2017年7月24日月曜日

ポケモンGO 一周年 歴史 まとめ 前編

 だいたい一年前の7月22日、日本でスマホ向けゲーム「ポケモンGO」の配信がスタートした。

 先行で欧米で配信されていたのだが、そこでまさに「爆発的」と言ってよい人気を博して、日本での配信が今か今かと待たれたものだった。

 普通、スマホゲームなんて地上波のテレビのニュースなんかでは取り上げられないのだが、この「ポケモンGO」は取り上げられた。そのぐらい、社会現象になった。

 ここではちょっと、一年の変遷をまとめたい。

※ ※ ※

1.ポケモンGO配信開始


「ポケモンGO」は、携帯電話にあたりまえに備わっている「位置登録情報」を活用したゲームだ。システムをわかりやすく言うと、ゲーム画面に自分のアバターとデフォルト化された現在地の地図が表示され、自分が歩けばアバターも移動してポケモンが出現する仕組みだ。


不思議だね♪ 二人手をとり歩けたなら♪

 
で、最初にゲームを起動すると、だいたい三匹のポケモンを捕まえることになる。

 フシギダネ、ゼニガメ、ヒトカゲの三体だ。

(実は裏技でピカチュウも捕まえられるのだが、そこは別で調べてくれ)

 この三体は、ゲームボーイ(任天堂スイッチの遠いご先祖様)で発売された初代ポケモンで、最初に選べた三匹だった。

 この「ポケモンGO」が配信されたとき、初代をリアルタイムでやった人間はだいたい20代~30代。働き始めているけど、結婚はしていないから、小金を持っている、そんな世代で、つまり課金が見込めるお年頃だ。

2.配信されたはいいけど・・・

 どんなゲームもだいたいそうだけど、ポケモンGOにも初期にはいろいろ問題があった。

・サバ落ち
・交通事故
・モンスターボール不足
・田舎に行くほど野生のポケモンがいない


・サバ落ち

 すでにオーストラリアで先行配信していたときにもサーバーが落ちたから、なんらかの対応はしていたはずだけど、日本でもやはりサーバーが落ちた。みんながいっせいにアプリをダウンロードしようとしたためだ。

 そのため、配信開始直後はダウンロード制限がかかっていた。だいたい一ヶ月ぐらいだったと思う。

 ただ、任天堂とナイアンテック(ポケモンGOの開発元)がしっかりしているなと思ったのは、その後の初期の不良はほとんどないことだ。

 もう一つ名誉のために言っておくと、「ポケモンGO」は一ヶ月の期間にもっともダウンロードされたアプリゲームとして、ギネス記録に登録されている(2017年7月現在)。

 

・交通事故

「ポケモンGO」は、どうしても画面を見て両手で操作しないとできないゲームだ。
 片手でもできないことはないのだが、それだと指でスワイプしてモンスターボールを投げるのにだいぶ差しさわりがあるし、画面を見ないでプレイするのはほぼ無理だ。

 両手がふさがる、画面に集中する、そしてプレイに歩く必要がある。この三点の条件が重なり合うとどうなるか?

――事故が起こるのである。

 道を歩いていて人やものにぶつかる。あるいは駅のホームから線路に転落する。「歩きスマホ」という言葉が世間に認知されたのはこの頃だ。また、車の運転中にモンスターに気を取られ(高速で移動するから、当然ポケモンが出まくる)、事故を起こすといったケースもあった。配信一ヵ月後ぐらいには、死亡事故も起きている。

 あと、めずらしいケースとして、ポケモンを探し回って人様の敷地に侵入し、警察の厄介になる事案もあった。

 株式会社ポケモンは、配信日には同時にガイドラインを公表して、注意を促していたが、残念なことに世の中に注意書きを読む人間はほとんどいないので、下のような措置につながっていくことになる。



 
 

・モンスターボールの不足

 
 ポケモンGOにおいて、原則モンスターボールはタダで手に入る。
 
  マップ上に「ポケストップ」があって、これを指でスワイプするとボールとか「きずぐすり」がランダムで3~4個飛び出てくる。

 
 画面中央下の青い丸っぽいオブジェがポケストップ
 
 
 タッチするとこんな表示に変わり、これをすわいぷする
 
 
 ポケストップは一回スワイプすると色が変わり、アイテムを出さなくなるが、おおよそ5分たてばまた色が元に戻る。さすが任天堂、気前がいい。

 ところが、ポケストップの数が少なすぎたのだ。

 ポケストップは、公園や歴史的記念碑、公共施設などがある地点に設置されている。公共施設っていうのは、市民会館や、郵便局なんかだ。
 
 一つの街に、郵便局や、ましてや市民会館なんて無数にありはしない。都会ならともかく、田舎なら一つの街に郵便局一つ、市民会館一つだ。公園の絶対数も少ない。

 モンスターボールは、もちろん足りなくなれば買う(課金)して手に入れることも可能だ。が、ポケモン一匹あたり多い時はボールを30個ぐらい使うし、それに人間、タダで手に入るものを買うのには抵抗がある。

 実際、筆者の知り合いはモンスターボールの不足でプレイを続けるのを断念したという。

 それに、田舎で不足したのは、モンスターボールだけではない。
 
 そもそもモンスターが、少なかったのだ。

 

・モンスターの不足


 ポケモンGOは、モンスターをゲットする事によって経験値を稼ぎ、トレーナーレベルを上げていくゲームだ。

 そのモンスターが、田舎のほうではずっと少なかったのだ。「田舎に行くほど野生のポケモンが少ない」とは、よく言われたものだ。
 
 のちに「金銀」のポケモンが実装される前は、ポッポ、コラッタ、キャタピー、ビートル、たまにイーブイの、5種類ぐらいしかいなかった。
 
 
 窓際のポッポちゃん
 
 とくにポッポの出現率がやたら高く、心を痛めた一ユーザーの少年が「ポッポばかりが出ることを訴えた自主制作ゲーム」を作ったほどだった。
 
 ポケモンGOのレベル上げの手法に「ポッポマラソン」という、ポッポの乱獲&進化を繰り替えして経験値を稼ぐ方法があるのだけど、この方法が流行ったのは「単純にポッポしか捕まえるポケモンがいない」という事情もあった。


 ※ ※ ※

 これらモンスターとモンスターボールの不足は、暫時解消されていった。
 
 今ではすっかり種類が増え、ポッポ、コラッタは「程よい」出現率だし、キャタピーやビートルにいたってはややめずらしいポケモンだ。
 
 モンスターボールの供給先も、「スポンサー企業」のショップがポケストップになることによってかなり解消された。特に、よほどの田舎にもある「セブンイレブン」と「マクドナルド」がポケストップになったことはかなりでかくて、特に無課金のトレーナーは大助かりだ。
 
 企業にとってもうまみがあったようで、例えばマクドナルドは、経営が傾いていたのに、売り上げがニュースになるぐらい増した

 
 
 さて、次回の記事では、この一年間に行なわれたイベントについて書こうと思う。




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