2019年4月23日火曜日
〈スパイラルドラゴン〉遊戯王OCG—―古いカード紹介
〈スパイラルドラゴン〉には、個人的に思い出がある。
あれは、十数年ぶりに遊戯王をやろうと思ったときのことだ。
初代のアニメの終わりと共に辞めた人間にとって、現代の効果モンスターは、どう扱うのかわからないものだった。
現実として、持っているカードの多くが通常モンスターであることも相まって、通常モンスターのサポートカード、そして通常モンスターそのものに、目が行きがちになる。
そんな中で見つけたのが、〈スパイラルドラゴン〉だ。
「攻守とも2900という数値は、悪いものではない」
俺は考えた。〈青眼の白龍〉と同じ通常モンスター。レベルも同じ8。そして何より――
「ドラゴン族のサポートカードを、共有できるじゃないか!」
当時、〈青眼の白龍〉のサポートとなるカードを中心に、買い集めていた。〈銀龍の轟咆〉に〈コドモドラゴン〉、〈巨竜の羽ばたき〉etc…
古参プレイヤーでも〈青眼の白龍〉なら3枚持っているものだし、インフレが進んでなお、社長の嫁の攻撃力3000は魅力的だった。
「たとえ〈青眼の白龍〉が手札に来なくても、コイツが第4のブルーアイズとして使えるな」
俺は冷静に考える。
「〈コドモドラゴン〉の効果で特殊召喚できるし、〈巨竜の羽ばたき〉の効果を使う条件にもなる。墓地にいても〈銀龍の轟咆〉で復活させられる!」
勘のいいデュエリスト諸君、あるいは、カードの(コンマイ語ではなく)日本語が読めるデュエリストの皆様は、お気づきになられているだろう。
〈スパイラルドラゴン〉が、ドラゴン族ではないということを・・・
海竜族、なのである。
あの、遊戯王屈指の使えないカードである〈スパイクシードラ〉や〈ウォーター・ドラゴン〉を有する、海竜族なのだ。
騙された、と気づくのは、デッキをくみ上げ、一人で壁に向かって回し始めるのを待たなければならなかった・・・
もう一つエピソードがあって、スマホアプリの『デュエルリンクス』で、〈スパイラルドラゴン〉を使っていた時期があった。
〈迷える子羊〉の効果で二体の羊トークンを場に出した後、それを生け贄に〈スパイラルドラゴン〉をアドバンスセットするのだ。
現代遊戯王においてほぼ絶滅した戦法であるアドバンスセットをすることで、相手を困惑させ、不用意に攻撃を誘い、たくましい2900の守備力による反射ダメージを狙うのだ。
決まったときは俺が笑顔になれるし、対戦相手であるアメリカやブラジルのアニキたちも、きっと笑顔になってくれたに違いない。
デッキとしての強さ? もちろん弱いに決まっているじゃないですか。
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