2019年6月3日月曜日

出張先でもプラモ 第17回 アラド Ar196A (タミヤ 1/48 イタレリシリーズ)


軍艦にさえレーダーがのっていなかった昔、艦隊が「遠くを知りたい」と思ったとき、のっけている飛行機の出番だった。
 


戦艦武蔵を見ていただきたい。後ろのほうに、緑色のものが見えるだろう。あれが武蔵の艦載機だ。

武蔵だけでなく、この時代のだいたいの戦艦には小さな飛行機が搭載してあって、偵察や陸上の基地との連絡に使用された。


で、ドイツの戦艦で奉職したのが、今回作るアラドAr196水上機だ。
 


日本では、タミヤブランドの証であるダブルスターのマークがついて発売されているけど、キット自体はイタリアの「イタレリ社」のものとなっている。

イタレリは、商品によって出来のいいのと微妙なのがあるメーカーとして知られているが、果たしてこれはどうだろうか? 俺の長い経歴のわりにへなちょこな腕で、ちゃんと完成させられるだろうか?


さっそく中身を確認。




アラドAr196は水上飛行機なので、車輪の代わりに水の上を走るための浮船(フロート)がついている。

ジブリアニメの「紅の豚」でのライバル、カーチス機を思い浮かべてくれればいい。
 

■組み立て



▲仮組み

胴体は、鉄パイプに金属板を張った、この時代ではスタンダードな構造。ただし、胴体の後ろの部分には布が使われている。

布を使う利点は、軽い、錆びない、修理が簡単。
 


▲乗務員席(後ろの座席はまだついていない)

Ar196は二人乗りで、操縦士と、敵の観測や無線の操作を行なう乗組員にわかれている。
これは、この時代の水上偵察機はほとんどと同じ。
 
 


▲操縦席の塗装にはこの二つを主につかっている。ありあわせの塗料だ。




▲乗務員席をはさむように、胴体を組み立てる。

 


▲主翼の付け根と胴体をぴったりつけようとすると、胴体裏側に隙間ができる。パテとかで埋める。
 




▲浮き舟を胴体に取り付ける






▲素組みがほぼ完成した状態
 

ここから、色を塗っていく。



▲迷彩の再現のため、色を塗りたくないところにマスキングテープを張っている状態



▲缶スプレーで、吹付け塗装中

なお、色はタミヤの「TS-61 NATOグリーン」を使っている。

え、この飛行機の時代にNATO軍はない? いや、NATO軍って、ドイツ軍の延長みたいなものだし(暴論)

マジ話をすると、NATO軍の迷彩の色って、ナチスドイツで採用された迷彩の色に似ている。とゆうか、ほとんど同じ。
 
どちらもヨーロッパでの戦いを想定しているから、似るのは当たり前なのだが。

 



▲で、マスキングテープをはずすと、こうなる




▲塗っていないところは、筆塗り

本当はエアーブラシを使うべきなのだけど、出張先に持ってきていない。


▲作業風景
 
うーん、塗り分けした迷彩があんまり迷彩になっていない。つや消しスプレーを吹く前は、ここまでひどくなかったのだが・・・

塗り方が悪い? それとも塗り分けに、余っていた「陸上自衛隊の戦車に使う緑色」で使ったのがまずかったか?

ちなみに、陸上自衛隊の戦車に使う緑色も、NATO軍グリーンとそっくりだぞ。地球の植物はだいたい緑色をしているから、仕方ないね。
 


▲キャノピーの塗装。マスキングでガラスの部分を保護して、枠のみ塗る



▲干されるキャノピー
 
キャノピーが乾いたら、取り付ける。

デカールを貼ったら、完成。




艦これとかで日本の水上機になじみのある人は、「なんかやぼったいな」と思うかもしれない。

ただ、これは、零式水上観測機とかがやたら空力的に気合を入れて作っているからで、水上機は普通、見てくれは二の次だった。


■細部解説



▲プロペラを外す。

エンジンは、BMW社製の960馬力。この時代のエンジンの出力としては第1級のもの


▲パーティングライン(ぶつぶつの上のバリ)の処理忘れた・・・

このぶつぶつは、ピストンエンジンのシリンダーの部分。内部で上下に動くから、そのぶん膨らんでるってわけ。同時期のイタリアの戦闘機も、こんな感じになっているな。



▲タツノオトシゴの部隊マークは、ビスマルク搭載機のもの。ただ、実機に比べてちょっと大きいかもしれない。

実は、手すり(白い「コの字型」のやつ)の貼り付け向きが間違っている。本当は「Uの字型」に貼らないといけない。乾いてから気づいて、もうはがせない・・・

もっとも、まじめなモデラ―なら手すりを自作するべきである。俺? まじめじゃないからおk。

もう一つ書いておくと、迷彩バターンも厳密ではない。実機は、浮船の支柱は緑色ではなかったようだ。




▲キャノピー(風防)。ポーランドのカラス爆撃機に似ている。ながめよさそう。



▲支柱

緩いアーチ型の支柱で、実機では着水の時の衝撃を吸収するために、わずかに稼働するようになっているみたいだ。

実機には、補強のため張り線を✖字状に張ってある。まじめなモデラ―は(以下略)



▲台車。陸上ではこれにのっけて移動する。もちろん人力だ

 

▲20ミリ機関砲は、戦闘機が積むような大型の火器で、浮船付きの鈍重な水上機が積むにはちょっと無理がある。

ただこの飛行機は射撃で、浮上中の潜水艦を降伏に追い込んで鹵獲しているので、選択としては決して誤りではなかった。



▲浮舟の方向舵。折れやすい、というか折れて修復する羽目になった。


■解説

アラド Ar196は、艦これのおかげで巨乳になったビスマルクやプリンツ・オイゲンに搭載された。あと、「仮装巡洋艦」っていう、無害な商船の振りして敵に近づく船にも搭載された。そのうちの一隻「トール」は、日本の横浜港までやってきている。

ついでに書いておくと、トールのAr196は、日の丸の塗装がされていた。同盟国の日本に、まちがって撃ち落とされないようにとの配慮だった。

なお、Ar196は船に乗せる飛行機であるが、実は海軍の所属ではない。空軍機だ。

だいたいの国は、海軍の艦艇に載せる飛行機は海軍の管轄なのだが、ナチスドイツにおいては、空軍大元帥のゲーリングの発言権が強かったから、飛行機はほぼ全て空軍の管轄ってことになっていた。

パイロットは海軍に出向き、海軍の指揮下で働く。まるで派遣社員だ。


■レビュー


最後にキットの評価を。

アラド Ar196A の、貴重なキットである。
 

いちおう、故国ドイツ製(ドイツレベル社)のキットもあるのだが、日本では手に入りにくく、スケールも小さい。

スタンダードに手に入り、ストレスなく組める。良キットと言ってさしつかえない。

ドイツ機は、戦闘機とか爆撃機とか戦争末期の変態兵器ばかりが注目されるが、たまにはこうゆう地味なのもいいかもしれない。



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