2024年8月15日木曜日

明石とガンダムと北斗の拳

兵庫という土地は、今住んでいるところから500キロ以上離れているんだけど、小さいころ住んでたし、その後もしばらく生活基盤があったりして、なじみのある土地だ。


今回は、その兵庫に、一日旅行をした話。


 

〇おおざっぱな道程(0000は時間)

ホテル発(0520)

羽田空港第2旅客ターミナル着(0600)

離陸(0640)

神戸空港着(0750)

神戸駅着(0830) 

明石駅着(0900)

明石城(0910~0930滞在)

明石市立文化博物館(0940~1000まで滞在)

明石市立天文科学館(1030~1230まで滞在)

 (人丸駅から灘駅まで移動)

兵庫県立美術館(1330~1630まで滞在)

 (阪神岩屋駅から阪神梅田駅まで移動)

阪神梅田着(1800)

曽根崎近くのホテル(1900にチェックイン、宿泊)



予約が取れた飛行機が早朝に離陸だったので、前日は空港近くのカプセルホテルで宿泊することになった。

羽田空港の利用は初めてで、そもそも飛行機に乗る目的で空港に行く経験も数えるほどしかなく、まごつく。

いやさ、搭乗口に行くために空港内バスを利用するなんて、なかなか思いつかねえぜ・・・



ただまあ、乗り込んでしまえば後は快適な空の旅だ。




ほぼ1時間の飛行で、神戸空港に着く。海の上の空港だな。

そこから神戸まで、ポートライナーっていうモノレールっぽい乗り物で出て、JR線で出て、明石駅まで行く。

今回の旅の目的の一つが、明石観光だからだ。
 
  

〇明石城


明石城は、明石駅から目と鼻の先にあって、立派な二つのやぐらがのこっている。






巽(たつみ)櫓



坤(ひつじさる)櫓

 
どういうわけか、天守は残っていない。火事で焼け落ちたとかじゃなくて、そもそも作られなかったらしい。




天守を作る予定だった場所は残っている。計画はあったらしい。




天守建設の予定地から見た、曲輪(くるわ)の跡。天守の西側の、すぐ見下ろせる位置にあり、面積も倍近くある。




巽櫓から10メートルほど離れた位置には、同じ規模の櫓が建ちそうな「台」が、残っている。




その「台」から、巽櫓と登城するための道を見る。
 
 
かなりの高さがあり、天守をちゃんとつくったら、かなり攻めにくい城になったはずだ。


巽櫓と、明石駅前のビル群。




〇明石市立文化博物館



お城の敷地に隣接する形で、博物館がある。ついでに見てきた。




▲お祭りで使われた「山車」


中は、「ちゃんとしてる町の博物館」。博物館の良し悪しはその地域の良し悪しにかかわってくるけど、明石はかなりいい方だ。






飛鳥時代の鴟尾(しび)。火除けのために屋根に就けるお守り。名古屋城のしゃちほこと、同じようなもの。
 
かつてこの地方では、焼き物全般が盛んで、これも窯の跡から発掘された。




明石と言えばタコが有名だけど、博物館にはちゃんと、漁船の模型が展示してある。
 
写真は「ハイカラミヨシ」と呼ばれる船。瀬戸内海の複雑な波を乗り切るための、とがった舳先(へさき)が特徴だ。





興味深いのが、火縄銃の「免状(写真下)」

武士が、適切な撃ち方を身に着けたと、証明するためのもの。今の免許制度に通ずるものがあって、おもしろい。




〇明石市立天文科学館



明石は、日本標準時の「子午線」が通っていることで有名な街だけど、その真上に天文科学館がある。駅からもよく見え、ランドマークにもなっているな。





シチズンの「コスモサイン」時計。時刻とともに、星座も表示してくれる優れもの(時刻と連動して、星座も動く)。これ、めっちゃほしいぞ・・・

展示物は、星空や時刻に関連するものや、この地点に日本標準時が定められた経緯などが紹介してある。




しかし、一番の「売り」は、プラネタリウムだろう。



▲銘板

今年で稼働から64年。「現役の東ドイツ製品」という超貴重なシロモノ。「プラネタリュウム」という今は見ない表記が時代を感じさせる。

星空が投影されている様子も見てきたけど、最近つくられたものと比べても、そん色ないぞ。

ちなみに、解説された星は北斗七星と南斗六星で、ちょっと笑ってしまった。

これから行く、今日のメインとも言える場所と、関係があるからだ。


 

〇兵庫県立美術館


明石市立天文科学館の最寄駅である「山陽人丸駅」から、須磨まで行き、そこでJRに乗り換えて灘駅まで行く。

そこから徒歩10分ほど歩けば、「兵庫県立美術館」が見えてくる。

とくに美術に関心が高いわけではないが、興味のあるイベントが、なんと二つも、開かれている。




一つは、「描く人、安彦良和」展




もう一つは「北斗の拳――40周年大原画展」だ





〇「描く人、安彦良和」展


安彦良和氏は、一言でいえば「アニメーター」で、「初期のガンダム(ファースト、Z、F91)」や、その他オリジナルアニメを手掛けている。

展示物もそれらの「原画」が中心で、他に氏の漫画作品の原稿などが展示された。

残念ながら、展示会場内は撮影禁止だったので、写真はない。文章で説明する。


印象に残った原画

・セイラ・マスとコズン(捕虜になったジオン兵)の、ピストルの奪い合いの場面
・カツ、レツ、キッカが捕まった時、レツが縄を食いちぎるシーン
・ア・バオア・クーでの、アムロとシャアの、レイピアでの白兵戦のシーン


