2017年4月5日水曜日

赤城を持って赤城山 前編



 
さあ、いくぞ!
 
※ ※ ※
 
関東には群馬県っていう県があって、特に何もないことで有名なんだけど、実は一つ、気になるスポットがある。
 

 
春だ! 曙だ! 赤城山だ!
 
とゆうわけで、群馬県の赤城山に登ってきた。
 
東京の上野駅から鈍行で1時間50分。硬い座席のおかげでそろそろおケツが痛くなってくる頃合いに、前橋市っていう中堅どころの町に着く。
 

 
そこからは山まで直通バスが出ている。その日は暖かな快晴で、植林された杉に引っかかった雪がふらふらと落ちてくる。それでも道中は路面が凍結しているらしく、バスがチェーンを巻くために停まった。
 
一時間ほど山道を揺られると、晴れて赤城山のふもとに到着だ。
 

 
ここでさっそく、問題が発生した。
 
「どこから進むんだ?」
 
バス停車場すぐ脇の「ビジターセンター」にて、十円で買った地図を確認する限り、確かに道があるはずなのだが、目の前には雪の壁が立ちふさがるばかり。迂回路を探すものの、そんなものはない。
 
ちなみに、雪の積もり具合はこのぐらいだ。
 
バス停

俺のリュックと道路標識

あっはっは、まさかここまでとは思わなかったな。群馬って北国なのか? 俺はまだグンマのことよく知らないんだよ。
 
しかし、こんなことでめげる私ではない。ここまでかかった交通費3,440円のためにも、今日はめいいっぱい赤城を満喫するつもりだ。
 
幸いすぐに案内看板も発見した。
 

 
先客の足跡も残っている。さあ行くぜ! いざ雪原を踏破!
 
 
 
・・・あの、歩くごとに雪の深みにはまるんですが・・・
 

 
いちおう先人の足跡の上を踏むように進めば、はまり具合はマシなものの、それでも四歩に一歩は「ずぼっ」と踏み抜く。なるほど、先人の足跡をたどってもダメな時はダメってことだな。
 
で、普通なら10分もかからない道を30分かけて歩く。
 

 
ところで、今回の旅には同行者がいる。しかもなんと女の子である。いつも「ぼっち」で行動しているような印象を受けられるかもしれないが、私にだって友だちの一人や二人はいる。
 

 
ちなみに、イラストだとこうね。
 

 
そう、赤城山と言えば赤城さんである。イラストとフィギュアの造形がこんなに違う子って、めずらしいよね!
 
「ねんどろいど」っていう、フィギュア好きには有名なシリーズの出身で、このシリーズは見ての通り二頭身のデフォルメでキャラを表現する製品だ。
 
ねんどろいどは流行りの作品をまんべんなく取り扱っていて、「艦これ」なら他に大和とか加賀とか金剛とかを商品化している。みんなカワイイゾ。
 
・・・なんかいろいろつっこむ声が聞こえてきそうだけど、とりあえずこのためだけにアマゾンで赤城を注文した俺の心意気は買って欲しいものだ。
 
で、雪原(本当は沼なのだが雪で埋もれて雪原になっている)の横に実はちゃんとあるアスファルトの道をてくてく歩くと、こうゆうところに着く。
 

 
「赤城神」ではない。「赤城神社」である。例によって雪で埋もれているのだ。
 

 
奉っているのは赤城大明神で、ご利益は心身健康・無病息災・病気平癒(いっぱいあるので略)。興味があるならホームページを見てくれ。ここで祈れば大抵の事は解決しそうだ。
 
ちなみにこの神社、「大沼」っていう、ワカサギ釣りができるカルデラ湖の上に立っている。春先の湖はこーんな感じ。
 

 
 
 
ではいよいよ、赤城山への登頂を開始だ。そびえる山容はこうだ。
 

 
うわー、もうこれぜったいしんどいやん。登りたくねえなあ。なにか理由をつけて帰ろっかなあ。
 
しかし、今日はこのために来たのである。一ヶ月前から準備して、日程を調整し、この日に備えた。すでに交通費だけじゃなく、食料代とか、赤城さん代とかもかかっている。あとには引けない。
 
それにふもとでのほほんとワカサギ釣りをしようにも、4月はすでにシーズンオフで漁協が許さないのだ。
 
さあ、いくぞ! 今くたびれた感じで降りてきているおっちゃんが通っているところが、雪に隠れた道だ!
 
