2017年4月6日木曜日

赤城を持って赤城山 後編

そういえば雄々しく雪の赤城山に挑む俺氏のスペックを紹介してなかった。

【スペック】
名前:ある芸人とある声優を足して2で
   割ったような名前
性別:♂
年齢:初代遊戯王と初代ポケモンが発売
   されたとき小学生
体型:身長173 体重57
体力:中の上(好意的解釈)
今まで登った山:大文字山、天王山、天保山
好きな艦娘:艦これやったことない
好きなゲームBGM
『天地創造』のライトフィールドの曲
『テイルズオブファンタジア』の「Fight Of Spirit」
『ポケモン金銀』の「なみのり」のテーマ


※ ※ ※

    赤城を持って赤城山 後編

さて、駒ケ岳から赤城山最高峰である黒檜山(くろびさん、1,828メートル)までの道は、こんな様子になっている。


白と黒の、色が変わっているところをずっと進んで、頂上を目指す感じだ。


 
実はこの道、「関東ふれあい道」なんて平和な名前がついてるんだけど、いったいどうしてこんなネーミングセンスを発揮したんだろう? どう考えてもターナーの絵とかで死地に向かう英軍が通ってそうな道だ。それとも夏にはもろもろの生物と触れあえるのか?

まあいい。よつばちゃんも言っている。「白と黒はいい」と。

帰りのバスの時間もあることだし、前進! 前進!

・・・あれ、見た目よりアップダウンがきつい・・・

このぐらいの標高になると、すでに平地にあるような普通の木は生えていない。特に赤城山のような火山性の台地だと、必要な栄養が足りなくて、貧困に強い木ばかりだ。

白樺オンリーの森が形成されて、しかも下半分が雪の下だ。

雪の下60センチで春を待つササ

しかもその枝は弱いから、うっかり手をかけたりすると容赦なくボキリといく。

ところで読者のみなさんは、気分を盛り上げるときに口ずさむ曲はあるだろうか?

私は山登りに来てちょっときつい道になると、FFⅣの山の曲を思い浮かべる。ほら、主人公が黒から白に変わる悲劇のイベントが起こるダンジョンのBGMだ。

あと、雪がちらつく山なら、DS版『クロノ・トリガー』の「死の山」の曲だな。この曲はスーファミ時代にはすでに作られたんだけど、DSでの移植の際に実装されたBGMだ。

物語の終盤、世界崩壊後の悪霊さまよう山というリアルではまず行きたくないところに、主人公の命を救うためにおもむくのだけど、そのシチュエーションとBGMがめちゃくちゃあってるのだ(調べたが「歌う山」という曲名だそうだ)。

シンプルな構成でクロトリ一番の曲ではないかもしれないが、ぜひ一度ご試聴あれ。

で、この曲を口ずさむと言うことは、道がちょっとというかかなりきつい証だ。

なんかさあ、道がさあ、30度ぐらいにきゅっと伸びてるんだけど・・・

この傾斜が、雪のすべり台みたいになってんの。足を取りつつ滑らせるっていう、最悪の道だ。

よし、ヨツンヴァインモードに変身だ! これは足の裏だけでなく、腕や膝まで使って地面を這う、超絶アクティブなモードだ。

某緑色の服着て匍匐前進とかする組織で無理やり鍛えさせられた脚力をみるがいい!





――登れねえええ


写真じゃ伝わらないけど、すっげえダメな道なの。ほれ、スーパーマリオのコースで、坂になってて奈落に真っ逆さまな箇所があるでしょ? あんな感じなの。

「さーんぽ進んで3メートル下ーがるー」状態なのだ。

ステッキがほとんど通らないところ頑固なところがあると思えば、「ずぼっ」とはるか下の地面まで貫通する軟弱な部分もあって、「え、ツンデレ・・・ってそんなキャラいらんわぁ」な怒りがわいてくる。

たかが十メートルほどの道を、足場を探してうねりながら登り、5メートル先の中途半端な位置で一息つく。また登り、斜めにそそり立つ不安定な木に寄りかかる。平らな地面が恋しかった。

「俺はこんなところで何をしてるんだ?」とアイディンティティの危機が訪れる。今やっていることを一言で言うなら、――秋物の服でフィギュア持って冬の辺境をさまよっている、だ。

