2024年3月10日日曜日

遊戯王マスターデュエル クソデッキ紹介(環境と書いてクソと読む)




「環境デッキ」と書いて「クソ」と呼ぶ。そんな、あふれるクソたちの紹介。




超重武者




▲遊戯王の珍走団


「環境のあらゆるデッキにドロバを積ませる影響力」


●クソカード3点

・モンキーボードの再来と言われ「令和の過ち」とさえ言われた《超重神童ワカ-U4》
 
・その過ちをサーチする《超重武者バイ-Q》
 
・展開力のあるテーマに居座りながら、「名称ターン1」がない《超重武者装留イワトオシ》

 
 
「過ち」を犯す前の【超重武者】は、独特の立ち位置にいる楽しいデッキだった。

モンスターの共通効果の特性上、魔法、罠がほぼ採用できないフルモンデッキであり、そのモンスターの多くは守備表示で攻撃できる。

フルモンならではの動き方をし、構築次第では当時でさえワンキルが可能なデッキではあったが、魔法、罠が使えないという重い制約がかかる。

ある意味、長所と短所のバランスが取れたデッキであった・・・

とある二枚が、実装されるまでは・・・



この2枚は凶悪の一言につき、ワカ-U4(牛若丸)は、調整ミスの権化であるEMモンキーボードをほうふつとさせ、ついたあだ名は令和の過ちバイクはバイクで腹立たしく、あらゆる超重武者を連れてくる。
 
バイクで牛若丸サーチ
牛若丸でデッキから超重武者特殊召喚
 


牛若丸のだいたいのサーチ先であるイワトオシがまた、非常に残念なことになっていて、
 

名称ターン1がない

シンクロ時代にデザインされた、古いカードのためだ。

その結果おかげで、この弓矢と盾を組み合わせた駄作武のようなモンスターが行ったり来たりして、「親の顔に見えた」との幻覚を引き起こした挙句の果て、



▲先攻ワンキル30秒前の布陣。ボムフェネックスが出たら、もう、助からないぞ


先攻ワンキルという、カードゲームとして避けるべき事態が発生したのだ。

仮に先行ワンキルでなくとも、デッキが回った場合の先攻制圧盤面は恐るべきものであり、






この四体が並ぶ様子は、往年のクソデッキにまったく引けを取らない

じゃあ、変わりに後攻が弱いのかと言われたら、決してそんなことはなくて、とくに無理することもなく出てくる、







《超重武者装留ダブル・ホーン》を装備した《超重天神マスラ-O》 は、攻撃力4000の二回攻撃。きっちり命を刈り取ってくる

こうして、かつてアークファイブの良心こと権現坂くんが使ったデッキは、汚名にけがされ、超重武者の名は、恐怖と憎悪の対象になったのであった・・・
 
 
 
★対策

かようなように、恐るべきデッキではあるが、「手札誘発にめっぽう弱い」という、わりと見過ごせない欠点を持っている。魔法カードである墓穴がデッキに積めないからな。

とくにデッキから手札への補充を多用することから、《ドロール&ロックバード》は天敵で、多くのデュエリストがこのカードの生成とデッキへの投入にいそしむのであった。

ただ問題点があって、この《ドロール&ロックバード》の効果は自分に及ぶので、著しくゲーム性を損なうことだろう。

このカードと増殖するGを同じターンに使って、頭を抱えたデュエリストは多いことだろう(投稿者n敗)。

もちろん、先攻ワンキルよりはましなのだが、なんと忌々しい事態である。

※ ※ ※

2024年2月、先攻ワンキルへの加担が評価され、無事イワトオシが準制限になった。

こいつのサーチしやすさを考えたら準制限はさほど意味がない(いちおう、素引きされる可能性は減る)のだが、まあ、様子見と言ったところなのだろう。



斬機


いや、「やり過ぎ」だろう・・・


●クソカード4点

・自力で特殊召喚するついでに《愚かな埋葬》を発動し、ついでに魔法、罠をサーチする《斬機サーキュラー》

・相手の手札、フィールド、のカードを見境なく墓地へ送る《塊斬機ラプラシアン》
 
・ラプラシアンを相手ターンに出す《斬機超階乗》
 
・ラプラシアンのクソつよ効果を+1枚するうえに、召喚時に墓地の斬機を蘇生する《斬機ダイヤ》



【斬機】がクソになった理由は《斬機サーキュラー》のせいである。異論は認めない

サーキュラー実装以前の【斬機】は、強いは強いがやや安定感に欠いていた。

《塊斬機ラプラシアン》は、X召喚にレベル4モンスター3体を要求し、出すにはそこそこの工夫が必要であった。当然、このカードのサーチ先である《斬機超階乗》のサーチも、さほど簡単とはいかなくなる。

エースモンスターたる《炎斬機ファイナルシグマ》は、このカード以外の効果を受けないクソ強カードなものの、不安定さに見合った、強さであった。
 

そう、《斬機サーキュラー》の、実装までは・・・

 

光属性 レベル4 サイバース族
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
 
①:デッキから「斬機サーキュラー」以外の「斬機」モンスター1体を墓地へ送って発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時まで自分はモンスター1体でしか攻撃できない。
 
②:このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、自分フィールドに他の「斬機」モンスターが召喚・特殊召喚された場合に発動できる。デッキから「斬機」魔法・罠カード1枚を手札に加える。


いや、「やり過ぎ」だろう・・・

自力で特殊召喚できる光属性のレベル4サイバース族というだけで及第点なのだが、そのうえこいつはデッキから墓地送りの効果までもってやがる。送られる「斬機」モンスターが無害ならまだ許せたのだが、残念なことに《斬機シグマ》君は墓地から自己蘇生ができる。

つまり、召喚権を使わずにレベル4を2体用意ができるって寸法だ。

レベル4×2体で「ダランベルシアン」をエクシーズ召喚し、「斬機」モンスターをサーチ
特殊召喚した「斬機」と「ダランベルシアン」で、《デコード・トーカー・ヒートソウル》をリンク召喚
「ヒートソウル」の効果で、自分と相手のターンに1ドロー(有効な妨害札が引ける)

の動きは、MDをやっている誰もが一度は見たことがあるだろう。


なお悪いことに、サーキュラーをサーチする手段も豊富と来ている。



《サイバネット・マイニング》
手札を1枚墓地へ送って発動できる。デッキからレベル4以下のサイバース族モンスター1体を手札に加える。
 
 

《斬機ナブラ》:自軍のサイバースをリリースすることで斬機をリクルート


これらのサーチには、いちおう うららが有効なものの、【斬機】は必須パーツが少なくデッキをコンパクトに出来るので「墓穴」で返り討ちにされる可能性が高く、そもそもサーキュラーを素引きされていたら意味がない(サーキュラー自身を止めても、次のターンに展開してくる)。

 

そして、相手ターンに発動されるのが《斬機超階乗》というパワーカードである。


このカード、《ラプラシアン》をこっちのターンに出して、3枚除去(「ダイヤ」が素材になっていたら4枚!?)するのだ

この動き自体は、かつて猛威を振るった《鉄獣の抗戦》と似ているが、こちらの手札にまでちょっかいを出す時点で、悪質度は上である。
 
しかもこの罠カードはシンクロ召喚も選択でき、《炎斬機ファイナルシグマ》(詰むデッキは確実に詰む)を出すことも可能だ。

シグマ隊長を出すとき、2回攻撃を付与できる《斬機ナブラ》、攻撃力を2倍にできる《斬機マルチプライヤー》を素材とする

これで、攻撃力6000×2回攻撃の《炎斬機ファイナルシグマ》が爆誕というわけだ
 

★対策

サイバース族共通の特性として、こいつらも特殊召喚を多用するため、《増殖するG》は抑止力になりうる。

あと、墓地を多用するため、除外系のカードも有効だ。アトラクターとかだな。

この2枚は、邪悪なるふわんだりぃず以外のデッキにも刺さるので、ランクマでは積み得なカードだ。


※ ※ ※

《斬機ダイヤ》は、現在のMDにおいては制限カードである(2024年春現在)。斬機は召喚権が余るデッキであり、召喚時に悪事を働くこいつを規制することは、良調整といえなくもない。

もっとも、【斬機】自体、あとになって登場する「サーキュラー」を売るためにわざわざ調整されたテーマという雰囲気があり、良調整うんぬん以前に遊戯王運営の商売上の良識を疑うのだが。



烙印


誰でも抱ける君が好き

●クソカード4点

・デッキ融合カード(迫真)《烙印融合》
 
・「選んで除外」という現代遊戯王最強の言葉がついているのに、フィールドから追い払っても最後っ屁でこちらの全モンスター破壊を狙ってくる《氷剣竜ミラジェイド》

・墓地からデッキに素材をリサイクルして融合をかます《神炎龍ルべリオン》
 
・自力で特殊召喚、自力で墓地から回収を兼ね備えた生ける融合魔法《赫の聖女カルテシア》



【烙印】は、遊戯王マスターデュエルにおいて、いまのところもっとも長くはびこるデッキであると言ってよい。

このテーマは「融合」を主軸に戦っていくデッキであり、《アルバスの落胤》を素材や効果発動の条件にしているカードが多い。


▲このロイヤル加工は投稿主の手持ち。ちょっと自慢

《アルバスの落胤》は、《超融合》を内蔵する効果から通称「誰とでも寝る男」。ガールフレンドのエクレシア(こいつはこいつでやっかい)からサーチすることが可能で、ヒロインの呼び声に駆けつける主人公然とした男だ。

