今も昔もそうだけど、日本はドイツから兵器を買うことが多い。
例えば陸自で使っている戦車の砲や対戦車ロケットは、元はドイツで設計されたものだったりする。
で、その伝統は、帝国陸軍時代から続くものだったりする。
三式戦闘機「飛燕(ひえん)は、元は日本製の機体にドイツ製のエンジンと機関砲を積んだ飛行機だ。
昔の飛行機の中では結構マイナーどころかな。一番はもちろんゼロ戦で、次に隼、疾風(はやて)あたりがくるのだろう。
飛燕は陸軍機なので、近年の提督諸賢もよく知らないのではないだろうか?
パーツはシンプル
2018年の3月31日。タミヤがその「飛燕」を「ウォーバードシリーズ」の新作として発売したので、今回、組み立ててみることにしたのだ。
いやあ、新発売のキットをすぐに買って組み立てるなんて、何年ぶりだろうか?
このシリーズ、箱が模型の完成品の写真が多いんだけど、今回は手書きのイラストだな。
やっぱり飛行機模型は、手書きの絵のほうがいいよな。
パーツ構成は上の画像にあるようにかなりシンプルで、あっという間に組めそうだ。
クリアパーツは閉状態の風防と、照準器、それに着陸灯。
デカールも他社に比べていい感じのオフセット印刷。
また、飛燕の歴史を紹介した小冊子が付属しており、飛行機に明るく無い方も、そのストーリーに思いを馳せながら楽しんで機体を製作することが出来るようになっている。
さっそく仮組み(接着剤をつけずに組むこと)。気楽にパチパチ切っていきましょう。
さすがのタミヤ製で、パーツの接合面に隙間が殆ど、いや全然開かない。まるでブロックを組んでいるみたいにピタ、と組める。
面倒で失敗する可能性さえある、すき間埋め作業の心配がないのはへぼモデラ―にはグッドだ。
外形は、液冷エンジンを搭載したしゅっとした感じがよくあらわれているし、精密感がすばらしい。
水平尾翼部分
モールドも、よい意味でひくレベルで、水平尾翼にちょこんとアンテナを取り付ける部分が出ているのは恐れ入った。もう一度言っておくが、このキットは小さめの1/72スケールなのだ。これが最近のタミヤか…
ピンバイス(小型のドリル)を持っていないので、アーミーナイフで穴をあけている
組むときの注意点としては、胴体右側と主翼に穴をあける必要のある部分があるので、忘れないようにしよう。
組みあがったコクピット
コクピットのパーツ数は7個。実機の1/72サイズまで縮小した模型だと、どうしても、ぬぺっとした再現になりがちだけど、それを感じさせない。
メーター内の計器とシートベルトはキット付属のデカールを使用。
色は、出張先で塗料を持っていないことを鑑みて、厳密ではない。黒系統の配色は全部ガンメタル色で塗っているし、レバー類なんかは油性マジックのお世話になった。
ドイツのBf109に似た外見
色を塗ったコクピットを胴体に組み込んで、主翼をとりつけたら、今日はここまで。次回は全体の塗装にかかる。
なるべくゴールデンウィーク前までにはうpする予定。
※ ※ ※
と思ったまま突入したゴールデンウィーク。いやあ、なかなかヒマがなくってね。
くやしいので、出張先からわざわざ、600キロ先の自宅まで持ち帰った。
そう、自宅である。
カッターや紙やすりにさえことかく出張先とは一味も二味も違う。十分な装備が整い、いざとなったら秋葉原に買い出しにも行ける、千葉県の我が家である。
わざわざ「迷彩柄が手軽に再現できる」シールも買い、我が意気も高い。
このささやかな長期休暇で、おまえを仕留めてやるぜ!
