2020年8月10日月曜日

山の日なので鋸山に登ってきた(2020年 夏)

▲車力道に至る道中から見た鋸山>


●行程

JR浜金谷 → 鋸山頂上 → 石切り場跡(岩舞台) → 「百尺観音 → 地獄のぞき → 日本寺大仏」(「」内日本寺敷地) → JR保田駅



千葉県は大した山がないということで、山のぼらーたちの間では有名だが、山自体は存在しているし、観光地化されているものもある。




鋸山は、千葉県で最も有名な山である。


どのぐらい有名かと言うと、ロープウェーが通され、電車の吊り広告が出ているほどだ。


で、山の日ということで登ってきた。


※ ※ ※


JR千葉駅から内房線で南下することおおよそ1時間。



JR浜金谷駅から、歩いて10分。





いくつかある登山ルートから、今回は車力道をチョイスした。地図で見る限り一番ラクそうだったからな





しばらくは、杉の植林と雑木林にはさまれた道を進む。


鋸山は、標高329.4メートルのド低山で、昔から人の出入りが激しく、今ではすっかりハイキングコースである。


道も石や木で組まれた階段が中心で、非常に登りやすい。


「こりゃ、お手軽に達成感を味わえる俺好みの山だわい!」



・・・


・・・・・・


・・・・・・・・・



「なんか、きつくないっすか・・・」



▲逆光が強くて、波長の長い赤い光が映ってしまっている


階段なのはありがたいのだけど、ちょっとばかし急じゃありませんかね?


傾斜は厳しいところだと40度を超えている。


古い神社とか寺で、ホスピタリティを欠いた急な階段ってあるでしょ?


あれを、山の形に がく、がく、とこしらえたのが、150メートルぐらいの距離を続くと考えていただければ大体正しい。


だがまあ、言うても300メートル。





きっかり50分後、頂上に到着だ。



▲頂上からの景観は、悪くはない程度


ちなみに、ふもとの案内板による頂上までの到達時間も50分。


看板通りに生きる男、俺氏!


しかし、鋸山の真の見どころは頂上ではない。






マジックライスのピラフで昼を取ったら、出発だ。



▲こうゆう「ノコギリの跡」が、山の各所にある。



この山はなぜ「鋸山」と呼ばれているか? 本名は乾坤山(けんこんざん)だ。


その理由は、これだ。





山肌がギザギザしているからだ。


この光景、人の手によって作り出されたものだ。


この山の石が建材としていいってことで、江戸の頃からこつこつと切り取られ、ついにノコギリのようなぎざぎざになってしまったというわけだ。




ちなみにちまたでは、壁がラピュタっぽいって有名らしいよ?


そういえば、関西でも、「ラピュタっぽい」と呼ばれる場所がありましてな――


友ヶ島っていうんだけど、ラピュタというより、「デスクリムゾン」のロケ地だよ。




鋸山も、ラピュタかどうかは別にして、他ではなかなか見られない光景であることは確かである。





山の斜面をくずし、良い石を求めて掘り進み、切り取っていく。


その結果としての四角い山肌は異様であり、人工物でありながら神秘的なものを感じさせる。


文明が崩壊し、石切り場としての歴史が忘れ去られたら、「ここは神々が洗濯板をこしらえた場所」とかいう民話が生まれるに違いない。




さて、鋸山は宗教拠点としての側面もある。





山の少なくない面積が、寺院となっているのだ。


これは百尺観音といい、岩の壁を彫り込んでつくられた「磨崖仏(まがいぶつ)」だ。


昭和に掘られたかなり新しいものだが、1000年たてば国宝になるかもな。





もう一つでかいのがあって、座っている大仏としては日本一の大きさだそうだ。


高さ31メートル。1783年に建立され、1966年から3年間、大規模な修復が行なわれた。


この二つをようする「日本寺(にほんじ)はかなり広く、境内には大小の観音、仁王像、拝殿、本殿、菩提樹、心字池(しんじいけ)、稲荷明神さえある


極楽を現世に表そうとする設計思想があるのかもしれない。




で、帰りは整備された参道を下って、無事、保田駅まで歩いた。


行程はだいたい4時間。


気軽にハイキングできるコースとして、全国的見ても優良だと思われる。



以上

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