2020年12月3日木曜日

遅まきながら「ぬきたし」の感想とレビュー



エロゲーというのはもはや飽和産業なのか、人目を引くけったなタイトルがついていたりする。

「ぬきたし」の正式名称は、



『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?』



だ。こっちがどうすればいいかわからない。


ちなみにこのゲームのジャンルは、


「ビッチなんかに絶対負けたりしないスタイリッシュ逃亡&バトルADV」



公称である


まあ、実際は凝ったシステムではなく、エロゲーの常套であるノベル形式なのだが。

それで今日は、この作品がなかなか面白かったですよって話。



※ここから先軽いネタバレあり!




●全体的な感想


▲メインヒロインの三人。信号機。



シナリオライターは、おそらく下ネタに生涯を捧げているのであろう。

ギャグは、エロゲーでしかできないものが満載されている。

基本的には元ネタありのパロディで、知っていれば絶対に笑える。



ストーリーに関しても筋は通っているのではないかと思う。

TRUEルートはもちろんのこと、各ルートでも終わった後にはなるほどな、と思えるくらいの面白さはある。

個人的に好みなのは奈々瀬ルート。最初にプレイしたルートだけあって、印象にも残っている。


●引っかかった点


サブタイトルは、

「Is the island Utopia or Dystopia?」

なのだが、「ディストピアじゃなくね?」 と思う。

確かに、主人公のような「アブノーマル(あえてこの語を使うが)」にとっては住みにくい島であるが、それなら他に移住するか、ケースバイケースで対応するよう求めればいいのだ。

「ドスケベ条例を潰す」という危険な行動は、主人公たちの当座の利益と釣りあっていないように思う。



もう一つ。

NLNS(No Love No Sex)へ加入する理由が、判然としないメンバーがいるのも引っかかった。

ヒナミ(タイトルの貧乳は彼女)は、加入が親友の糺川礼との敵対を意味するのに、そこのところの自覚が(不自然に)ない。

また、美岬(だいたいの乗り物を乗りこなす)も、性的にはおおらかで、特にセックスへの嫌悪感を感じられない。



活動目的に沿った意志を持っていたのは、淳之介、麻沙音、奈々瀬の3人だろう。


ただ、主人公淳之介にも問題がある。

彼の、


「ドスケベ条例を、ぶっ壊す!」


の強い意志は、いくつかの動機から成り立っているものの、換言すれば「報復」であり、島の繁栄の要因たる「条例」を取り除いてまで達成すべきものかは、疑問が残る。



もちろん、エロゲーである以上、(少々不自然でも)主人公の周りに女の子を集めなければならず、また、

「ドスケベ条例を潰す」

行為から、いろいろおかしみが出てくるのは事実だ。




●キャラ


▲とち狂った制服に見えるが、青藍島では普通(左はそれでもおかしいが)


いくつか矛盾をはらむ主人公側よりも、敵側である生徒会SS組のほうが、キャラとしては魅力的である。

彼女らは、


・体制(条例)を守る
・反対者(反交尾勢力)に性の魅力を知らしめる


の目的に文字通り心身を尽くしており、糺川礼や女部田郁子など幹部クラスについては、確固たるプライドを感じさせる。





●シナリオ


・奈々瀬ルート

個人的には正史。

いけ好かない彼女が実は好きだった幼なじみ!

の王道ルート。



・ヒナミルート

タイトルの貧乳。実質的に、ヒナミ&礼ルート。

もっとも島の問題に切り込み、そして主人公たちがもっとも青春しているルートだろう。ヒロインロリだけどな!

パイプ椅子が、だいたいの問題を解決してくれる。



・美岬ルート

彼女を愛せるか否かは、しばしば飛び出す引くぐらいの下ネタを受け入れられるかどうかにかかっている。

ヒロインがエロをこじらせた重症で、サブヒロインに至っては痴女のルート。





おそらくもっともバカバカしい。後半シリアスになってもバカバカしい。笑いたければオススメ。




・文乃ルート


公式での正史。各シナリオの「主人公が成長したエピソード」を組み合わせて、真の悪役に立ち向かう。

ヒロインは奥ゆかしい和服美少女(ただし少々M)。

このルートで、青藍島の問題はいちおうの解決を見る。



すごいと思うのは、ルートごとのシナリオにハズレがないことだ。

自分の認識では、こういうエロゲーでは、メインルートは力が入っているものの、サブルートはイマイチと考えていたからだ。



●総括




総じて、良く出来ているゲームだと思う。

普段エロゲーをやらない層にも受け入れられるゲームだろう。

多少目につくアラは、「バカゲー」の仮面をかぶることでうまくごまかしているし、やりたいことはやったゲームのように思う。


ただ、動画コメントみたいに「名作」「神ゲー」とまでは思えない部分はある。


それは、


ディストピアの描写としてはうまくいっていない


というのがあるし、また、



ギャグがすごく疲れる瞬間が出てくる


のもある。


作中のギャグが、基本的にエロ及びエロパロに振り切っているため、剣道で面打ちばかりしてくる相手と向かいあっている気分になるのだ。

一つ一つの「面」はいかに鋭くとも、たまには「小手」も見てみたい。


主人公の妹がたまにネットカルチャー系の毒を吐くので、それが癒やしになっていたりするが。



あと、もう一つ問題があるとすれば、面白い場面のことごとくがこのブログサービスの規約に引っかかって図示できないことか。





いろいろ書いたが、単なる良作を超える作品ではあるので、一生のうちに一度はプレイする価値がちゃんとある。




●余談

余談だが、俺のお気に入りのネタは「仙波扱き(せんばこき)」。




仙波さんというキャラがいて、彼女が豊満な胸で抜いてくれる技なのだが…
 



▲ウィキペディア「千歯扱き」より画像引用


これが本当の「千歯扱き」である。

稲や麦を脱穀する古い道具で、農家か歴史に詳しい人しか知らないと思うのだが、なんでエロゲーにこんな単語が出てくるんだ? ライターは農民か?









4 件のコメント:

  1. 昔はエロゲーは儲かるから、
    ヤクザのフロント会社になっていると言われていたが、
    今はあまりに儲からなさ過ぎて、エロゲーは聖人じゃなきゃ作れないと言われる。

    その事から、とある情弱な血も涙もないヤクザが儲かると聴き、
    エロゲー作りを初め、心が洗われる話は好きなネタ。

    というのと、今月の末、29日火曜にオンライン飲み会を18時からするけど参加しない。

    なんかジョニーが今、重要イベントが発生していて、
    その事をその日に話したいとの事なので、
    急だけどお誘いを掛けた。


    返信削除
  2. オンライン飲み会大丈夫。29日は空いている。
    また「飲み会用お絵かき板」作るわ。

    返信削除
  3. 千歯扱きはまあ小学校の教科書にもでてくるし、とくに中学受験組なんかは社会で覚えてるやつも多いぜ

    返信削除
  4. どうも。
    そういえば、俺もうっすら習った記憶が… こきばしに比べて脱穀の能率がアップしたんだよな。
    それにしても、農機具をパイズリに結びつける発想力は見習いたいよな。

    返信削除