日本で手に入りやすい飛燕戦闘機のプラモデルには、2種類ある。
タミヤ製のものとハセガワ製のものだ。
今回は、1/72スケールの飛燕Ⅰ型丁を作り比べる。
二つのキットの主な相違点は以下の通り。
●タミヤ製
・製品が新しい(実物の調査結果が反映されている)
・新しいためパーツの精度が高い
・ただし価格が高い(この記事の時点では1720円)
●ハセガワ製
・タミヤに比べて金型が古い
・パーツの精度はまぁまぁ
・そのため価格が安い(この記事の時点では864円)
▲風防。右がタミヤ製、左がハセガワ製
もう少し、パーツの違いを説明しておくと――
・タミヤ
パーツ点数が多く、一つ一つも組みやすい。実機をデジタル採寸したデータを使っているため、再現度が高い。
また、別売りで迷彩デカールが売られているので、むずかしい塗装をしなくても迷彩柄が再現できる。
・ハセガワ
パーツ点数が少なく、組むのに時間がかからない。キット自体は20世紀からある古いもののため、現在のキットに比べたらパーツの精度が高くない。
ただし、タミヤにはないパーツ、パイロットと燃料タンクがついている。
▲説明書の違い。これがタミヤ
▲ハセガワ。ハセガワはシンプル
では、実際に完成品を見て比べていこう。
▲タミヤ製
▲ハセガワ製(迷彩はタミヤ製のデカール)
同じ飛行機と言っても、模型化した場合はメーカーによって個性が出る。
タミヤ製がイタリアのMC202に近く、ハセガワ製がイギリスのホーカーハリケーンを思わせる。
▲胴体機関銃の部分。上のタミヤ製は、機関銃の部分が実機と同じように別パーツになっている。ハセガワ製は胴体に直接彫刻がほどこされている。
▲機体の裏。上のタミヤ製はモールド(彫刻)が細かい。
なお、ハセガワ製は計器類を胴体につけるため、この写真にはない。パーツとしてはちゃんとある。
●結論:組み立てるならどっち?
結論を言うなら、タミヤ製のほうを組んだほうがいい。
キットとして新しいため、パーツのはめあいが素晴らしく、実物を細かく再現している。プロペラの取り付けにポリキャップを用いていて、回して遊びやすい。
ただ、ハセガワ製は「安い」という美点がある。
安く、それにプラモデルとしても決して不出来ではない。気軽に飛燕の完成品を見たいと思うなら、選択肢として上がってくる。
二つは対立するキットではなく、うまく住みわけができたものだと思う。
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