SL銀河号は、東日本大震災からの観光面での復興を目的として、2014年4月12日からJR釜石線で運行を開始した。
列車の先頭に立つ蒸気機関車(C58型239号機)は、盛岡市内の公園に保存展示されていたものを、約1年かけてレストアし、復活させたものだ。
客車は4両編成。車内はガス灯風の照明やステンドグラスなど、大正から昭和の時代を意識したつくりになっている。1号車には小型プラネタリウムもあり、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』の世界をイメージしているそうだ。
ルートとしては、岩手県内陸の花巻 → 遠野 → 沿岸部の釜石
となっている。
10時37分花巻から列車は出発する。
石炭の煙が流れ、たまに警笛が鳴る。沿線の人が手を振っている。
東北新幹線との接続駅・新花巻を過ぎ、山と田園が広がる地帯に入る。
流れていく風景を楽しみつつ、いくつかの駅に停車する
▲土沢駅。大正時代に路線が開通したときは、ここが始発だった
花巻を出てから約50分、11:25にSL銀河号は宮守(みやもり)駅に到着。
ここで15分ほど停車する。ホームに出て、蒸気機関車をバックに記念撮影が可能だ。
さらに進む。12時過ぎには遠野市に入る。
遠野駅では蒸気機関車の給水や灰捨て作業のために1時間以上停車する。
乗り放題の切符を持っているのなら、降りて駅近辺を見て回れる。
▲「とおの物語館」は、駅から歩いて5分ぐらいのところにある。遠野に伝わる民話などを紹介している。
遠野市は民話をモチーフにして町おこしをしている。民俗学者・柳田國男の著書『遠野物語』の舞台になった縁だな。
13時31分に、遠野駅を出発する。
しばらくは遠野盆地の長閑な風景が流れていく。
煙が草原に影を落とす。
長いトンネルを抜けていく。峠を上る。
北上山地の奥へとSLは入っていく。トンネルに入るたびに、石炭のにおいが車内にただよう。
『遠野物語』でもあらわされた「仙人峠」は、現在の機械力をもってしても難所だ。
この山岳路線を走るために、このSL列車には工夫がある。
実は客車にもディーゼルエンジンがあり、機関車を補助できるようになっているのだ。つまり、石炭と油のハイブリットな動力というわけだ。
終点の釜石駅には、15時頃に到着した。
駅前でわかめとか乾燥小エビとかの海産物を買った。釜石自体には車で何度か来たことあるで、そのまま駅に戻って花巻行きのディーゼル車に乗った。
今回、SLに初めて乗ったが、なかなか楽しめた。映画やなにやらでSLのシーンを見るたびに、どうゆう乗り心地なのだろうかと気になっていたが、少しわかった気がする。
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