そのアルバス君を起点に出てくるドラゴンたちは、素材指定に属性縛りを持つかわりに多種多様な効果を持ち、言い方を変えれば、

変化する環境、次々と実装される強カード、商業主義的動機からくる理不尽な規制・・・

これらの積みあがる汚物に合わせて、刻々とデッキ内容を、変えていくことができるのだ。

【烙印】はまず、ストーリー上つながりのあるデスピアと組み、その後も環境に合わせて、伴侶を変えてきた。
 
ティアラメンツ、クシャトリラ、ビーステッド
 
その時代を彩ったクソテーマと合体を繰り返し、「電話de詐欺」のように手を変え品を変え、脈々とクソの命脈を保ってきたのだ。
 
 
 
烙印の根幹は《烙印融合》である。

このカードは俗に言う「デッキ融合」カードであり、デッキから素材モンスターを墓地に送ることできる。
 

 

かつてヘイトを振りまいた「影依融合」と同じ効果だが、遊戯王運営は令和の時代にもヘイトを振りまくことをためらわなかったようだ。
 
しかも《烙印融合》は、相手の場にEXモンスターがいなくともデッキ融合ができる。後攻のまくりふだ、という免罪符さえ、持つ気がなかったようだ

烙印とその相方たちは、効果で墓地に送られたら効果を発動するモンスターがごまんといるため、あとは(対戦プレイヤーが)みなさまのおもちゃです、というわけだ。
 
 
 
とくに、「氷剣竜ミラジェイドぉ!(迫真)」は難敵で、能動的にこちらのカードの除去できる攻撃力3000持ちで、自身が場から離れたら全体破壊、と、すきのないクソさとなっている。

他にも、相手の効果の対象にならない《真炎龍アルビオン》など手数が多い。さすがテーマの主人公が、「誰でも抱ける」と評されたことはある。



★対策
 
《烙印融合》を止める、というのが、第1目標となってくる。幸いデッキから墓地送りの効果を持つため、うららでとまる。

ただ、カルテシアという悪女は生きている《烙印融合》と言っても過言ではないので、これを止めただけで安心はできない。

墓地で発動する効果を止めるカード、例えば「墓穴」や《墓穴ホール》も、有効打になりうる。もちろん、打ちどころを間違えなければ、の話だし、一回ぐらい止めただけでは止まらないことも複数なのだが

 
※ ※ ※
 

いちおう公平のために言っておくと「アルバス君当人はそんなに悪くない」
 
 


▲NTRされたカードたち
 

なるほど、投稿主にしても、これまで数々のエースモンスターを彼にNTRされたものの、彼は現代遊戯王では「常識的な強さを持つカード」の一枚に過ぎない。
 
そもそも《超融合》と違って、彼はチェーンを組むのを許してしまうのだ。(つまり妨害カード一枚で止まる)。NTRに手札コストも必要だし。

 
また【烙印】は、操作がむずかしく、思考に時間のかかるデッキであることも、否めない。

投稿主自身、烙印とものすごいいい勝負をしていると思ったら急に「ぱりんぱりん」とされて、なんだと身構えたら「タイムアウト」だったということが、しばしばあった。

それに、いろいろ けなしておいて、このことを認めることは心苦しいのだが・・・

カードゲームのだいご味であるデッキ構築の段階では、かなり楽しいテーマであることは、否定できない。

ようは、【シャドール】と同じ楽しみがあるのだ。

すべての新規カードは実質「烙印新規」と言えなくはないし、脳の汚染が進むと、ドラゴンや融合関連の新規を見るとまず【烙印】デッキが思い浮かぶようになる。

【烙印】ギミックは出張セットとしても優秀で、MDで言うなら、ドラゴンメイドのストラクを3箱買って、ここに烙印出張ギミックを組み込んだら、実戦とデッキの再構築の繰り返しで、三日は遊べる(そして最終的に、メイドがみんなビーステッドに置き換わっているだろう)。

もちろん、実際に相手をすると、辟易となることは、否定できないが。




 

VS】「ヴァンキッシュソウル」

 

 

手札を見せるだけで、コスト払った気になるヤツら

 

●クソカード2点

1枚初動のカードのくせに、フリチェで相手モンスターを破壊する効果を持つ《VS ラゼン》。

・味方と入れ替わることで、相手の対象を取る効果を回避するうえ、ドロー効果とバーン効果を持ち、自分も2500打点ある《VS ヘヴィ・ボーガー》(EXモンスターでもないくせに、なんでこんなに効果があるんだ)。

 

 

VS】のコンセプトとしては、「格ゲー」とされている。

手札から特定の3属性のモンスターを見せて効果を使うのが特徴で、ほとんどのカードがフリーチェーンで発動できる効果を持つ。つまり、こちらが何かしようとしたら、それに対してアクションを起こしてくるってことだ。

 

このギミック自体は、特に否定されるべきものではない。こちらのターンに動いてくるのは確かにわずらわしいが、そういうテーマは遊戯王に掃いて捨てるほどいる。

 

問題は、ひたすら「めんどくさい」という点だろう。

 

まずこいつらは、「見えない手札のカードの属性を覚える」という、これまでの遊戯王にあまりない脳の使い方を強いてくる。

 

見せる属性によってバーンしてくるのか破壊してくるのか変わってくるので、これは死活問題だ。

続いて、こいつらは効果の処理に、手札とフィールドのモンスターを入れ替えることが多い。

 

▲イラスト「は」嫌いじゃない


つまりキーカードである《VSラゼン》を破壊しようと思っても、容易に逃げられてしまう。

そして、「あれ? 遁走したラゼンって地属性だっけ、炎属性だっけ?」と、なるわけだ。

このフィールドと手札のモンスターを入れ替えるさまは、格ゲーでキャラクターを入れ替える動きを、再現しているのだと思われる。

そういえば、ラゼンがぽっと出てきてこちらを効果破壊しようとするさまは、キャラ入れ換えの際に相手に飛び蹴りを見舞いながら登場する様子に似ている。そんなところ再現しなくていーから!

 VS】は、遊戯王の中でも珍しいコントロールタイプに分類される。

つまり嫌われたことで有名な【天使パーミッション】や【マジェスペクター】と同じタイプというわけだ。

彼らのより有害なところは、「手札を公開する」という、手札消費でもリリースでもない単なる動作で、さもコストを払ったかのようなふるまいをしているところだろう。

「情報アドバンテージを与えてるじゃん!」の主張がありそうだが、それは、

 

「情報アドバンテージが、本来払うべきコストの価値と、釣りあっている」

 

場合のみに許される言い分である。言い換えるなら「何度も同じカード見せるんじゃねえ!」という意味だ。

 

★対策

デッキから次々とカードを補充するため《ドロール&ロックバード》が効果的だ。

先述の【超重武者】といっしょにメタることができるので、おススメだし、現に【超重武者】といっしょにメタられて、一時期環境から姿を消した。

 

   ※ ※

 

フリーチェーンで手札を見せて効果を発動し、次々と味方を入れ替え、デュエルのコントロール権をにぎっていく。

VS】は確かに、これまでにない動きをするデッキであり、遊戯王に新たな息吹を与えたことは否定できない。

しかしそれと不快さはまったくの別問題であり、実力も伴っていたため、あえなく「環境(クソ)テーマ」の誉れを、受けることになった。




ピュアリィ


「2枚目のノアールを出されたときの絶望感よ」

●クソカード
・「ピュアリィ」の名を持つすべてのカード



あだ名はシンプルに「害獣」。

「大体のカードが初動札」という状況は、多くのデュエリストに、遊戯王はかわいいカードがエグイ、を思い知らせた。

【ピュアリィ】は、モンスターに速攻魔法を使ってEXデッキから別のピュアリィモンスター出し、高い能力のピュアリィを出すことを目標にするデッキだ。

内部ストーリー的には、

速攻魔法=飼い主との思い出
EXデッキのピュアリィ=思い出によって進化したピュアリィ

という扱いである。描き方次第ではとてもハートフルなストーリーになったはずだった。

しかし、思い出の果てに出てくるピュアリィは、いずれも化け物である。


 
ノアールは防御能力に特化したモンスターで、条件が整ったときのステータスは、

「完全耐性+守備力5800」

アクセスコード・トーカーでさえ突破できない難攻不落の要塞と化す。

仮に四苦八苦して守備力以上の攻撃力をこさえたとしても、このノアールんと相手をバウンスする効果を持っているのだ

思い出で肥え太ったこいつの現実的な処理方法は、ほとんど壊獣だけだ。

おまけの、「スリーピィメモリー」を素材にしていたら、
「相手スタンバイフェイズに1枚ドロー」(効果は重複する)
というインチキは、もはや余談レベルである

じゃあ代わりに、ピュアリィって攻撃は苦手なの? との期待が浮かぶだろうが、もちろんそんなことはない
 


《エクスピュアリィ・ハピネス》はX素材を5つ以上持っている状態で相手に攻撃すると1500ダメージを与えられ、このバーン効果に1ターンに1度の制限がない。20年前のカードかな

《ハッピーメモリー》(X素材になっているハッピーメモリーの数+1回モンスターに攻撃可)を複数枚素材にしていた場合、事実上のワンショットキルが可能だ。

個々の能力だけでなく、テーマとしての継戦能力も高く、ついた異名は「ニビルを喰らってもぎりぎり生き残る」

というのもこのテーマ、ほとんどの「ピュアリィ」カードが初動札になるのだ。

あるショップの店員が、OCGで『ピュアリィ・リリィ』と『ピュアリィ・スリーピィメモリー』が実装された直後に事故率を計算したのだけど、先攻での事故率(初手5枚で初動になるカードが1枚も初手に来ない確率)は驚異の1%。これが後攻だと0.7%にまで落ちる。逆天文学的数値を出すな

まあ、さすがにニビル → 壊獣 の連続リリースは、きついようだが。

一応運営も、【ピュアリィ】の「壊れ」ぶりは察していたらしく、同級生(同じ時期に実装された)の御巫(みかんこ)は、壊獣とデッキ構築の相性がいい。バランスを取ろうとした形跡は、確かにある。

しかし
・驚異の初動率
・際限のないドロー
・動物というより菌類を思わせる生命力
・ダイレクトアタックと効果ダメージをあわせた隙のない攻撃性能

の恐るべき四点をほこるピュアリィを、壊獣ぐらいでどうにかできると考えたとしたら、浅すぎる考えだと言わざるを得ない。

事実、なんとか処理したのに二体目のノアールが出てきて絶望した、との声が、流れてきている。

いちおうピュアリィ使いも、「手札コストが死ぬほどきついんすよ~」とか、謙遜して見せる。本当か? 本当にそうなのか? 