 
 
さてさて、赤城山に登るといったが、「赤城山」という名前の山は存在しない
 
この名は古い時代の噴火でできたいくつかの山の総称である。
 
今回のルートは標高1,685メートルの駒ケ岳に登って、そこから最高峰の「黒檜山(くろびさん、1,828メートル)」を目指す。バスで標高1,300メートル地点にまでは来ているから、登る距離はせいぜい600メートルほど。普通なら、早歩きで一時間ちょっとのコースだな。
 
普通なら、な・・・
 

 
ぎゃあああ、また足を取られた。今度は深い。今まで膝丈だったのに、足の付け根まですっぽりと!
 
私はすかさずポケットから携帯を取り出し、シャッターを切る。「記念になると思ってな」。雪に包まれた足がどんどん冷えてくる。靴の中に雪が入り込む。しかし大丈夫だ。撮影、完了。
 
・・・あれ、抜けない・・・
 
なんか、ちょー踏んばっても抜けないんですけど。
 
必死に雪を掻き分ける。靴は見えたものの、それでも足は抜けない。木の枝が絶妙にはさまっている。押しても引いてもだめだ。やばい、靴の中の雪が溶けて外と内からのダブル冷却効果を発揮し始めた。
 
しかし知恵を働かせる。押しても引いてもダメなら、転がってみろ!
 
前にでんぐり返しするように転がると、きれいに「すぽっと」抜けた。オレ アタマ イイナ!
 
ただ斜面なので、そのままずるずると2.5メートルほど滑落した。ふりだしに戻る!
 
いや、道中はほんまにしんどかった・・・
 
とられる、はまる、すべる、ぐねる、ひっかかる、踏み外す、足に及ぶたいていの現象を体験したし、ここまでもりだくさんだと、当然痛めた。
 
道は、すっぽりはまりこむと思ったら、アイスバーンみたいになっていて滑り落ちるところもある。途中の急斜面に設けられた鎖型の手すりは、もちろん雪に埋まっており、ちょこんと突き出た柱の頭を乗って進む。
 
自分の装備がまたまずくて、基本的に秋用装備なのだ。上着はさすがに手持ちの中で一番いいのを着てきたが、靴は普通の軽登山靴だし、ズボンに至ってはユニクロのワゴンセールの綿パンだ。
 
「え・・・ アイゼン(靴につけるスパイク)つけてない」
「ストックもない」
 
すれ違ったハイカーたちがヒソヒソとつぶやく。
 
「この先、アイゼンないと厳しいと思うな」
 
手馴れた感じの親切なハイカーが、そう忠告をしてくれた。しかしすでに標高は1,600メートル。後には引けない。
 
あまりにも登りにくかったので、手頃な枝をおっ・・・げふんげふん! ちょうど運よく自分の身長にあった手頃な枝が落ちていたので、それをストック(登山用の杖)がわりに進む。

 
 
結局地図で「50分」と表示されている道を一時間以上かけて進み、やっと尾根筋に出る。尾根筋って言うのは、山のてっぺんが連なっている部分だな。
 

 
ちなみに山の反対側の風景がなかなか良かった。
 
ここまで来ると、アップダウンがそれほどないからだいぶラクになる。駒ケ岳はもうすぐだ。


 
さてさて、駒ケ岳は赤城山のナンバー2である。「クロノ・トリガー」で言うなら、ラヴォスの前のジールを倒した・・・ことになるのかなぁ。
 
とにかく、山はまだ続く。
 

 
なぜ赤城山に登るかって? そこに赤城さんがいるからだ!
 
(俺達の記事は次回に続く)


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