特に下半身が雪でぐっしょり濡れて、風が吹くと水冷式と空冷式をダブルで発揮する。あたりには人がおらず、鳥がおらず、生きている草も見当たらない。

あるのは雪と、貧相な木と、それにもたれる自分。この木がまた腹立たしくて、登るときに手をかけるとここぞというときに折れて、俺に襲いかかってくるのだ。なんだよそのツリートラップ。

しかし、山のいいところは、人生と違って歩けば確実に目的地に着くところだな。


一生に一度は、こうゆう景色を見ておくのも悪くないと思う。


 

時間は15時30分きっかり。地図上では60分かかると詐称されていたコースを、2時間かけて進んだわけだ。

「(大声で)どこがふれあいコースやああああ」

よし、昼飯にしよう!


ところで、この赤城さんに対して、ちょっとした不満が出てきた。

この子、たたねえんだよ・・・

どうゆうことかというと、自力で立つことができないのだ。

いちおう、何かに寄りかからせるか、専用のアームつきスタンドを使えば、立つっちゃ立つんだけど、人生において寄りかかるものは少ないし、スタンドは見栄えがよくない。
 
知り合いの師匠も言っている、「いいフィギュアの条件は、自分で立つこと」だと。

あとこの赤城に関して言えば、パーツがそれぞれ干渉しあって、ポーズがあまり取れないことだな。
 


大まかにこんな風にパーツ分割できるんだけど、煙突をモチーフにした矢筒、ザクシールドみたいな飛行甲板、そして赤城自身の長い髪がそれぞれごっちんこして、弓手なのに「弓を構える」ポーズがままならない。

まあ、これは二頭身デフォルメフィギュアの宿命なのかもしれないな。

しかし、知り合いはこのねんどろいどでぐりぐり遊んでいたから、不思議なものだ。

ここで、30分ジオラマのお時間だ。といっても、3分間もかからないが。

用意するのはフィギュアと、それっぽい雪景色と適当な森だ。


なんかきれいな光景があれば、それっぽい情景は作れる。


背景が青空でも可だ。

ところで、赤城山といえばそれに名をちなんだものがたくさんある。

空母の赤城もそうだし、JRの特急にもその名がついたのがある。赤城颪(おろし)なんていう、六甲おろしに似た現象も存在するし、あの「ガリガリ君」の「赤城製菓」も、この山を社名にいただいているのだ。


そう、赤城といえばガリガリ君である。ふもとの店で買ってきた。安くてうまい、夏のお供だ。

実はこの記事のタイトルである「赤城を持って赤城山」の赤城とは、このガリガリ君のことでもあったのだ! せっかく赤城山に登るのに、艦船の擬人化だけを連れて行くような手抜かりをする男だと思っていたのか?

ちょうどカップヌードルを食べて、ほどよく喉も渇いている。喉の渇きをガリガリ君で癒す、これぞまさに至福の時!

ガリ! これはガリガリ君です!












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・・・・・・・・・・・・寒い・・・

いや、ギャグが寒いんじゃなくて、リアルで寒いんだよ。なお気温は-4℃のもよう。

寒風吹きすさぶ、雪景色の中で、氷菓子なんて食べるもんじゃないね! ちなみにほぼ買ったままの状態で溶けてなかった。

さて、目的が済めば、さっさと降りるに限る。

あ、ちょっと頂上からの写真をもうちょっと撮っておこう。




謎の足跡

なお、登りに3時間近くかかったこの山だが、帰りは50分で戻れた。

体育座りみたいな格好で、雪の上を滑って進んだからな!

下り道 奥の白いのが大沼
たぶん、瞬間最高速度は時速12キロぐらい出てたんじゃないだろうか?

赤城山尻すべりコンテストがあれば、まちがいなく初代チャンピオンだ。

もっとも途中で木にぶつかって、危うく赤城山を朱に染めるところだったがな!

よい子も悪い子も普通の子も、マネしちゃだめだぜ。



滑落すると、マジで死ぬ山だから。



まあ、結局尻すべりの甲斐なくバスに乗り遅れ、歩いてふもとまで行く羽目になったのだが、それはまた別の話だ。


 


 
 

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