★対策
抜本的な対策としては、やはり壊獣はすべてを解決する、だ。

また、サイドチェンジのある紙の大会では、《エクシーズ・オーバーディレイ》(X素材をすべて取り除く)が積まれたケースも、あったようだ。

もう少し実践しやすい方法を言うと、ピュアリィのXモンスターの呼び水になる、《ピュアリィ》もしくは《ピュアリィ・リリィ》に《エフェクト・ヴェーラー》や《無限泡影》を当てるといい。

実はピュアリィは純粋な一枚初動ではなく「一枚+手札コスト」なので(この辺りは【暗黒界】に似ている)、序盤に手札補充を断ってしまえばこちらに有利となる。

なんとピュアリィ使いの謙遜は、それなりに真実でもあったのだ!

※ ※ ※

2023年末、MDにおいて、《ピュアリィ》本体と《ピュアリィ・プリティメモリー》が準制限に、
 
 

ピュアリィ・デリシャスメモリー》が制限に指定された。世間では「断食」とか言われている


【ピュアリィ】は、ピュアリィカードの数がものをいうデッキなので、ナーフとしては効果的、だと言える。





スプライト

  

  

スプライトやばくない?


★クソカード

「スプライト」と名の付く全てのモンスター


「スプライト」という災厄は、2023年2月に、マスターデュエルに実装された。
 







事前に初動札の一枚である《スプライト・スターター》が準制限に指定され、申し訳程度の調整こそなされたものの、OCG環境の覇者は、ほとんど止まることがなかった。


MDにおいても

「スプライトの対策は自分もスプライトを使うこと」

などと多様性の時代を逆行する環境を作り出したのだ


スプライトは、レベル・ランク・リンク2のモンスターを大量に召喚して盤面アドバンテージを稼ぐデッキだ。
 
 

メインデッキに入るモンスターどもは、だいたい他のモンスター、魔法サーチを呼ぶ能力を持っている。その共通効果は、恐るべきものであり、


レベル2と(ランクorリンク)2のモンスターがいると1ターンに一度手札から特殊召喚できる。


は? みたいな効果だ。


つまり、サーチがサーチを呼び、コンビニのドリンクコーナーみたいにバンバンと並ぶ。

モンスターにはさらに、余計な一言がついている場合があり、


○○発動時、レベル2と(ランクorリンク)2モンスターをリリースして無効にできる


おいこら、展開しつつ妨害すんのやめろ


スプライト魔法も優秀で、特殊召喚や相手を除外、打点アップ(だいたい3200)と、隙が無い。


★対策

「スプライトの対策は自分もスプライトを使うこと」

が一つの真理である。


 
いちおう、モンスターをサーチする《スプライト・ブルー》にうららをぶつけたら、止まることがある(止まらないことも多い)。

ただ、止まった場合は、相手の手札に各種手札誘発がそろっている可能性が高く、まったくもって喜べない。

 
テーマのまとめをすると、隙が無くてやばい。


レベル2、ランク2テーマの救世主、なんてことも言われるが、素直に首肯できない。


他のレベル2、ランク2テーマと混ぜて使うぐらいなら、「純スプライト」を使った方が圧倒的に強いし、スプライトモンスターたちの効果は、のちのちのカードデザインにも、暗雲をもたらすだろう(スプライトによる悪用を警戒して、有益なカードが刷れない)。


【スプライト】の登場による掛け値なしの利益は、有名な炭酸飲料と名前が被ったことによって、一般にも遊戯王の宣伝ができたことぐらいではなかろうか?


 
 
ちなみに、前述の【超重武者】の、反吐が出る制圧盤面の防衛に、《スプライト・エルフ》が貢献している。

効果:
①リンク先のモンスターは、相手の効果の対象にならない。


OCGでは禁止なのだが、なぜかMDでは生きている(2024年春現在)。
 
クラゲがアイコンの動画投稿者の弁を借りれば「ギリギリのラインをうまく生き延びてる」。ヘタな禁止カードより不名誉な評判である。



ラビュリンス

  

普通に考えたらわかる。こんなデカいやつに勝てるわけがねえって

★クソカード4点


・ゆるゆるの発動条件で、こっちのフィールドだけでなく手札まで破壊してくる《白銀の城のラビュリンス》
 
・罠カードをサーチしたり、罠はセットしたターンは発動できないという基本ルールを破ったりする家具モンスターたち
 
・自力で特殊召喚できる耐性もちの3000打点のうえに通常罠のサーチ能力まである《迷宮城の白銀姫》
 
・デッキから特殊召喚という強い効果のくせに、自力で墓地からよみがえる罠カード《ビッグウェルカム・ラビュリンス》
 

【ラビュリンス】は、通常罠をサポートするカードを多く持ち、罠カードでアドバンテージを稼ぎつつ立ち回る動きが特徴だ。
 
モンスターで罠カードをサーチし、その罠でアドバンテージをとると言えば、蟲惑魔などもそうなのだが、彼女らと違うのは、
 

デ カ い
 

という点だ。
 

最初【ラビュリンス】がOCGにおいて発表されたとき、その複雑な動き(とくに家具モンスター)を、理解できるデュエリストが少なかった。
 

もっぱら《白銀の城のラビュリンス》の、魅力的な腋と乳のデカさに、注目が集まっていた。
 
やがて販売となり、地力を発揮し始める。
 
ほぼ1年後。勝負が一戦しかなく、サイドデッキから対策カードを入れるという概念のないマスターデュエルに実装されると、あえなく「クソ」の評価を勝ち得た。
 
前述したとおり、【ラビュリンス】の強みは、通常罠を多用することによって、相手をじわじわと責めさいなんでいくことだ。
 
おおざっぱな動きは、

家具モンスターから姫様を召喚できる罠カードをサーチ
 
 
出てきた姫様(《白銀の城のラビュリンス》と《迷宮城の白銀姫》を、以後姫様と呼ぶ)が、なんやかんや悪いことをする

だ。
 
 
時計、ストーブ、シャンデリアからなる家具モンスターは、自身と手札一枚をコストに捨てて発動する効果を持ち、

 
 
ストーブ、シャンデリア:
サーチ効果。サーチはデッキからフィールドに直接出すので、うららが効かない。クソかな?

時計:
他のラビュリンスがいると、通常トラップをセットしたターンに発動可能にする。おまわりさんこいつです。
 
 
 
特に時計が厄介で、発動できるトラップにラビュリンス指定がない。素引きしたウイルスカードを先攻一ターン目にばらまかないでください。

そしてこの家具ども、通常罠でモンスターが場から離れたら手札に戻るかフィールドに特殊召喚する効果を持つ。そんなリサイクル精神捨ててしまえ

ラビュリンス通常罠も脅威で、デッキからラビュリンスモンスターを呼ぶ罠カード《ウェルカム・ラビュリンス》も十分強いのだが、さらに墓地や手札からも出せる《ビッグウェルカム・ラビュリンス》に至っては、ビッグはビッグでも不遜な方のデカさといっても過言ではない。

《ビッグウェルカム・ラビュリンス》は墓地効果で自分や相手モンスターをバウンスできる効果さえあり、「モンスターが通常罠で場から離れた場合」悪事を働く姫様との相性抜群ときている。
 
アンデットモンスターよろしく、自力で墓地からよみがえってくる点は完全に余計な一言で、そのおかげかOCGでは準制限(2024年2月現在)になっている。
 
  

そして、《迷宮城の白銀姫》。
 
彼女は、伏せカードさえあれば(実は伏せモンスターでも可)、効果に対する耐性を持つ。戦闘破壊は可能だが、攻撃力はいっちょ前に3000。デカい。

ちなみに、同じく罠をデッキから持ってくる効果を持つ《セラの蟲惑魔》の攻撃力はたったの800。どうしてサーチ能力のあるカードに、耐性と高攻撃力を同時に持たせたのか、意見を伺いたいところだ
 
もっとも有害なサーチ先は、各種「ウイルスカード」で、とくに《闇のデッキ破壊ウイルス》のコスト条件に姫様がぴったり当てはまり、時計とのコンボで先攻1ターン目にパンデミックをふりまいた。
 
もちろん公衆衛生上よくないので、MDでは制限カードになっている(2024年春現在)。

 
1.罠カードの基本ルールを無視した、伏せたそのターンに発動
 
2.出しやすいサーチカードにあるまじき攻撃力のデカさ
 
3.イラストのあちこちがデカくて男性デェエリストの気を散らせる

 

などが、【ラビュリンス】の罪状と言えるだろう。

 

★対策

先行1ターン目に、ものすごい制圧盤面を敷く、というわけではないので、対処する手段はある。
 
罠デッキ共通の弱点である《ハーピィの羽根箒》は、やはり効果的で、大幅に戦力を削ぐことができる。《拮抗勝負》などでも痛打を与えられるぞ(《拮抗勝負》は場に影響を与える効果で、《迷宮城の白銀姫》の耐性を貫通できるため)。
 
