転職活動中は、合間にいろんなバイトをしたのだけど、そのいくつかを紹介。
◆美術館の模様替え(時給1200円)
美術館ってのは定期的に展示品の入れ替えをするんだけど、そのアルバイト。
朝、最寄り駅に集合して、車で移動。ちなみに請け負い業者はクロネコヤマトだ。
田舎の美術館だったから、「どうせたいしたものはないだろう」とたかをくくっていたら、ダリの本物があってビビった。
運び心地は、普通の額縁入りの絵だったぞ。あたりまえだが。
それにしても、普段は業務中はケータイを触らない程度のルールは守っている俺だけど、そのときは本当に写真に撮りたかったぞ。間近で撮って、パソコンのデスクトップ画面にするのだ。まあ、やらなかったけど。
◆遺品整理(時給1200~1300円)
特殊清掃、とまでは言わないけれど、まあ、亡くなった方の部屋や家から、家財を丸々運び出す作業をする。
どんな人間が暮らしていたのかと想像する遊びができるので、それなりに楽しい。
ただ、業者の介入が必要な家って、たいていゴミ屋敷すれすれの場合が多く、認知症を思わせる張り紙や変な宗教グッズ、生きたゴキブリなど、もろもろが凝縮された空間だったりする。
あと、自分自身もほこりで廃棄物同然の姿になる。
◆コロナワクチンの接種会場の案内(時給1100~1500円)
少々特殊な勤め先だが、お注射や問診その他は医者と看護師がやるので、ヒラの労働者は受付や案内がお仕事だ。
「検温とアルコール消毒にご協力ください」
「ワクチン接種クーポンはお持ちでしょうか?」
「それでは、6番の問診ブースにお進みください」
とかだな。
ワクチンの副反応については、やっぱり現場では、巷で話題になる前に問題視されていた。
注射を打った後、30分(人によっては1時間)様子を見る「経過観察室」が設けられていたのだけど、そこでは50人に1人ぐらいの割合で医務室へとおもむく羽目になっていた。重症の人だと自力で動けず、車いすで運ばれるありさまだ。
その車いすを持ってくる係だった俺が言うのだから間違いない。
◆パチンコ屋の改装(時給1200~1500円)
パチンコ屋を改装するってなると、電気屋やら設備業者やらが現場入りするのはもちろんだけど、その前に「玉抜き作業」が必要だ。
パチンコを行ったことがない人間でも、パチンコ屋にはぶつけたりしても遊べる丸い玉があるのは知っているだろうけど、ようはその玉やメダルを台から抜き取って運ぶ作業が「玉抜き」だ。
パチンコ台の裏には洗濯機についてそうなホースがあって、そこから「だらららら」と玉が出てくる。とにかくすごい量だ。それを台車にためて、外のトラックへと運ぶ。その繰り返しだ。
量は多いものの、最終的な積み込みはフォークリフトがやるから、重量物を扱う割にはしんどくはない。時給もよく、割とおすすめ。
◆交通量調査(日給12000円前後)
ある日街角で、パイプ椅子に座ったおっさんが発生するのを見たことはないだろうか? そのおっさんは、なにやらカチカチとボタンを押している。あれが、交通量調査だ。
具体的に言うと、自動車と自転車と歩行者の通る数をカウントしているのだ。
ただカウントするのではなく、軽自動車、普通自動車、貨物自動車、大型自動車、と種類ごとにわけて数える。でっかい国道だとわずらわしい。
体力的にしんどくはないものの、時期によっては夏の暑さ冬の寒さも加わるから、それなりに大変だ。やるなら春と秋にやろう。
◆ライブ(コンサート)会場の設営及び撤収(時給1000~1200円)
コロナのおかげで大都市ではめっきり減ったものの、地方ではある程度歌手やアイドルグループのライブがある。
これらの会場は当然、自然発生するわけではないので、組み立てる人が必要になってくる。
配置される場所によって、当たりはずれのあるバイトだ。
観客席を並べるだけとかなら楽ちんで、舞台や花道を組む係になると肉体労働になってくる。
実は女性におすすめできるバイトだったりする。女性は、肉体労働の部署にはまず配属されないからだ。
