2016年7月15日金曜日

初めてのD&D その2

 D&Dにおいて、ドラゴン=強敵である。ドラゴンクエストのように、フィールドで普通に出てきたりはしない。
 ソードワールドをやったことがある方、ドラゴンがどれほど強いかご存知かと思うが、このドラゴン=強敵の設定はD&Dを受け継いだものだ。
 今回のドラゴン、電源ゲームで例えれば2回行動できてマップ兵器を持った天馬騎士と言ったところで、飛行属性付きで近接攻撃が当たらず、移動と攻撃×2回の仕様で、ブレスという名のマップ兵器は一マスを中心とした3×3の、つまり9マスの正方形が効果範囲だ。
 あ、言い忘れたが、マップ兵器は「毒(毎ターンダメージ)」の追加効果付きだ。
 戦闘マップは、落ちたら死ぬ地形である谷が中央を横切り、その真ん中に橋がかけられている。橋の両岸には高い塔が二基ずつ、合計4つそびえており、その全てに弓を持ったゴブリンが配置されている。
 我々が攻撃すべき橋の亀裂部分はその塔に囲まれる位置にあって、ロコツすぎて戦術の教科書にものらないような理想的な十字砲火を形成している。
 ついでに言っておくと、橋の幅はちょうど三マス。まさに「マップ兵器を撃ってください」と言わんばかりだ。
 そして思い出して欲しい。ドラゴンは常に20フィートほど上空を常に飛んでおり、パーティの遠距離武器担当はジョゾ1名であるという事実に・・・
 ぬこ人間から、晴れて人間になったジョゾくんは、ここぞとばかりにチキンプレイを発揮した。
 もうその場から絶対に動かない。
 文字通り画面の一番はじっこで、ひたすらちまちまと弓を撃ち続けた。他のメンバーがマップ兵器+毒+弓+隣のマスにいるだけで火の追加ダメージが入る炎の番犬(二匹)で、文字通り阿鼻叫喚の騒ぎになっているのに、助太刀に行かず、回復をせず、ひたすら「がんばれがんばれ、み・ん・な」な日々。
 ドラゴンのブレスは20ダメージほどで、一発だけなら耐えられるが、彼が二回行動であることを忘れてはいけない。
 大変遺憾なことに、ドラゴンは天馬騎士と違って弓に弱いことはないので、戦いは橋が壊れるか我々が壊れるかの持久戦になる。
 ドラゴンの高いHPに、それよりもはるかに高い橋のHP
 ジョゾは毎ターン15~30ほどのダメージをドラゴンに与えるのだが、どうもドラゴンのHPは600近くあるようだ。
 敵を含めたあらゆるプレイヤーは、HPが半減すると「重症」宣言をしなければならなのだが、10回ほど撃ってようやくドラゴンが「重症」宣言をした。
 なお、他のTRPGと同様、敵キャラはシナリオ進行役のマスターが操作している。
 戦闘開始から二時間、弓のゴブリンのHPがわずか「1」であることが判明し、とりあえず「こうゆう時は数を減らす」。
 ドラゴンが一時的に、ジョゾが一日一回使える「敵を弱体化させて攻撃力を下げる」術技で弱っていたのも、幸いだった。
 パーティによってたかって殴り続けられた橋がやっとこそ「重症」宣言する。
「橋のHP、1200近くあるんじゃねえ?」
「それは無理ゲーだなぁ」
 この時点でHPが0になった戦闘不能者も出ている。
 しかし、とうとう終わりの時がやってきた。
 決めたのは18発目の弓矢だった(なぜ詳しくわかるのかと言うと、撃った弓の数をアイテム欄からいちいちマイナスしなければならないのだ)。
マスター「ドラゴンは悲鳴をあげて谷底に落ちました。ゴブリンたちは動揺しています」
 ドラゴンによる妨害がなくなったおかげで、その数ターン後には橋のHPも0になり、パーティの誰も崩落に巻き込まれず、無事に撤退することができたのだった。
「今日のMVPはジョゾだな」と、覚えるべき技能、装備すべき武器と防具、持つべきアイテム、手とり足とり教えてくれたベテランプレイヤーが言ってくれた。
 実は個人的に、ドラゴンのHPは、まだまだ残っていたのではないかと思う。
 ちょうどパーティたちが、「あと一撃で壊滅する!」のときに、撃墜されたからだ。
 たぶん、マスターが新人に「花」を持たせようと、取り計らってくれたのだと思う。
 現実問題として、セッションを早くきりのいいところで終わらせる必要もあった。
 夜の八時が目前で、借りている公民館の会議室から退去しなければならない時間だったのだ。
 ※ ※ ※
 ゴブリンの討滅こそはできなかったものの、これで何日か、ゴブリンの侵攻を遅らせることができる。
 このことを報告すべく、パーティが息も絶え絶えで依頼主のところに戻ったところで、セッションは次回にくり越しになった。
 次回は8月の予定である。例によってセッションに参加できるか未定だが、これを期にD&Dにも手を出してみようと思う。

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