うららの打ちどころは、各種「ウェルカム」罠カードだ。ようはその場に、姫様をウェルカムさせなければいいのだ。
 
※ ※ ※

【ラビュリンス】は、まちがいなく環境(クソ)デッキの一画とはいえ、ギリギリ我慢できる程度のクソ水準にとどまっているため、致命的な規制も受けず、長いこと環境に居座っていた。
 
《迷宮城の白銀姫》と《ビッグウェルカム・ラビュリンス》の二点は出張セットとしても優秀で、他の罠ビート(【蟲惑魔】や【エルドリッチ】)と共存可能だ。
 
不遇だった罠ビートデッキに「光明」を与えたことは疑いない。
 
どんなデッキも「クソ」の座から降りる日が来るとは言え、姫様の顔は、今しばらく見かける日々が、続くだろう。


 

クシャトリラ




「萌えデッキにまで入り込むヤツら」

 
●クソカード4点
・自力で特殊召喚、サーチ、除去という、遊戯王でほしい三点セットを一体で持ってる壊れ《クシャトリラ・フェンリル》

・リリースなしでレベル7を召喚可能というルール違反効果と、墓地と除外ゾーンから蘇生というクソつよ効果を併せ持つ《クシャトリラ・バース》

・デッキからSS、フィールドゾーン封鎖の害悪のくせに守備力が3000もあってしかも2回破壊耐性がある《クシャトリラ・シャングリラ》

・「生きるマクロコスモス」という時点で万死に値するのに、除外されたカードをエクシーズ素材にして更なる除外効果の発動を狙ってくる《クシャトリラ・アライズハート》



 
とりあえず、このカードを見てくれ、こいつをどう思う。

すごく(効果が)おかしいです。

(ほぼ)ノーコストノーリスクで特殊召喚できるレベル7の2400打点の時点で頭おかしいのに、その上妨害(裏側除外)とサーチ能力まで持つイカれたカード。

こいつを筆頭に、「クシャトリヤ」モンスターどもは不愉快な効果でいっぱいである。

フェンリルでサーチでき、バースと《六世壊他化自在天》(デッキからクシャモンスター特殊召喚する通常魔法)をサーチできる《クシャトリヤ・ユニコーン》
 
 
こちらのスタンバイフェイズにデッキからフェンリルとかが呼べ、裏側除外に共鳴して盤面を使用禁止にしてくる上に、見た目も気持ち悪い《クシャトリラ・シャングリラ》


ね、不愉快でしょ?
 
 
エースモンスターたる 《クシャトリラ・アライズハート》は、エクシーズモンスターの基本ルールである「2体以上のモンスターを下敷きにする」を無視する脱法野郎で、《マクロコスモス》を内蔵するけたくその悪いモンスターである。

除外されたカードをそのまま下敷きにする効果を持ち、そうして溜めたエクシーズ素材でぶっぱしてくる裏側除外は、当然のごとく相手ターンでも使用できる。

対戦してみるとわかるのだが、この除外したカードをエクシーズ素材にするという動き、1ターンの間に頻繁に起こる。ターン1がないためだ。

何かのはずみでカード除外
除外されたので素材として没収
たまったエクシーズ素材で除外効果発動
除外されたので素材として没収

は、負のサイクルといっても過言ではなく、その気になれば相手のカードをゲームエンドまでパクり続けることができる。
 
攻守ともに3000という戦闘破壊の困難さは、おまけ程度のクソと化してしまっている。

動き方が比較的簡単、容易にパワカがたつ、出張セットとしても優秀など、その様子から、ついた異名は「遊戯王始めようセット」

 
 
 
特に出張性能は《クシャトリラ・フェンリル》と《六世壊パライゾス》の二種類から成立し、「とりあえず入れとけ」状態になっていた。
 
この二つのどっちかにうららを投げさせて、後続の本命を展開させる小細工があらゆる場面で見られ、ついにはシナジーのまったくない萌えデッキにまで投入されるに至った。

《クシャトリラ・フェンリル》の使用率は、2023年秋の段階で40パーセント。このクシャの躍進のおかげで、特殊召喚可能になるメインフェイズ前に《増殖するG》を投げるという「スタンバイ増G」の習慣さえ生み出された

●対策

一番手軽な対策は、「相手の手札事故を祈る」だ。マスターデュエルでの実装時においてさえ、フェンリルは準制限カード(2024年現在は制限)であり、環境デッキのわりに初動が安定しなかった。

不幸にして相手の事故死が叶わなかった場合でも、デッキから特殊召喚の《六世壊他化自在天》に《灰流うらら》をぶつける。
 
同じくデッキから仲間を呼ぶ(なんでこんなに簡単に仲間を呼ぶカードが多いんだ)《クシャトリラ・シャングリラ》に、《夢幻泡影》をぶつける、などで、いちおう動きを止めることができる。

《増殖するG》も、通れば有効、で、うまくうららや《夢幻泡影》がドローできて、相手の展開が止められる、の場面もしばしば見られた。

使う側が、どこに誘発を喰らったらきついかを学ぶ上でも、なるほどたしかに「遊戯王始めようセット」という名は、正しかったことになる

※ ※ ※

このクシャトリヤカードたちがOCG(リアルカード)で活躍していた時期は、コロナウイルスが流行っていた時期でもあった。

飛沫感染を防ぐため、デュエリストとデュエリストの間をアクリル板で仕切っていた。
 
当然、相手のカードを触るのは物理的にさしさわりがあり、いや、そもそも、相手のカードを触るということそのものが、忌避されていた。(デュエル開始時のお互いのデッキカットも、自分で行っていた)

環境は取れたかもしれないが、実際の環境には、すこぶるそぐわない集団であった。




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この下は、かつてクソだったけど、環境の進展でクソの座から降り立ったデッキを紹介しています。過去記事をそのまま載せているので、現状のマスターデュエルとはそぐわない描写等があります。
 



★ドライトロン(竜輝巧)


「遊戯王は宇宙」

●クソカード4点
・「1ターンに1回」がいかに大事かを教えてくれた《崇高なる宣告者》パイセン
・そのクソカードを悪魔的にサポートする、宇宙人顔の天使族《イーバ》
・そのイーバをサーチする《サイバー・エンジェル―弁天―》
・そのイーバをサポートする「永遠の淑女」という名のおばさん



ゲームの世界にまで「がんばっても報われない社会」を体現した存在。
「〇ね」「規制しろ」「SCP集団」の怨嗟の声を一身に受け、他のクソデッキも「ドライトロンよりはマシ」とされ、別格の扱いを受けていた。

邪悪の根幹は、《崇高なる宣告者》(アルティメット・デクレアラー)パイセンである。

この吐き気をもよおす天使は、「1ターンに1度(せめて、同一チェーン上に一回)」がついていないばっかりに、誇張抜きに、あらゆる効果を延々と止めてくる。

本当に、特別な例でなく、チェーン7とかまでふつうに無効化してくるのだ。ブログ主はチェーン10まで見たことがある

そしてパイセンを強力にサポートするのが、《サイバー・エンジェル―弁天―》と《イーバ》、そして《永遠の淑女ベアトリーチェ》だ。


・弁天=パイセンのサーチのサーチをした上に、おばはんの素材になる
・おばはん=イーバのサーチのサーチをし、こっちのターンに改めてイーバを墓地に送る
・イーバ=墓地に送られた場合、デッキから天使族を2枚サーチ
・パイセン=手札に天使族があるかぎり何度でも効果無効化


あとはわかるな?


▲制圧盤面の例。ちな、相手の手札は4枚(全部天使族)


●対策
残念ながら、「自分が先行をとって同じ盤面を敷く」のが最適解だったりする。遊戯王は悪意のぶつけ合いなのだ。

不幸にして後攻をとった場合、《ドロール&ロックバード》がてきめんに効く。ドライトロンなにがしの効果の処理の後、ぶつけてやるのだ。

ただこの子、こっちが先行のとき手札にきて、こちらの動きをロックしにかかることしばしばだけど・・・

相手に先行制圧を許しても、いちおう、《禁じられた一滴》か「壊獣」が手札にあると、まくれる。

ただ、その場合は急いでワンキルを目指すこと。ドライトロンは地味に持久力もあるのだ。2体目のデクレアラーパイセンをどうにかするのは、至難だ。



公平のため弁明しておくと、ドライトロン本体はさほどクソと言うわけではない。

「攻撃力を参照して儀式召喚」は、たしかにインチキ臭いものの、「儀式召喚」という、実装された20年前から不遇だったギミックには、このぐらいのテコ入れが必要だったのだ。

デクレアラーパイセンとイーバが規制されたら、ちょうどいいテーマに収まるのじゃないかと期待していたりする。規制されても愛せそうにはないけどな!