ただしその場合、壁に貼るPOPのラミネートに延々とあけくれたりするので、それはそれでだるそうだ。
◆ライブ会場の案内(時給1000円前後)
ライブ会場の設営があるなら、ライブ本番のお仕事もある。
このバイトの役得は、なんといっても生歌が聞けることだ。
場外の案内とかに配置されるとくぐもった声しか聞こえないのだが、場内ならタダ見同然の待遇だ。
そんな感じで以前見たのは、若いが少女ではないシンガーソングライターが、腕に人形を抱えて現れて、その人形と談話し、その彼のためにバースデーソングを歌うという、なかなかぶっ飛んだ内容だ。
少なくとも本人は大マジメにやっていたので、笑うべきか感心するべきか判断に迷った。
◆スポーツイベントの案内(時給1000円前後)
ライブの案内の類似で、スポーツイベントの案内もある。野球、サッカー、ラグビーだな。
これも、配置場所によってアタリハズレがあり、アタリは観客席。ハズレは入場ゲートでチケットのもぎりとかだ。
今までで大アタリだったのは、秩父宮ラグビー場でのラグビーの国際親善試合で、その年の日本の優勝チームとアルゼンチン代表の試合が間近で見れた。ちなみに、その時の俺の仕事は、興奮した観客がフィールドに飛び込まないよう見張る仕事だ。
◆皿洗い(時給1000~1200円)
昔からバイトの王道ともいえる。人の食べ残しとかがどうしても嫌でなければ、やはり楽な部類に入る。
ただし、自身が飲食店の経験者だとばれると、とたんに盛り付けや品出し、客席の手入れまで仕事が回ってくる。
皿洗って客対応して盛り付けしてご飯追加してまた皿洗いに戻って・・・
体育の時の、音楽とともに往復するあのシャトルランを、ほうふつとさせるぞ。
◆選挙の出口調査(事前講習含む2日で18000円ぐらい)
知事でも議員でも、選挙のときは出口調査ってのが行われる。投票が終わった人に、どこの誰にいれたかアンケートするのだ。
極端な人見知りでなければ、誰でもこなせる。選挙区にもよるが、だいたい一人当たり三つ~四つの会場を担当する。
朝は○○学校、昼は○○中学、夕方は○○公民館、夜は○○小学校ってな具合だ。
この移動が大変で、調査会社(正確には調査会社に依頼したマスコミ各社)は気前良くはないので、基本、歩きかバスでの移動となる。タクシーは使わせてくれない。
残念ながら、選挙民の民度はあまり高くない。
調査員を新聞社の人間だと思ってその新聞の文句(その時の選挙では「民主党」と呼ばれる政党が2つあったのだが、記事で混同があったらしい)を言ったり、議員の関係者だと思って苦情を言ったり、個人情報うんぬん言ってやたらもったいぶって断ったり、といった具合だ。
それにしても、どの会場でも、選挙民は年寄りばかりだった。おそらく、選挙は一種の「娯楽」なのだろう。余暇の余興であり、年寄り同士の酒の肴にでもしているのかもしれない。
彼らは自分たちが国民としていっぱしに何かした気になっている。娯楽が、気晴らし以外でなにかに貢献することはほとんどないのにもかかわらずだ。
◆100円均一商品の検品(時給1200円前後)
100円ショップには色々な商品があって、日々不良品が出るのだけど、その確認作業だ。
その時担当したのはグラスで、鋭利な出っ張りとかがないか確認しろとのことだった。なんでも客がグラスを洗っていたら、その出っ張りで指を切ってしまったとのこと。
食器類に不良が出るのはあたりまえであり、そんなことでわざわざバイトを雇って検品させるメーカーには感心した。
ただ、そのグラスは確かに、100均で売るにしてもあまり質が良くなかった。手先の器用な小学生がガラス工房の体験会で作ったような感じで、どこかいびつで、色味もくすんでいる。しかもそのグラスの売値は200円だった。
肝心の検品の方は、ひたすら梱包を解いてグラスを見る単純作業だった。ラクである。
ただし、このバイトはたまにしかない。ラクに稼げる仕事は限られるってことだな。
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