2017年9月4日月曜日
不思議な話 その8
新しい体験をしたので書く。
その日、私は近くの海岸へ海水を汲みに行く決意をしていた。私はヤドカリを飼っていて、彼らのために新鮮な海水を供給する必要があったからだ。すでに一週間、満足な水替えをしておらず、待ったなしの状況だった。
家から近くの海岸までは、車で15分ほどで着く。朝、その日から放送開始の「仮面ライダービルド」を見た後、支度をし、家を出た。
その海岸は観光地になっている。「ビジターセンター」に車を停めた。建物の中の階段を下りれば、海はすぐ目の前だ。水はすぐに汲み終わった。
予定では、すぐに戻るつもりだった。最近パソコンを買ったばかりで、帰りにマクドナルドに寄って、そこでいろいろ初期設定をする気だったからだ。
ところが、ちょっと奥まで行ってみようと思ったのだ。奥は小さな海水浴場になっていて、そこからは歩いて15分ほどかかる。
ちょうど、台風が太平洋を北上していた。波は高く、そんな日に泳ごうとする酔狂な客はいない。自分ももちろん、水着を持ってきていない。
波が高いおかげで、上陸した数十羽のウミネコが、人のいないみやげ物屋の前でじっとしているのが、印象に残った。
出発が、40分ほど遅れた。
その後は車を順調に走らせて、無事マクドナルドの前をはしっている国道に出る。
Wi-Fiを借りる予定のマクドナルドは、その街唯一のマクドナルドで、昼前には人が混み始める。カーナビの時計を確認すると11時30分だった。家を出るときは注文するつもりでいた朝マックの時間は、とうにすぎている。
マクドナルドの駐車場に、パトカーが停まっていた。
そのパトカーから人が降り、同じくバック駐車をしようとしていたハイエースタイプのパトカーを、誘導している。
水色の服を着た、別の警官が、「事故」とかかれたコーンを置いた。
私がいつも駐車するスペースに、へこんだ車が停まっている。
※ ※ ※
幸い、人死にが出るような事故ではなかったようだ。
自分の代わりに事故にあってくれたのだろうと、警官に何かをまくしたてているおばちゃんに、内心ではげましの言葉を送っておいた。
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