※2022年5月、ついにドライトロンに規制が入った。

弁天が制限カードになった。

いやね、やってくれないよりはいいよ? 確かに弱体化はするよ。だけど、違う、僕らが望んだのはそうじゃない。





★鉄獣戦線(トライブリゲード)





「キットさんがログインしました
 ナーベルさんがログインしました
 フラクトールさんがログインしました
 フェリジットさんがログインしました」

●クソカード3点
・瞬時に墓地を2枚も肥やす《鉄獣戦線 フラクトール》
・事実上《ソウルチャージ》(ライフコストなし)と《融合》を兼ね備えた《鉄獣の抗戦》
・そのクソカードから出てくる、除外持ちの3000打点《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》



2022年度マスターデュエルのクソの一画。誰が呼んだか「チクショー(畜生)」。

フラクトール → キット→ ナーベル → フェリジット

の美しい一連の流れは、多くのデュエリストに、ケダモノが人類と相いれないことを悟らせ、それ以前に「なにをやってるんだ?」状態に陥らせた。

なお使っている方も使っている方で「復帰勢だけど、効果把握してないけど勝ってる」とか言いやがる。負けたほうが浮かばれねえ。

ヘイトの筆頭である《鉄獣の抗戦》は、単なる「墓地リンク」なら許せたのだが、遺憾なことに一度墓地、除外ゾーンから特殊召喚してからリンク召喚をしやがる。

チクショーによっては、墓地に送られた場合に効果を発動する。だからあとはお気に召すままってやつだ。

このシンプルなアド取りに、
「バカが作った(デザインした)デッキ」
なんて揶揄される。

個人的には、あるカードの効果処理中は他のカードを発動できないという、コナミその人が作ったルールを悪用した「頭のいい悪党がつくったデッキ」だと思ってる。



▲制圧盤面の例。やめてください死んでしまいます


先攻制圧の際の、基本の最終盤面は、

「アポロウーサ(攻3200ver)」《戦華盟将-双龍》《鉄獣の抗戦》

の3枚。ウサギの女神はなんとかできたデュエリストも、三国志の鎧(元ネタ)には涙を飲まされることになる。



いまいましいことに、このデッキは後攻ワンキルもできる。

「シュライグ」と「アクセスコード」でぶんなぐってくるのだ。

ただ単に総打点が8000以上いくだけでなく、2~3枚相手のカードを除去してのちの攻撃となる。なんだこれミステリー。


●対策
《灰流うらら》を打つタイミングは、《レスキューキャット》、「フラクトール」、そして死ぬことで「抗戦」をサーチする「ベアブルム」。
「キット」や「ナーベル」に打つのは、戦況にもよるが、あまりおススメしない。

なんとか鉄獣モンスターを止めても、畜生仲間である【LL】モンスターで展開してくることがある。そして《王神鳥-シムルグ》→《烈風の結界像》とくる。油で揚げるぞコラ。

抜本的な対策としては、特殊召喚そのものを封じてしまうのがいい。「ミドラーシュ」とか《虚無空間》だな。

あと、墓地から除外して効果を発動するギミックが多いので、《マクロコスモス》でもろもろを除外ゾーンに直行させてもいい(都合よく手札にあるかは別問題とする)。

みんなが嫌う「抗戦」には、《屋敷わらし》をあてる。《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》が出てこないぞ。

仮にシュライグが出てきても、彼自身には耐性がないので、1枚までならどうとでもなる。まあ、まっとうな【鉄獣】なら2~3枚積んでるのだけど・・・



まとめるなら、先攻制圧もできて後攻ワンキルもできて、サーチ手段もいっぱいあるから事故りにくい。環境上位に立つべくして立ったテーマだ。





★電脳堺



「親に電脳堺使ってますって言えんの?」


●クソカード3点

・これ1枚でドライトロンなみのヘイトを集める禁止カード《真竜皇V.F.D.》
・実質生ける《マクロコスモス》(+2800打点)な《電脳堺狐-仙々》
・リソース回復札のくせして相手を破壊する《電脳堺門-朱雀》


レベル(ランク)3と6っていう、【幻影騎士団】を除いていまいちぱっとしなかったテーマのテコ入れに現れたかと思ったら、ソリティア&害悪で入れちゃいけない力もみなぎっちゃったテーマ。

このデッキの終着点は、ランク9の王様こと《真竜皇V.F.D.》だ。

「真竜」デッキでほとんど使われないうえに紙では禁止カードという二重苦をもったこの害悪は、電脳堺という新たな宿主を見つけたわけだ。

その効果はざっくり言うと、攻撃とモンスター効果の発動の禁止。

これだけでも忌々しすぎるのだが、壊獣とかで除去したとしても、無効効果は残るという最後っ屁仕様。

《スキルドレイン》とかと同じだと思って、フィールド以外で効果を発動しても、きっちり止めてくるぜ(1敗)。



▲デザインだけは好き

「V.F.D.」も十分クソなのだが、電脳堺エースの《電脳堺狐-仙々》もかなりやばい。

「フィールドのカードは墓地へは行かず除外される」という、ほぼ《マクロコスモス》を内蔵しているだけでも万死に値するのだが、こいつは攻撃力が2800もある。たいていのモンスターを殴り殺せるのだ。

もう一つおまけに自己蘇生持ちときている。蘇生には、墓地からも属性と種族が異なるモンスター2体を除外しなければならないのだが、遺憾なことに電脳堺では容易にその条件を達成できる。

攻撃宣言時にしれっと、除外されているモンスターを墓地に戻す効果は、もはやオマケ程度にしか感じさせない。

なお、《電脳堺門-朱雀》は墓地のモンスターをデッキに戻す効果がある(ついでにカードを破壊してくる)。永久機関やめーや。


●対策

▲制圧盤面の例。これだと全体除去もむずかしくなる


手札の電脳堺モンスターは、フィールドの「電脳堺」を対象にとってから効果を発動する、通称「お披露目フェイズ」がある。

だから、対象にされたカードを破壊(できれば除外)できれば、すごすごと手札に帰っていくことになる。

「コズサイ」とか「ディノミクス」がおススメだな。

あと、(他の環境デッキに比べれば)、魔法や罠による全体除去が通用することが多い。展開中に「ニビル」や《激流葬》をぶつけて、中途半端な盤面を強いてもいいし、《サンダーボルト》や「ライスト」での一掃も割と通してくれる。

処理が済んだら、急いで自分が制圧盤面を敷くこと。電脳堺は例の永久機関があるので、長引けば長引くほどこちらがゆっくりと死んでゆく。

まとめると、シンクロテーマに見せかけてエースはよそ様の幻竜で、しかもシンクロテーマらしいソリティアの長さと扱いの難しさで、ほうぼうから嫌悪感を買っている。

ついでに言うと、どのモンスターも漢字変換がかったるく、名前を打つのが面倒くさい。デュエル以外でもいやらしいのだ。






★エルドリッチ


▲https://sp.nicovideo.jp/watch/sm40270374?ss_id=b0e7c957-6c03-454c-8e4e-6c74c1ea94fd&ss_pos=2&cp_in=wt_srchより

「エルドリッチ〇ね」


●クソカード3点

・効果を無効にする《スキルドレイン》
・特殊召喚を封じる《虚無空間》
・魔法の発動を禁ずる《王宮の勅命》

MD配信時、「初心者おススメという(今から見ればイカレタ)タグ付けをされ、大流行した「エルドリッチ」。

このテーマが流行るということは、あらゆる時代で「クソカード」認定された上記3種の神器が入るということである。おかげで、配信開始直後の商業的に大事な時期を荒らしまくった

とくに《スキルドレイン》と《王宮の勅命》を先行で伏せるのは本当に強くて、それだけで大体のデッキはサレンダー強いられる(経験談)。



このデッキの厄介なところは、「スキドレ勅命」が強いだけでなく、エルドリッチおじさん本人もあなどれないところだ。

相手カードの除去、自身を特殊召喚、3500打点+破壊耐性と、「強い効果を一通りそろえました」なレパートリーは、思うさまにヘイトをばらまいた。

●対策
「むしろまわりが狂いだしてマシに見えてきた」の言葉があるとおり、対策さえしっかりすれば脅威とはならない。

《ハーピィの羽根帚》という、罠ビート相手の伝統的な手から、「エルドリッチ本体」を除外する立ち回りなど、解法はいくらかある。エルドが出る前なら、先に特殊召喚を封じてしまってもいいしな。

まとめると、扱いが簡単なところは「初心者おススメ」と言えなくはなく、そういった意味では「遊戯王の必要悪」といった面もあったのだろうな。


※2022年5月より《黄金卿のコンキスタドール》が制限カードになった。コナミとしては本当は《朱き血染めのエルドリクシル》を準制限にしたかったのだろうけど、SRのため、反発を警戒して、規制できなかったのだろう。





★閃刀姫

「アド差でマウント取ってくるだけで、対話(デュエル)はしてくれるいい女やぞ」

●クソカード3点
・「換装」というテーマ内ストーリーを悪用して、墓地から何度でも甦る《閃刀姫レイ》
・実はあの《強欲な壺》より強い《閃刀起動エンゲージ》
・魔法を再利用という、あってはならない効果を持つ《閃刀機関-マルチロール》
・サーチ、墓地肥やし、特殊召喚の、悪意の3点セットがそろった《閃刀起動エリア・ゼロ》


「コナミさんの愛人」という、界隈ではこれ以上ない不名誉な称号を持つ【閃刀姫】は、「萌え」+「相手の嫌がることができる」の性質がデュエリストたちの心をがっちりつかみ、登場から数年たった今でも、第一線でヘイトを振りまいている。

各種「閃刀魔法」は、トークン生成、相手カードの破壊、モンスター効果の無効と寝取り、など一通りの嫌がらせがそろっており、《閃刀機関-マルチロール》で「もう一回遊べるドン!」状態にしてくる。

極めて遺憾なことに、この魔法どもの多くには「1ターンに1回」と書いてない。

しかも「閃刀姫○○」モンスターしか出てこないから、展開力がないのかと思いきや、普通に《アクセスコード・トーカー》を出してぬっころしにかかってくる。アクセスコードの中身が閃刀姫ってマ?

