2017年11月12日日曜日

文系で電波も周波数もわからない俺がアマチュア無線4級に挑戦してきた 二日目




 俺氏は物心ついたときには、すでに携帯電話が普及していた世代であるが、実は本格的な無線機の操作をしたことがある。
 
 真冬の雪の中、匍匐前進した後に銃剣突撃したりする尋常じゃない某組織で訓練を受けたとき、扱ったことがあるのだ。
 
 

 
 そのブツは、スマホ全盛のこの時代にレンガブロック二つ分の大きさをしていて、通信装置というより、積んである土のうのすきまにつっこんで陣地の補強に使うようなシロモノだった。
 
 いちいちダイアルをあわせないといけないし、しかも天気が悪いとちゃんと声が聞き取れない。
 
 なお、どうしても通信ができないときは、普通に民生品の携帯電話を使っていた。すごいな、ドコモ。
 
 とにかく、無線に関してはまったく見たことも触ったこともない人よりはアドバンテージがある。さあ、来い、二日目! どんとこい、超常現象!

 
「二日目は工学です」
 
  
・・・こうがく?
 
 こうがくって何? 食べれるの?

「みなさんも学校で、電流の磁気作用やオームの法則は習ったと思いますが――」
 
 え? オーム? でっかいダンゴムシのこと? 俺、選択科目、生物なんですけど・・・
 
 そういえば、俺よりふたまわり上の世代は、選択科目という概念がなく、物理や生物はもちろん、地学でさえ、まんべんなく習わされたと聞く。
 
 まさか、こんなところで差が出るとは! これが、ゆとり世代の苦しみだというのか!?
 
 とにかく朝の九時半に、講義が始まる。教科書の内容はこんな感じ。
 

 

 
 
 お、おお、意外にいけるぞ。なあんだ、中坊のレベルじゃないか。
 
 やはり俺の、漠然とした楽観視は正解だったようだな。な、言っただろ? 俺は不可能を可能にする男だってことを。

 で、大まかな時間割はこんな感じだ。
 
 
 
0930〜1210
 電流とか電圧の基礎知識
 直流と交流の違いとか、半導体と絶縁体とか、オームの法則とか
 
1210〜1300
 昼休憩
 
1300〜1430
 無線機の仕組みや回路の話、アンテナの種類と、電波の伝わり方
 
1430〜1500
 自習
 
1510〜1610
 試験
 
 
 そう。資格を取るには避けては通れないもの、それは試験である。義務教育を受けてきた大体の日本人なら、10回や20回はやっているあのアレだ。
 
 まあ世の中には、甲種防火管理者資格のように、実質試験がないものもあるが(「効果測定」という名の、テキストを見て解答を書くものはある)。
 
 試験は一時間。法規から10問、工学から10問の計20問だ。マークシート方式で、一問につき四つの解答から正しいものを選ぶ。
 
 法規も工学も、60パーセント以上正答できないと免許をもらえない。一問間違えると正答率が10パーセント下がるわけだから、気が抜けないといったら気が抜けない。
 
 気が高まる・・・ あふれる・・・
 
 
 それで肝心の結果だけど――
 
 法規100点、工学80点だ。
 
 昨日の今日の話だから、当然合格発表は出てないのだけれども、おそらく合格だ。
 
 とりたてて、大真面目に勉強したわけではない。昨日、ホテルに泊まったときも、一回軽く復習した後、あとはずっとようつべ見てたし。
 
 
 
 ともかく、試験は終わった。
 
 さあて、免許届くまでは扱えないけど、とりあえずどんな無線機があるか下調べをしようか。試験会場になった店舗の売り場へGO!
 
「すいません。登山で使える無線機ってどんなのがありますか?」
「登山用ですか。こちらなんてどうでしょう」
 
 
 
 
 え・・・ 思ってた以上に・・・ 
 
 この値段じゃ、レノボの安いパソコンなら新品で買えるし、山登りの装備なら、ウェアと靴を新調してお釣りが来るよな・・・
 
 こりゃ、アマチュア無線が流行らないわけだ。 



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