2020年9月7日月曜日

遅ればせながら、『デスマッチラブコメ!』 感想


「デスマッチラブコメ」は、告白されると爆死するっていう一発ネタと見まごう設定でごく一部に知られていたスマホゲームだったけど、2020年の6月にリメイクが出た。


Switch版をプレイしたので感想を少々。



起動してまず印象に残るのが、ご丁寧な注意書き。

リメイク前も、ネットでネタバレするのNGって、注意喚起がなされていたのだが、どうも不十分と感じたらしい。

まあ、ネタバレするとおもしろさが激減する作品なので、やむを得ないと言えるか。




それで、いつも通り主人公が爆死する場面から、物語は始まる。

いつも通りというのは誇張抜きの表現で、初プレイさんは間違いなく選択ミスで爆死しまくる。

スマホ版を3周して、「よし、今回は1度も死なずにトゥルーだ!」と決意した俺でも爆死する。





もっともこのゲーム、爆死したあとに訪れる保健室がある意味本編と言えなくもない。

もしこのゲームにはまれば、わざと爆死して保健室におもむく機会も、きっとあるだろう。


他に、スマホ版との違いをいくつか書く。


●BGM


ペルソナっぽいBGMが新たに追加された。元が少なかったので、かなり体裁が整った。

また、既存もブラッシュアップされているっぽい(スマホとswitchの音源の違いかもしれないが)。


●立ち絵


やったね、とうとう主人公に立ち絵がついたよ! 主人公なのに、今までは立ち絵がなかったんだ。

でも、別になくてもいいかな。基本主人公の一人称視点だから。

ついでに言うと、「ジジイ」にも立ち絵がついた。誰得だ。

立ち絵全般について言うなら、別の絵師の手によるものになっている

※同じ絵師によるリメイク
(2021年2月28日追記)


一言で言うなら「かわいらしくなった」。女子の私服なんか、妙に色っぽくなったぞ。

あと、怒りマークやうれしいの顔文字が表示されるようになった。

地味にまぶたが動くようになったのもあわさって、リメイクで各所をブラッシュアップしようという心意気は感じる。




●CG


CGは増えている。



ただし、まだ不十分である。

とくに後半部分、「ここCGあってもいいよな」と、おそらく誰もが思う重要な局面で、なかったりする。

個人的には主人公の入浴シーン「完全エコサイクル」を、見たかったな・・・(どうでもいいシーン)。


●その他


結末が少し変更されている。大きな変化はない。

あと、オープニングが追加された。テクノポップ調? な歌である。

この「デスマッチラブコメ」の存在を教えてくれた知人は、

これいる?

と言っていたが、まあ、

「3000円するのにOPの曲がないw」

というしょうもない評価をもらうぐらいなら、あってくれたほうがいい。 




リメイクで追加して欲しかった箇所





世の中には、声がついてよいゲーム、どっちでもいいゲーム、つかないでいいゲームがあるが、

『デスマッチラブコメ!』

は断然、声付きで見てみたい作品であった。

ただ作品の性質上、エロゲみたいに女の子だけ声を当てるというわけにもいかない。

むらなく声優をつけるとコストが跳ね上がると思われ、そこはむずかしいところだ。




あと、CGについて一つ。

ネタバレになるので詳しくは言わないが、ぜひ言っておきたいのは、幼い主人公が母親を「ミアゲる」回想シーンは、絶対にCGを作るべきだった。


まさに、このゲームの主題であるからだ。


ちょっと男子、女子四人の入浴シーンなんか作っている場合ではありませんぜ!



感想





結論を言うなら、リメイクとしては手堅い出来、ということができる。

元々のシナリオとセリフ回しが頭一つ分とびぬけており、それを無理に改編しなかった時点で、一定の成功は約束されていたといえる。

しかし、先にスマホで「無料」で配信されたものと比べて、「ここがいい」と大声で言える決定打に欠けることも事実だ。



また、物語としては一区切りついているものの、伏線が回収されていない。

それぞれの伏線が、物語を盛り上げるためのフレーバーと割り切ってしまえばそこまでだが、リメイクで期待したのがそこの部分だったため、残念ではある。

ほんと、「動画配信に制限」をわざわざ明記してまでネタバレに配慮したのだから、そこはもうちょっと気を使ってほしかったぜ・・・


あとネタバレに関してもう一つ。

この作品は個人的に、

主人公に見る「精神病理としての母源」

とか、

全ての主要キャラが事件を通じて「成長」してるのに、なぜ「彼」だけその要素がないのか、


とかみたいな感じで、すっげえ考察しがいのあるゲームなのに、ネタバレに厳しいのでそれがやりにくい。

※ ※ ※

いろいろ書いたけど、得たものの方が多いし、自分の中で最高のギャグゲーなことには変わりない。 

シナリオライター様が開発元を退社された今、続編は厳しいだろうが、ライトノベルとかで出してくれないかね・・・

0 件のコメント:

コメントを投稿