そして最大の強みは、必要パーツが少ないため、手札誘発を12枚前後もつめることだ。流行りの手札誘発サレンダーデッキの先鞭といっても過言ではない。

レイちゃんは、テーマ内ストーリーにおいては、大国相手に単身で戦っているそうだが、デッキは事実上、妖怪とゴキブリの連合軍だ。


●対策
彼女のもう一つの称号は「《王宮の勅命》に全てを奪われた女」だ。

つまり、先行をとってエルドご用達のこのカードを発動できれば、ほぼ完封できる。

こっちも魔法に頼っていて、おいそれと、このついに紙で禁止になりましたカードを使えないなら、《閃刀姫-レイ》を除外するといい。

彼女はフリーチェーンでリンク召喚ができるので、《奈落の落とし穴》とかには落ちないのだが、《墓穴の指名者》や《D.D.クロウ》なら取り除ける。狙って行こう。

もう一つ、「閃刀魔法」の多くは、メインモンスターゾーンにモンスターがいると発動できない。

壊獣とかを送りつけてやってもいいぞ。意外に相手の展開を阻害してくれることがある。まあ、だいたいは何かしらの方法で取りのぞかれるのだが。


登場から数年たって、さすがに最前線で戦うにはつらくなってきているものの、手練れの扱う彼女は恐るべき強さであり、また、テーマ内ストーリーが漫画化されるという僥倖(ぎょうこう)も得ている。

MDでもまだまだ嫌がらせを続けるだろう。



 


★ドラゴンメイド(ドラメ)

「最後は暴力に訴えてくるテーマ」

●クソカード4点
・妨害札のくせに展開札な《ドラゴンメイド・シュトラール》
・そのシュトラールと入れ替わりで出て、ある意味シュトラールよりやっかいな《ドラゴンメイド・ハスキー》
・特殊召喚と墓地肥やしがセットになった《ドラゴンメイドのお心づくし》
・サーチに墓地肥やしまで行なううえ、変身体は「オネスト」になる《ドラゴンメイド・ティルル》


「ドラゴン+メイド」の、オタクが好きそうなものを融合させて爆誕した、コナミからの刺客。京アニ制作のアニメではない、たぶん。

登場当初はZ/Xとかウィクロスとかにいそうなやや攻めた萌えテーマだったけど、使いやすい下級メイド(ラドリー以外)たちのおかげで、一躍環境に躍り出た。今でもマスターデュエルではよく見かける。

その戦術は、

墓地肥やし → 墓地からの特殊召喚 → 特殊召喚したドラゴンメイドたちの手札への回収

の美しい流れとなって、相手を圧迫する。


《ドラゴンメイド・ハスキー》(通称ノコギリクワガタ)は、ドラゴン族が自分の手札に戻った時に相手モンスターを破壊する。

この効果は「1ターンに1回」という大事な一文が抜け落ちており、他のメイド仲間たちが「変身」という名で手札とフィールドを行ったり来たりするたびに発動する。

相手の場を一掃した後、暴力に訴えてくるわけだ。


●対策
初動で手札誘発をぶつけると、わりと止まってくれる。まあ、ドラメ側もそれを見越して「墓穴」や「抹殺」をしっかりと積んでいるのだが。

あと、特殊召喚を封じると、お得意の「変身」ができなくなるので、ほぼ完封できる。それと、メイドたちは属性がバラバラなので、《御前試合》も刺さるな。

ブログ主の経験談だと、《ドラゴンメイド・ハスキー》が《サクリファイス・アニマ》にとりこまれたことがある。ちょうど秋葉原でデュエルをやってたから「薄い本みたいだ!」と盛り上がったぞ、負けたけど。

あと、相手と直接対面していること前提の奥の手だけど、ドラメ使いに「どの子が好み」かと聞いてみよう。

ほぼまちがいなく熱く語ってくれるので、デュエルへの集中力を切らすことができるぞ! こそくな盤外戦術だけどな!





★ヌメロン

「数少ない地雷デッキだからな。事故だと思って割り切るしかない」

●クソカード3点
・このカード1枚で(誇張抜きに)相手を抹殺できる《ヌメロン・ネットワーク》
・場のモンスター全てを除外し、バーンまで飛ばしてくる《CNo1ゲート・オブ・カオス・ヌメロン・シニューニャ》
・そのシニューニャをぶっ壊すと降臨する攻撃力10000の《CNo1000夢幻虚神ヌメロニアス》


ヌメロンは遊戯王屈指の脳筋デッキだ。

端的に言えば、カード1枚から相手をぬっころしにかかってくる。

《ヌメロン・ネットワーク》1枚から4枚のヌメロンモンスターを並べ、そのヌメロンは攻撃するたびに攻撃力が倍々で増えてゆくという、およそ攻撃力という概念があるゲームでやってはいけないイカレタ仕様になっている。

これだけでもたいていのデッキは死ぬのだが、恐ろしいことに2000~3000のバーンを飛ばしてくる《CNo1ゲート・オブ・カオス・ヌメロン・シニューニャ》が控え、さらに攻撃力10000の《CNo1000夢幻虚神ヌメロニアス》が次のターンに出てくることもある。

そして攻撃力10000に怯え、うっかり破壊してしまうと、究極の脳筋《CiNo1000夢幻虚光神ヌメロニアス・ヌメロニア》が顕現する。

この漢字変換困難なバカみたいな名前のモンスターは、原作アニメラスボスの効果がほぼそのまま再現されており、攻撃力はディスガイアばりの100000。10万である。さらに攻撃しないとデュエルに敗北するという究極の二択をせまってくる。

ただまあ、出す条件がクソ厳しく、このモンスターを出して勝つというそれだけで、You Tuberの企画になっていたりする。


●対策
このデッキは《ヌメロン・ネットワーク》1枚に依存しており、こいつさえどうにかすれば勝てる。相手ターンでも発動できる破壊カードで割ってあげよう。

ぶっちゃけ、《サイクロン》1枚で止まる。

止めるときは相手が《ヌメロン・ネットワーク》の効果の発動にチェーンする。《ヌメロン・ネットワーク》の効果は1ターンに1度しか使えず、仮に相手が2枚目を持っていてもしのげる。

クソデッキとは言うものの、現代遊戯王では数少ない「後攻でも勝てるデッキ(むしろ後攻でしか勝てないデッキ)」であり、なけなしの多様性に一役買っている。






★プランキッズ

「相手ターンにサンボル羽根帚を撃ってくるテーマ」

●クソカード3点
・生きる《サンダーボルト》、《プランキッズ・ハウスバトラー》
・生きる《ハーピィの羽根帚》、《プランキッズ・ロアゴン》
・展開札のくせして直接攻撃ができる《プランキッズ・ロケット》

当初初めて見たときは「ヘンなテーマだな」と思った【プランキッズ】。実際に戦ってみたら意味不明に強かったのである。

下級プランキッズモンスターはすべからく初動札であり、あれよあれよというまに生きる羽根帚と生きるサンダーボルトを並べてくる。

生きているということは殴れるということであり、そして相手ターンにフリチェで効果をぶっぱできるってことだ。

抵抗できるなら抵抗してもいいけど、たぶん、サレンダーの方が早いぞ。


●対策
プランキッズは、理想盤面を立てるまで30手順ぐらいかかる。つまり、特殊召喚を多用するってわけだ。

《原始生命態ニビル》を降らせて、キッズたちをわからせてあげよう。種族と属性もバラバラなので、《群雄割拠》と《御前試合》もささる。

どのカードもにぎっていないなら、「ハウスバトラー」を除去するよう心がける。「ヴェーラー」とか「一滴」で効果を無効化してもいいけど、バトラー君は素の攻撃力が3000もあるので、いるだけで厄介だったりする。

ただこのテーマ、扱いがむずかしいのと、プランキッズ使いも認める好みのわかれるデザインのため、あまりランクマで見かけない。手強いテーマが少ないのは幸いなるかな。

※2022年5月に《プランキッズ・ロック》が準制限に指定された。これでもプランキッズはまだまだ動けるから、もしかしたら使用者が増えるかもしれない。





★魔救(アダマシア)

「ダメです、止まりません」

●クソカードども
・魔救(アダマシア)モンスターカード全部
・まさかの1枚が3枚になる《ブロックドラゴン》

「うらら」を投げても止まってくれない、現代遊戯王のクソつよテーマの一角。

テーマカードの大体がサーチカードであり、デッキをめくることでテーマ内ストーリーの「採掘」を表現しつつ、《コアキメイル・ガーディアン》《ブロックドラゴン》、《怒気土器》といった先輩カードを駆使して展開&制圧をこなす。


▲こうなると死ぬしかない


基本の最終盤面は、

《魔救の奇跡ドラガイド》+《ヴァレルロード・S・ドラゴン》+《ブロックドラゴン》(こいつは破壊耐性を付与する)。

「ドライトロンよりはマシ」という、大したなぐさめにもならない布陣で圧殺してくる。

あと、「デッキをめくる動作が長い」という、少々気の毒な理由でヘイトを買っていたりする(コナミが対応して演出を変えるほど、前は遅かった)。

いや、確かに、何回めくるんだおまえさんらと思うことはあったけど。


●対策
岩石族で統一されているので《センサー万別》ががっつり刺さる。

あとは、チートカードの《ブロックドラゴン》を除外してあげよう。というか、このレゴブロックをどうにかしないと勝機は薄いぞ。

まとめると、不遇だった「岩石族」という概念に光を当てたテーマであり、古すぎて場末の店のストレージにさえなかった《コアキメイル・ガーディアン》や《ギガンテス》に人生のハイライトを提供したのは、「多様性」という観点から決して悪いことではない。まあ、使われて面白いかはまた別だけどな!





