味な人、そういったのでなければ、派遣でいいから仕事を入れたほうがいい。

 私的一人暮らしのススメ――概説(がいせつ)

 私が関西に住んでいたころの年上の知り合いで、やたらある友人を軽蔑する男がいた。理由を聞くと「バカだから」だそうである。

 その友人はたしかに世事に疎く、本を読まず、自分の好きなアニメについてしか語れないタイプの人間であったが、ただまちがいなく、その知り合いより優れていた。

 その友人は、一人暮らしをしていたのだ。

 一人暮らしをすると生活力のみならず、人間力といえるものが身につく。

 彼は自分の力で炊事洗濯風呂掃除、不動産との折衝、役所への手続などをせねばならない。当然社会の実生活での知識が増すし、人間とたくさん会うので、感覚も養われる。

 ここで何を言いたいのかというと、まだやっていない人、一人暮らしをしてみましょう、ということだ。

 今回からちょくちょく、「私的一人暮らしのススメ」と題して、コラムっぽいものを書き連ねたいと思う。

2016年6月10日金曜日

新居への不満

 住んで早々新居への不満というのもアレなのだが、あるんだから仕方がない。

・ヘンな臭いがほのかにする
 犯人はわかっている。
 玄関入ってすぐのところに、使われていない洗濯機置き場があるのだが、そこの排水溝から、においが立ち上っているのだ。
 これは毎朝コップ一杯の水を注ぐことで改善しつつあるが、毎日家に帰ってくると臭いでやるせない気分になるのはたまったものではない。

・キッチンが狭い
 流し場がまな板も洗えないほど狭いうえ、その横にIHクッキングヒーターがデデドンと鎮座していてものの置き場がない。IHの上に無理に置けないこともないが、いちおう電化製品ゆえ、手荒なマネはできない。
 なおIHは埋め込み式で、取り外しには専門の技術を要する。

・コンセントの位置がまずい
 しかもキッチンの面の壁にコンセントがなく、廊下を挟んだ斜め向かいにあるのだ。つまり電子レンジとかポットとかを使おうとすると廊下をまたいでコードをとりつけねばならず、その長さも短いから、かつて忍者が張ったといわれる用心縄と同じ原理のものが出来上がる。
 我が家では何か温かいものを食おうとするたびに、家主の足を引っ掛けようと熱い心意気が感じられる罠が設置される。

・先住民の遺物がカーペットにつまっている
 引っ越して2日目、荷解きの作業で散らばった紙くずをとろうと、そなえつけのカーペットにコロコロをあてたのだが、明らかに自分のものではない細く長い髪の毛がごっそりとれた。気味が悪い。
 カーペットは床にしっかりと粘着されており、取り外すには専門の業者を呼ぶ必要がある。

・クローゼットの立て付けが悪い
 クローゼットは磁石で扉が固定されるタイプのものなのだが、ちゃんと閉めても家主の許可なく「くぱあ」と開く。どうも扉が長年酷使されたおかげでゆがんでおり、磁石の仕事むなしく半開きになるようだ。

・窓に網戸がない
 窓に網戸がないのだ。つまり、夏の夜に窓を開けると虫さんが入り放題ということだ。
 不動産屋に取り付けてくれるよう談判したが、「ついてないのがデフォルト(意訳)」だそうで、「お客様で窓の寸法を測って、ホームセンターで買ってもらう必要がある」とのこと。
 いや、ついてないのがデフォルトって、窓のところにしっかりと、かつて網戸がはまっていたであろうくぼみがあるんですけど? 

・ロフトから天窓が操作できない
 ある程度の不便を知りつつも、それでも秘密基地的な空間を求めてロフトつきの家を借りたのだが、天窓の位置がいただけない。
 ロフトの対面の壁に取り付けてあって、「今日は暑いな」というときに、床までいちいち下りて、反対側の壁まで歩き、鎖を引っぱって窓をあけねばならない。
 この窓にも当然、網戸はない。

・隣の市の放送が聞こえてくる
 我が新居の目の前に市の境界線が通っていて、その向こう、窓から目視できる位置にある公園のスピーカーから、「振り込み詐欺に気をつけましょう」「72歳のおばあさんが行方不明」とかいった放送が頻繁に流れる。おばあさんの行方は気にかけないこともないが、なんだよ振り込め詐欺って。こちとら孫や息子のいる年ちゃうわい! って感じである。

 ※ ※ ※

 これから家を借りようと思っている人は、これらの問題点にも気をつけて、吟味されたらいかがだろうか?