それぞれの原画の横には、実際のアニメでのシーンが流されており、かなり興味深かった。一枚絵の集まりがぬるぬる動くのを見るのは、不思議な感覚だ。

他に、「巨人ゴーグ」や「クラッシャージョー」の原画があり、往年のアニメファンにとっては、かなり楽しめるのではないか、と思う。



▲みやげ物のポストカード
 




〇「北斗の拳――40周年大原画展」


今回の旅行を計画するにあたって、まずは安彦展について調べたのだけど、ホームページには「北斗の拳」の原画展もやってるよと書いてある。

かなり好きな漫画ではあるし、こいつは見るしかないな、旅程に組み込んだ。ちなみに同じ建物ではあるが、「安彦展」とは別料金だ。


ケンシロウの等身大フィギュアの脇を抜け、ドアのない入り口があるのだけど、まず目につくのがコレ。


 



身を挺して核シェルターの扉を閉じようとするトキ、だ。

この時点で、「この原画展、めっちゃおもしろいんじゃないか」と期待が高鳴る。入り口にこのシーンのトキを配置するのは、かなりのセンスが必要であろう。

その思いは、少し進んだ先で確信に変わる。
 




実物大の種もみのじいさんの墓」だ。

たしかにじいさんのエピソードは印象には残る。
だが、彼は北斗でも南斗でもなく、名前すらもちゃんとついていない。

「原作を読み込んだ人間」でないかぎり、この墓をチョイスしない!!





他にも、北斗神拳後継者の中で、唯一「リボルテック」が商品化されていないことをネタにされたジャギ様の、等身大金ピカ像や・・・





おなかの部分がぷにぷにしていて、ちゃんと秘孔が突けるようになっているハート様など、美術館らしからぬネタグッズ展示物がたくさん出てくる。

 





ちなみに、人生で初めて、音声ガイドを借りた。CV「千葉真一」だったので、即決だった。

アニメ版北斗のナレーション声で、しっかり展示物に関係する物語の説明を、してくれるぞ。





聖帝サウザーがのる、バイク。





実際に座れる、サウザーの椅子。サウザーの体格に対して、ちょっと小さいような・・・





この原画展、原画展としては太っ腹なことに、原稿の写真を撮ってよかった。ただし、原稿を一枚絵として撮るのはダメで、こんな風に複数枚まとめて撮らないといけない。





原稿によっては、原作者か編集者のコメントがついている。名前がついてよかったね!



豪華なのは、展示の最後にある、各漫画家の応援色紙だ。







一般でもよく知られている名前から、「北斗の拳」の原作者と同時代のベテランまで、とにかく大御所の色紙がずらりと並んでいる。




▲ラオウの、例のシーン。出口のところにあるのがいい


とにかく大満足で、展示会を後にする。個人的には「修羅の国編」まで展示してほしかったけど、たぶんスペースや知名度の問題だろう。




▲みやげものやにあった、原哲夫先生のフィギュア。値段相応のクオリティはあるぞ



※余談。二日目



二日目は大阪に移動して、知り合いと会ったりした。万民が見るブログで書くようなことはない。



午後には、万博記念公園に行って、ショッピングモールや民族学博物館(民博)を見た。
 
ショッピングモールは、関東にもある「三井アウトレットパーク」に似た店のラインナップだ(というか、万博のやつも三井の経営)。

見て楽しめるけど、買うまでは いかないな、という商品がたくさんの空間である。ヨギボーとかは、心惹かれたのだが。
 


民博は、久しぶりに見たこともあってかなり楽しめたが、館内が薄暗くていい写真が取れなかった。
 
 

夕方には、再び神戸空港を利用すべく、三宮に移動した。

目をつけていた飲み屋が満席だったため、空港で食べようとポートライナー三宮駅まで移動する。


改札横の上島珈琲が、閉店するとの張り紙を見つける。


もう10年近く前の話だが、毎日ポートアイランド(神戸空港がある人工島)に通っていた。

ここの上島珈琲も、しばしば利用した。


▲ココナッツコーヒー。上島は甘みをつけたコーヒーがうまい


変化が世の習いとはいえ、また一つ、なじみの店が消えてしまった。

 


一服をとったあと、神戸空港まで移動する。2110発予定のANAは、定時で離陸した。

 

2230には、羽田空港に着く。


今回の感想を述べるなら、「もう一日欲しかった」だろう。

兵庫はでかいので、たとえば山陽(瀬戸内海側)を見て回るだけでもそれなりの日数がかかる。神戸の街一つに絞ったとしても、一日じゃあ回り切れない。

それはともかく、一日の観光でも、かなりの満足感を得られた。興味のあるところ、行きたかったところを、ピンポイントで回ったからな。

そういう「ピンポイント」が集まるところ。それが兵庫という土地であり、神戸という町であるのだろう。


0 件のコメント:

コメントを投稿