★EM魔術師

「お楽しみは俺だけだ!」

●クソカード4点
・サーチのサーチをサーチする《EMドクロバットジョーカー》
・破壊がマイナスではないことを思い知らせた《EMペンデュラム・マジシャン》
・自身を特殊召喚するうえサーチして、さらに《覇王龍ズァーク》を出してくるチートカード《アストログラフ・マジシャン》
・妨害札のくせしてサーチもできるうえ、Pモンスターのため何度も沸いてくる《EM天空の魔術師》

アークファイブの榊遊矢は、その未熟に見える人格が災いしてたいていの視聴者に嫌われたけど、まがりなりにも主人公だったので、使用テーマは順調にテコ入れされ続けた。

「ヒグルミ」とか「お猿さん」とかの犠牲者(禁止カード)を出しつつも、カードプールは雪だるま式に増え続け、いつしかわけのわからんことになる。

その、「意味不明だぜ」の行きつく果てにあるのが【EM魔術師】だ。

サーチのサーチのサーチを繰り返し、いまだに相手をしたときどこに「うらら」打てばいいのかわからない。

いちおう「ペンマジ」に打つことが多いけど、普通に盤面を固めてくるので始末に負えない。というか、こっちのターンにまで普通にサーチをしないでください。

その固めた盤面というのが、モンスター効果無効、カード破壊と、とりあえず必要な分はそろっている。+αで「タイタニック・ギャラクシー」とかも立ててくるぞ。

「悪の召喚法P召喚」駆使するだけあって持久力も高く、しかも構築によっては禁断の先行ワンキル(チンゲ ワンキルで検索してみ)が可能となっている。

あらゆるデュエリストに引きつった笑顔を届けてくれるぞ。


●対策
「うらら」は平気で踏み越えてくる彼らだけど、実は「増G」が天敵だったりする。

デッキの性質上「ここで特殊召喚を止めて妥協する」ができにくく、また展開のノイズになりがちなので、「手札誘発を妨害するカード」も充分な枚数積んでいないことが多い。

あと、P召喚を止めてしまうのも効果的だ。《幽鬼うさぎ》でPゾーンのカードを破壊する、「神宣」でP召喚を無効化する、「ニビル」で出てきたモンスターを一掃する、などだ。

たぶん、使いこなしたら使っていて一番楽しいテーマではないか? とは思う。対戦相手からしたらたまったものじゃないけどな!






★未界域暗黒界



「いいですか、落ち着いて聞いてください。未界域暗黒界の展開はおわっていません」

●クソカード
・およそ「未開域」と名のつく、捨ててドローする効果を持つ全カード


相手にランダムで手札を選ばせるという七面倒なことを七回近く強いるため、紙では敬遠されたテーマだった「未開域」。MDというデジタル環境を得たことで、気兼ねなくはびこり始めた。

その動きは「セルフハンデス&特殊召喚&そして1ドロー」という、組み合わせちゃダメな効果の3点セットだ。

とくに《未開域のビッグフット》は、普通に3000打点を持っていて、しかも捨てられれば相手のカードを破壊という効果だ、ふざけんな。

効果がアウトなら、出てくるモンスターもめちゃくちゃで、回った際の最終盤面は、

「アポロウーサ」+《深淵に潜む者》+デビフラからでてくる《ナチュル・エクストリオ》

【未開域】と関係なく、盟友の【暗黒界】ともさして関連のないカードが並んでくる。

てっゆーか、【ナチュル】と《やぶ蛇》以外で、ナチュルモンスターを出すんじゃねえ。


●対策
強力な展開デッキの常で、「うらら」は平気で踏み越えてくるけど、ソリティアへの掣肘(せいちゅう)カードである《ドロール&ロックバード》は効きまくる。

実はこのデッキが愛用している《深淵に潜む者》も、天敵だったりする。墓地活用に完璧かつ完全に依存しているからな。

あとはまあ、《禁じられた一滴》だな。みんな、ぶっかけるのは好きだろう?





★@イグニスター

「@イグニスター使ってるけど、正直、強いと思ってる」

●クソカード3点
・ぶっ壊してもぶっ壊しても経営再建してくる《イグニスターAiランド》
・「モンスターを可能な限り特殊召喚」という、遊戯王を知らない人でもダメな効果と察せられる《ダークナイト@イグニスター》
・「他のカードの効果を受けない」という、そもそもゲームとしてダメな効果を持つ《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》


サイバース族は、比較的新しいテーマだ。

新参ならしおらしくしていればいいものの、遊戯王お得意のソリティアと、
《虚無空間》がサーチできるという度肝を抜く展開ルート
で、相手にデュエルをさせない。サイバース族って、アニメの主人公ご用達のテーマなんだけどなあ。

動き方はざっくり言うと、

モンスターを手札から特殊召喚できる「遊園地(Ai
ランドのこと)」で下級イグニスターを展開 → 「ダークナイト」を出してクソつよ特殊召喚 → 「ダランペルシアン」というカードから《虚無空間》をサーチ → 最後に最凶のモンスターである《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》

虚無のおかげで壊獣すら使えなくなり、こっちはもだえながら死ぬってわけだ。


●対策
遊園地があると彼らは思うさま悪事を働くので、これをそもそも建設させないことが大事だ。

魔法罠を持ってくるのは《ピカリ@イグニスター》なので、こいつに「うらら」をぶつける。

あと、《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》は、《虚無空間》さえなければ、壊獣でリリースできる。ガダーラとガメシエル、いつもありがとう。

あと、カードではなく対戦相手そのものに効果を強いる《拮抗勝負》でも、取り除けるな。お相手が要である「アライバル」を選択するとは思えないけど・・・

まとめると、回ると楽しいデッキなので、一定のファンはついていて、地力もあるので環境に居座っている、そんな感じだ。





★幻影騎士団(ファントムナイツ)

「エクシーズデッキの頂点」

●クソカード1点
・言語道断のクソ《NO86.H-Cロンゴミアント》


幻影騎士団(ファントムナイツ)ついて語る場合、ほぼロンゴミアント(通称ゴミ)の悪口になる。

その効果は、X素材の数という条件こそあるものの、

1.戦闘では破壊されない
2.攻守1500アップ
3.他のカードの効果を受けない
4.相手はモンスターを召喚・特殊召喚できない(繰り返すが召喚さえ封じる)
5.相手フィールドのカードをすべて破壊

と、サ終前のブラウザゲームの配布品かと思うほどで、強いという概念を超越している。

ドライトロンや電脳堺の「アルデク」や「V.F.D」の方がマシと言われ、もはや嫌うという概念すら浮かばない。

幻影騎士団には他にも、展開しつつ相手カードを破壊する《幻影騎士団ブレイクソード》っていうクソがいるんだけど、そいつがかすむぐらいである。


●対策
慰めを言えば、ロンゴミアントはそうしょっちゅう出るものではないことだろうか。理想の手札じゃないと、ゴミは出てこないのだ。

うららを打つ場所は、リンクモンスターの《彼岸の黒天使ケルビーニ》か《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》。デッキからの墓地肥やしを封じてあげよう。

あと、彼らが自発的に墓地に送るカードはことごとく悪党なので、《墓穴の指名者》や《D.D.クロウ》で除外する。中途半端な盤面で、止まってくれるぞ。

もう一つ言っておくと、相手をしていると、手札誘発を打つ勉強にはなる。勉強をさせてくれる点では、ドライトロンよりはまし、と言えるかもしれない。





★十二獣(じゅうにしし)

「ほい卒むけエクシーズ」

●クソカードたち
・およそ下敷きになる「十二獣カード」全部
・1枚からエクシーズの終点かつ、フリチェでなんでも破壊してくる《十二獣ドランシア》

「酔っぱらってデザインされた」と言われている元祖畜生ども。

「1枚からエクシーズ」「重ねてエクシーズ」という、疑いなく悪党が作ったデザインは、だいたいのエクシーズモンスターを旧式化においやり、そして自身もカテゴリ内で3枚の禁止カードと1枚の制限カードを出す惨憺たる結果を残した。

紙だとエースたるドランシアが収監済みだな。

MDの記念すべき最初のイベントである「エクシーズフェス」では、次点のヌメロン(こいつも十分おかしい)を抑えて思うさまに跋扈し、イベントに「十二獣動物園」などと適切なネーミングをつけさせた。

ランクマッチでもしょっちゅう見かけ、後輩の「鉄獣戦線」と組んで、害獣の面目を躍如させている。


●対策
十二獣は基本的に通常召喚した十二獣モンスターからしかメンコ召喚(1枚エクシーズのこと)に繋げられないので、初動の《十二獣サラブレード》を妨害するのがいい。

ただ、たいていの場合、後続に鉄獣の「フラクトール」が控えているので、安易にうららを打ってはいけない(1敗)。

よく見る「十二獣鉄獣戦線」なら、誘発を打つのは鉄獣戦線モンスターになってくる。「フラクトール」とか「フェリジット」だな。

エクシーズフェスで掃いて捨てるほどいた「純十二獣」なら、最終盤面は《十二獣ドランシア》と《FNo.0未来龍皇ホープ》になるので、壊獣で赤いホープをどけたあとの《サンダー・ボルト》が一番手っ取り早い。

持久力も高いというわけではないので、これで何とかなる場合が多い。



最近知ったのだけど、ドランシアがメスってマジですか? ずっと男だと思ってた・・・





★ジャンド(ジャンクドッペルシンクロ)



「カードパワーが主人公補正を越えた」

●クソカード4点
・効果無効+発動無効を持つ4000打点《シューティング・セイヴァー・スター・ドラゴン》
・発動無効+連続攻撃+後続確保の《シューティング・クェーサー・ドラゴン》
・さんざんドローしたあげく素材になる《TGハイパー・ライブラリアン》
・「デッキからチューナーを可能な限り特殊召喚」という、やけくそにしか見えない効果を持つ《ジャンク・スピーダー》



かつて主人公である不動遊星が使い、愛されたテーマは、長年の間に増強されまくり、わけのわからないことになった。

サーチ、墓地肥やし、デッキトップ操作、ドロー、墓地蘇生

と、あらゆる手を尽くして展開し(通称不動性ソリティア)、最後には超かっこいいドラゴンを3~4体並べてくる。

そのどれもが、他のデッキのならこれ一体だして満足するエースモンスターであり、もはや「降伏」ボタンしか押せなくなる。誇張抜きで、何もできない布陣なのだ。


●対策
繊細なデッキなので、妨害にはそんなに強くない。

サーチと墓地肥やしを兼ねた《ジャンク・コンバーター》が起点となるので、こいつを妨害する。うららをぶつける、《D.D.クロウ》で除外する、などだ。

あと、《ジャンク・スピーダー》は絶対に止めること、4~5枚のチューナーをライン作業のように並べられると、もう助からないぞ

もし、単体除去しか手段がないのなら、チューナーモンスターか非チューナーモンスターのうち、数が少ないほうを狙う。チューナーばかりだとシンクロできないし、その逆もしかりだ。

他に、世の中には「シンクロメタ」なるピンポイントなカードがある。

シンクロモンスターを装備する《機皇帝ワイゼル∞》とか、シンクロ召喚時に破壊する手札誘発《黒光りするG》とかだな。「黒光り」はシンクロフェスでは出禁だったけど!