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
塗装に失敗した(泣)。
失敗個所は、エンジン回りとキャノピーと尾翼。つまり、頭から端まで全部である。
まず、ラッカースプレーで下地となる銀色を塗った。ここまではいいのだ。
ところで、実機は工場から出荷されるとき、各所の注意書き(フムナとか)と銀色の基本塗装だけ施して出荷された。
尾翼の敵味方識別のための色とか、コクピット前の黒色(パイロットがまぶしくないように施す)とかは、現地部隊で塗装したんだな。
だから俺も、それに倣って、銀色の上から赤とか黒とかの塗装を塗ろうとしたのだ。ちょうど、筆で塗れるラッカー系の瓶塗料なるものの存在を知ったから、重ね塗りOKだと思ったのだ。
重ね塗りは、とりあえずできた。本当はいまいちだったのだが、アクリルとかエナメル塗料みたいに、ラッカーの厚顔さの前にまったく色がのらないなんてことはなかった。
ところが、そもそも銀色が強すぎて、いくら赤色を塗ってもうっすら銀色が透けて見えるのだ。なにそのスケスケおパンツ?
で、色を頑張って厚塗りをしている最中に、ラッカー系特有の乾燥の速さがたたって、どんどん乾いてゆく。急に乾くということは、筆の跡がくっきり残ったまま固まるということだ。
見さ~げて~ごらん、夜でも目立つー 筆ムラーを。
失敗したのは、塗装だけではない。
あのシールも、鬼門であった。
シールは、水転写式の、いわゆる「デカール」だ。プラモでは普通の材料だ。
このデカール、別売りだけあって、質は悪くない。それに、エアーブラシという準備に面倒くさい機材を使わず、凝った迷彩を再現できる、っていう心意気も、大いに共感する。
だが・・・
しかし・・・
駄菓子菓子。
ちょっとデカールが、大きすぎじゃないですかね?
このデカールは大きく、一枚で胴体や主翼の片側をまるまるカバーできるんだけど、そもそも大きいゆえに小回りが利かず、主翼には貼ろうにも胴体が邪魔をして、胴体に貼ろうにも出っ張った主翼が邪魔をする。
特に胴体のデカール貼りは極めて困難で、なんで一枚のシールで、胴体から主翼の下に隠れているラジエーターまでカバーしようと欲張ったのかという疑問をいだきつつ作業を強いられる。
苦労した甲斐もなく、結局一気貼りは諦めるはめになった。初めてだぜ、わざとデカールを破って貼るなんて作業。
これからこの別売りデカールを使おうと思っている方、胴体と主翼は自由に外せるようにしておくことを、ガチでお勧めしておく。
幸いこれは世界のタミヤ製。接着剤を使わなくても胴体と主翼がぴったりとあって脱落しないぞ(このサイズのキットでこれって、普通におかしいレベルなんだよな・・・)。
で、キャノピーなんだけど、俺はこのコクピットガラスの枠塗り作業がとても苦手である。
まあ、こんな風に、マスキングテープを貼ってガラス部分を保護して、そのあとスプレーを吹きかけるんだけど・・・
スプレーがマスキングに染みこみました・・・
いやあ、プラモ用のマスキングを切らしちゃって、以前アマゾンの倉庫のアルバイトの時に使っていたマスキングテープを使ったんだけど、ラッカースプレーに耐えられなかったんだな。
みんなも、塗装の時は、ちゃんとしたマスキングをしようぜ!
さて、今回の結論を言おう。
色の重ね塗りに失敗しつつ筆むらまで残し、デカールを破ってしまい、そしてマスキングまでちゃんと貼れない。
いわば、初心者が犯すミスを丁寧に踏み、惨憺たる有様となった。
飛燕I型丁 モンハンの武器名ではない
それでもそれなりにかっこよく仕上がったのは、ひとえに元のキットの良さだな。
以前作った、ロ式双発輸送機と並べてみた。
ドイツレベル社の「1/72 ハドソン」を改造
左が「飛燕」でデカール貼った迷彩、右が「ロ式」で筆塗りでの迷彩。結果は明らか。
では、キットの総評を。
まず、「組みやすい」の一言に尽きる。
部品点数は少なく、どのパーツもぴったりあう。
手軽にかっこいい飛燕が欲しければ、お勧めできる。
欲を言うなら、両翼の燃料タンクと、「開」状態のキャノピーも、部品に着けてくれてもよかったかもしれない。(特にもう一つのキャノピーは、塗装に失敗した人間の救済策にもなるしね!)。
キャノピーに関しては、部品を別途注文して、差し替える予定。
この飛燕は千葉県に置いてきてしまっているので、差し替えは盆休みでまた戻った時だな。
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