2024年8月8日木曜日

実物と見比べる もがみ(タミヤ 1/700)

 

海上自衛隊の船って、見ようと思えば見る機会がいくつかあって、例えば東京なんかは、一般公開される日があるから、そこを狙って見学することが可能だ。



それである日、護衛艦の「もがみ」と「くまの」を見てきたのだけど、なんとその直後、タミヤから「もがみ」のプラモデルが発売された。


「1/700 海上自衛隊 護衛艦 FFM-1 もがみ」


こりゃを組まなきゃ、と思って、最近になってようやく組めた。


今回は、「もがみ」を組み立てたよって話。


 

★組み立て開始


さっそく中身を確認。


 ▲Aパーツ
 
 
 ▲Bパーツと砲塔回転用のポリキャップ(左上)
 
 

 ▲Cパーツ

 

 

パーツの第一印象は「のっぺりしてるな」だ。


もがみは現代の船なので、ステルス構造を重視して突起物が少ない。おかげでプラモにしたとき、シンプルさが否めない。

 

だから、タミヤとかピットロードとかの模型会社は、いかに「模型に落とし込むか」という点で、腕の見せ所となっている。


タミヤが心掛けたのは、「組みやすさ」だ。




説明書の段階で、まず驚かされる。

組み立ての時、左右に分割された船体を張り付けるのだ。

自分の知る限り、この艦船模型で、こんな風に左右分割しているのは心当たりはない(飛行機ならベターなのだが)。

 

▲デカールを先に貼る関係上、船体のグレー部分の塗装も、先に済ませてしまっている。海自の船だけど、旧軍の「舞鶴海軍工廠グレー」で塗っている(だいたい同じ色なため)


そのうえ、船首とヘリコプターの飛行甲板挟み込む、
モナカみたいな構造になっている。この組み立て方も、初めて見る。
 
普通は、一体成型された船体の上に、板状の甲板を貼る、という形をとる。

たしかに、船体から艦橋まで一体化しているステルス艦なら、こういう組み方の方がいいだろう。

 

あ、飛行甲板のデカールを先に貼っている。その方が組みやすい、と判断したためだ。


 


このデカールの出来も、またいい。

印刷が細かく、リアルだ。

ヘリコプターとかが着陸・離陸する飛行甲板は、だいたいグレーで塗られている戦闘艦のなかで、アクセントととなる部分だ。

ここに質の良いデカールを用意してくれていると、作る側としては大助かりなのだが、タミヤはいいものを用意してくれた。




船体と、艦橋、ヘリの格納庫などの構造物は、1時間程度で組める。


構造物を船体に取り付けていくのだけど、ここでもタミヤはあまり見ない組み方を指定してくる。


箱状になった船体の下(船底側)から、パーツ挿入して、正しい位置に取り付けてゆくのだ。




たとえだ、格納庫。こうやって裏から滑らせるようにはめる




艦橋も、裏側から挿入して、「ぱちん」と固定する




艦橋はこんな感じではまる。




構造物をはめ込んだら、船底になる部分で蓋をする。この辺りは、普通の艦船模型と同じだ。重り用の金属の板があるのも、同じ。
 



船底をはめるとこんな感じ。「ウォーターラインシリーズ(水に浮かぶ船を再現)」なので、本物だと丸っこい船底は、平らになっている。
 



やたらたくさんあるアンテナ類を、とりつけていく。
 




似たようなアンテナばかりだな、どれもはめる部分の「穴」の形が違うため、はまる部分にしかはまらない。こういう細かいところにも、ホスピタリティ精神を感じる。




二時間足らずで、完成する。
 
 
★実物と見比べる
 
 
●主砲
 



主砲は、その下のくぼみや放射状の「ささえ」まで、再現されている。ポリキャップで回転もするぞ。

 

●艦橋




艦橋の窓ガラスは、プラモでは「黒」で塗るよう指定されているけど、たしかに遠目から見ると黒っぽく見える。
 
 
 
「もがみ型」のトレードマークとなっているアンテナ類も、よく再現されている。 
 
 

●対空用バルカン 




バルカンは、レーダーポッドの周りについている取っ手をつけたら、よりリアルっぽくなるだろう。こういう「改良」できる余地を残すのも、いいキットの条件だと思う。
 
 
 
●船体を斜め後ろから見る
 


 
プラモデルは、完成品と実物が微妙に違うってことがよくあるのだが、この「もがみ」のキットに関しては、プロポーションは完璧だと思う。
 



●日章旗




旗は、水転写式のデカールではなく、ただの紙だ。貼るのには「のり」が必要になってくる。ただ、水転写式はどうも「ぱりっ」としていたので、旗は紙の方がいいな。
 
 

●格納庫




格納庫は、情報量が非常に多い。プラモでは、段々になった部分など、要所要所を押さえて再現している。「火気厳禁」もデカールに入っているのだが、さすがだと思う。
 


●他、実物写真
 


▲浮き輪
 
 
▲主砲のハッチ
 


▲艦橋の上に載っている機器類。船に詳しくないので、具体的にはわからない。
 


▲タラップ








もがみ型の解説を少々。


もがみは2022年4月に就役した。「もがみ型護衛艦」の1隻目となる。同型艦は12隻が建造される予定だ。


ステルス性を高めるため、船体や艦橋などは傾斜した平面で構成されている。


「もがみ型」は、護衛艦として初めて機雷除去能力を獲得したそうだ。(機雷は、掃海艇っていう除去専門の船がある)。ちなみに、ブログ主が見たときは、まだ除去機材の一部が配備されていなかった。


掃海隊群や護衛艦隊に対して配備が進められているので、これからも同型艦が活躍するさまが、各地で見られるだろう。

 
 
 




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