シンクロモンスターしかエクストラデッキに入れられない「シンクロフェスティバル」では、例の「ハリラドン」が使えず、苦しそうな展開をしていた。せっかくのフェスなのに・・・

それでも、熟練者が操るこのデッキの最終盤面は手強すぎて草も生えないレベルだったのだが。





★サンダー・ドラゴン



「現代遊戯王(サーチ)という罪に与えられた罰」

●クソカード3点
・サーチを封じる、現代遊戯王への罰の具現化《超雷龍-サンダー・ドラゴン》
・耐性を持つ妨害札《雷神龍-サンダー・ドラゴン》
・上記モンスターを出すついでにデッキのリソースも回復する《雷龍融合》

最古級のカード《サンダー・ドラゴン》が、20年近くたってからテコ入れされ、なんだかよくわからないテーマとして爆誕した。

その主力は、《超雷龍-サンダー・ドラゴン》と《雷神龍-サンダー・ドラゴン》だ。

「超雷龍」はサーチを封じるだけでやっかいなクソで、「雷神龍」はカードを破壊する効果があるくせに効果破壊耐性を持っている。

妨害札に耐性をつけるべきではないという、良識派の意見はどうやら届かなかったようだ。

なおこの2枚、融合モンスターのくせに「融合は必要としない(迫真)」。もうさ、いっそ新しい召喚法作ったら?

融合カードである《雷龍融合》は、融合モンスターを出すよりも墓地、除外ゾーンのカードをデッキに戻すのがお仕事だ。


▲制圧盤面の例


本来、電気は再利用困難なエネルギーなのだが、「超雷龍」や「雷神龍」はどこ吹く風でまた出てくる、うれしくないエコだ。


●対策
《雷龍融合》に《屋敷わらし》を打ってあげると、継戦能力に陰りが出てくる。

あと、除外そのものを封じてしまう《アーティファクト-ロンギヌス》も効果てきめんだ。そんなに遭遇しない【サンダー・ドラゴン】のために、ロンギヌスを採用するのは抵抗があるが・・・



《サンダー・ドラゴン》は、昔は誰もが持っていたカードで、ある意味テーマ化は「おっさんホイホイ」とも言える。ブランクのあるおっさんが雷龍を扱うのは、かなり大変だろうけど。





★召喚シャドール

「全ての新規テーマは、実質シャドール新規だから・・・」

●クソカード6点
・「デッキ融合」というインフレの先鞭をたてた《影依融合》
・相手の墓地を勝手に利用して融合する《召喚魔術》
・そしてあいさつ代わりで出してくる《召喚獣メルカバー》
・その《召喚魔術》を毎ターン回収する「クソメガネ」
・実質展開札だけど、切り札にもなる《エルシャドール・ネフィリム》
・「特殊召喚禁止」の忌々しい効果をもって、相手ターンに出てくる《エルシャドール・ミドラーシュ》

召喚シャドールは、なんでも取り込むシャドールモンスターと、誰とでも寝る男《召喚士アレイスター 》(通称クソメガネ)の同盟軍だ。

シャドールのほうは、強そうな新規テーマと合体しては融合で悪さをするということを繰り返し、アレイスターはといえば【閃刀姫】【ドラゴンメイド】【ドラグマ】と、なぜかおにゃのこが活躍するテーマばかりに出張していた。

この融合テーマ2種が合体して落ち着くのは、ある意味必然だったといえる。

主力は《召喚獣メルカバー》《エルシャドール・ミドラーシュ》《エルシャドール・ネフィリム》。

前2体は相手を妨害し、ネフィリム様はそれでも出てきた「特殊召喚モンスター」を問答無用で破壊する。あまりに強いため一時は収監され、有名な「ネフィリム返しておじさん」を生み出した。

このデッキの厄介なところは、禁止級カードの《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》が、デッキに自然と組み込める点だ。元禁止カードと禁止候補カードを普通に共存させんなや!



●対策
おそらく、先攻でメルカバー、後攻のこっちのターンで《影依の偽典》からミドラーシュを出すのが、お決まりの布陣だろう。

先攻をとって特殊召喚を封じるのが、一番確実な対策となってくる。

また、シャドールモンスターの多くはリバース時と墓地に送られた場合に効果を発動するので、せめてリバースはさせない立ち回りを考える。

相手の手札が少ないなら、思い切って伏せモンスターに壊獣を投げつけるのも、嫌がらせとしては効果的だ。



召喚シャドールは、デッキを構築しているときはめちゃくちゃ楽しく、少なくともこの部分ではカードゲームの楽しさを体現している。相手にすると「うわぁ」と声をもらすが。





★真竜

「魔法罠をリリースしてアドバンス召喚とかいう新言語やめろ」

●クソカードたち
・置いておくだけで手札か盤面を増やす、《真竜闘士ダイナマイトK》その他
・真竜モンスターを「何度でもよみがえるさ」状態にし、罠のくせに生け贄にされてついでにモンスターも破壊してくる《真竜皇の復活》
・ドローソースのくせに生け贄にされてついでに魔法罠も破壊してくる《真竜の継承》

「魔法罠をリリースしてアドバンス召喚」という新言語を生み出した、遊戯王9期からの刺客。

同級生は《灰流うらら》を筆頭に、

《盆回し》、《妖精伝姫-カグヤ》、《影霊衣の巫女 エリアル》、【LL】、【幻煌龍】、【覇王眷竜(覇王竜ズァークがいるアレ)】

など。当然この「真竜」もおかしい。

戦術はシンプルで、永続魔法や永続罠をリリースしてアドバンス召喚し、素材になった魔法や罠は墓地に送られた場合、破壊効果を発動する。

そして真竜モンスターは相手が効果を発動した時に何かしらをサーチする。動作の全部がうざいってやばくね?

しかもEXデッキを使わなく、多くが低レアカードで生成しやすいので、無課金勢のご用達ときている。

おかげでプラチナ帯やシンクロフェスで、庭先のタンポポぐらい見かける羽目になった。たまに戦うのなら、楽しい相手なのに・・・


●対策
全体除去が、ひとまずの対策になる。

「羽根帚」「サンボル」「ライスト」などだ。《拮抗勝負》だと、あとくされなく除外できるので、ほぼ勝負が決まる。

また、破壊耐性がある攻撃力2401以上のモンスターは天敵となる。このデッキの除去は破壊に依存しており、攻撃力も2400が多いからだ。



本当に、「数が多い」という、ただそれだけが不満である。

先攻スキドレ及び《帝王の溶撃》さえなければ、遊戯王はさせてくれるので、こういうテーマが増えたらいいという見本なんだけど、勝つにしても負けるにしても15ターン近くかかるのは勘弁してくれ・・・





★壊獣カグヤ

「このデッキの最大の難点はURが多すぎて金がかかるという事」

●クソカード3点
・サーチとバウンスをしてデッキの名前にもなっている《妖精伝姫-カグヤ》
・墓地に送られるはずのカードを除外する手札誘発《ディメンション・アトラクター》
・全体除去と特殊召喚封じを行なう《アークネメシス・プロートス》


このデッキの動きは、文章にするだけならシンプルだ。

あえて後攻をとる → ニビルか壊獣で相手をぶっぱ → カグヤを召喚、邪魔なモンスターをバウンス → 「ドラッグラビオン」+「ヌメロン・ドラゴン」のセットでワンキル。

つまり、相手の作った制圧盤面を崩しつつ、ぶん殴るのに喜びを感じる「ドS」向けのデッキだな(主観)。

ただ、どう崩すか、どう相手を妨害するかに頭を使うので、単なる「ドS」では勝利はおぼつかない。

いかにして、相手が嫌がるかを考えられる、サイコパス向けのデッキといえるな(何度も繰り返しますが主観です)。

主力モンスターは「カグヤ」の他に、「叢雲遠呂智」、《獣王アルファ》、《未開域のビッグフット》。見事にURばっかりだ。

ひるがえってエクストラデッキを見ると、これもまた見事にURURURが並んでいる。

だから、誰が名付けたかあだ名は「ブルジョワデッキ」。しかも微妙に他で使いまわしがしにくいカードが複数ある。

「そのデッキ一つで、他のデッキ二つ組めるんじゃないですか?」は禁句だ。


●対策
実は、先行制圧に強いというわけではない。

まくれるけど、ぱーぺきにまくれるわけではなく、返しのターンでコロコロされることも少なくない。

だから、このデッキのキャパが越えるほど展開するのが、一番の対策となってくる。【プランキッズ】とかは強敵になるな。



壊獣カグヤの一番気に入らないところは、組みたいと思ってもURの多さにおののいて組めない盤外部分でのところか。

ブルジョワデッキとはいえ、これからも手を変え品を変え(もしかしたらカグヤも抜けるかもしれない)、末永く環境に居座ると思われる。




※ ※ ※


総括すると、自分が使う以外の、自分が勝てないデッキは、すべからくクソってことだな!



紹介は以上。

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