2016年7月13日水曜日

私的一人暮らしのススメ――節約その2

 我が家のガラスの水差しがお亡くなりになった。
 シンクというものは水の流れを良くするため微妙に傾斜しているものだが、うちの傾き具合はいささか急だった。
 滑って蛇口に後頭部を強打し、粉砕されたのだった。
 関西からわざわざ持ってきたもので、ダンボールから取り出して洗おうとした矢先の出来事であった。

 それはさておき今回は現金の扱いでの節約。

①貯金
②食費は一日千円
③計画経済を実施する

①貯金
 私は百円玉貯金をしている。
 一日一枚、一〇〇均で買ってきた貯金箱に百円玉を入れるのだ。
 また、趣味のトレーディングカードを一枚買うごとにも百円を投入している。
 こうして溜まるお金はバカにならず、半年で3万円が溜まって、今回の引っ越しの足しになった。
 一日百円ぐらいなら、自分の経済力にもあっているし、またカードを買いすぎないための抑止力にもなっている。
 そしてこの貯金、実は節約にもつながる。
 百円玉を常に貯金用に確保しなければならなくなるので、「ちょっとジュースを買おうかな」というような気分が失せるからだ。
 しかし、これだけでは節約には足りない。やはり一番お金のかかるところを削らねばならない。

②食費は一日1,000円
 我が家のエンゲル係数はだいたい20パーセントで(エクセルで管理している)、家賃をのぞけば最大の出費だ。諸悪の根源ってやつだ。
 もちろん、これの根絶は餓死を意味する。しかし増やさないようにすることは可能だ。
 食費を一日1,000円に限定するのだ。
 一日1,000円なら、ヘタな外食はせず、コンビニ弁当も敬遠するようになる。
 理論的には、朝食200円、昼食400円、夕食400円で、目標は達成できる。
 理論的には、だが。
 論理的に言うと、「あ、米がない」→「よし、2キロ890円で手に入れたぞ!」→「うわーん、今日はおかずがサバ缶だけだー!」という事態にしばしば陥る。
 ようは、一日1,000円では足りない日が出てくるのだ。
 そこで、計画的な経済の実施が必要になってくる。

③計画経済を実施する
 週末はだいたい遠出をする。TRPGの公開セッションをやりにいったり、近場では手に入らない冷凍のカレーを買いに行ったり。
 遠出をすると電車賃などで、どうしても1,000円以上のお金がかかる。
 そういう日には、サイフに5,000円をいれることを、自分に許可するのだ。
 このお金はもちろん、その日に使い切ってしまう分ではない。
 その日から一週間分の生活費も、この中から捻出するのだ。
 つまり、一週間は5,000+1,000×7=12,000円の生活費で、やりくりする形になる。
 もし前に住んでいた地方自治体からの保険料の督促とかの、大口の出費があるようなら、週末の5,000円を10,000円に増額しても良い。

以上、参考までに書く。

2016年7月12日火曜日

不思議な話 その2

 今日のことだ。
 
 私は朝からパソコンで、就職活動用の履歴書を仕上げていた。
 夕方から面接があるのだ。
 他に用事のない日は、かなりダラダラと作業する。
 昼飯をはさみ、1時51分過ぎに作業を終えた。あとは印刷するだけだ。
 ところがなぜか、2時までプリントアウトを待ってみようと思ったのだ。
 ブログの他の記事のファイルを開いて、5分ほど作業し、あとは2時になるまで時計を睨んで過ごした。
 2時1分になるかならないかの時間で、印刷を指示するショートカットキーを押した。
 
 時計の針の位置が、いちいち印象に残っている。
 
 自宅最寄り駅の私鉄には、特急で数えて一本乗り遅れた。
 
 その後は無事、JR山手線の日暮里(にっぽり)駅まで出た。目的地は同じ山手線の目黒駅だ。
 当初構内の本屋に寄るつもりだったが、予定より遅れているのでまっすぐ目的のホームへ。
 調度電車が止まっていたので、これ幸いと乗り込んだ。
 ところがいつまで立っても発車しない。
 乗客のざわめきの中、車内アナウンスが聞こえてくる。
「京浜東北線ーー御徒町(おかちまち)ーー人身事故・・・」
 なぜ京浜東北線の事故で山手線が止まるのだ?
 その時はそういぶかしんだ。
 やがてアナウンスが、二つ先の上野駅まで列車を進めると伝える。そこで回送になると付け加えた。
 
 電車はノロノロと出発する。
 
 上野駅に着く直前、山手線の安全が確認されたのでこのまま走りつづけるとアナウンス。当たり前だ、違う路線の事故なのだ。
 今一度の安全確認のため、再度停車したものの、列車は無事に上野駅に到着した。
 列車が出たとき、驚きのアナウンスが流れた。
「次は御徒町、御徒町ーー」
 電車が御徒町に進入する。
 そして進行方向に向かって右、すぐ隣の線路に、先頭に駅員がたむろして、黄色いテープに囲われた、全く人の乗っていない薄暗い電車が見えた。
 山手線と京浜東北線が隣り合っているのを、この時初めて気がついた。
 
 ※ ※ ※
 
 あとで、調べてみると、自分が本来乗るはずだった電車が、御徒町付近で事故車両とすれ違う予定だった。
 自殺者は、助からなかったようだ。
 なぜか乗る電車を遅らせて、事故の現場を避ける体験は、これで4回目になる。
 あるいは東京は事故が多いから、単なる偶然かもしれない。
 目黒駅からの帰りの電車は、帰宅ラッシュのはずなのにかなり空いていた。普通に座れたほどだ。
 
 そして御徒町駅で降りた。
 
 事故の痕跡は何もない。ただ秋葉原の外苑にあたる都市の光がまぶしい。
 ホームの写真を撮る。
 間もなくいつもより5分遅れで、事故車両と同じ京浜東北線大宮行きが進入してきた。
 
 

2016年7月11日月曜日

突然ですまないが

   

 突然ですまないが、私はCoCo壱番屋のカレーが好きである。

 どのぐらい好きかと言うと、新居を選ぶとき、近くにCoCo壱番屋があることも決め手の一つになったぐらいである。

 その一昔前の上品な喫茶店風のCoCo壱番屋には、残念なことに致命的な欠点があった。

 冷凍のレトルトを扱っていないのだ。

 私は冷凍のレトルトを買って、自分で米を炊き、スーパーの揚げ物とあわせて食べるのが好きなのである。
 その店は常温のレトルト、つまり普通のインスタントカレーと同じタイプのものなら扱っているのだが、それではダメだ。
 そのタイプは工場で包装するとき再加熱していて、風味が私の好みに合わないのだ。

 とゆうわけで私は一念発起して、冷凍のカレーを買いに旅に出かけた。

 天におわしますグーグルマップ・ジンコウエイセイ神のお告げでは、もう一つのCoCo壱は、北に6キロほど進んだ先にある。
 移動手段は自転車だ。それ以外は金がかかるので却下だ。

 夕方、雨上がり。陽がかたむいて涼しくなりはじめたころに出発する。
 この自転車は近所に不法投棄されていたのを「保護」してきたもので、前カゴはへこみ、座席は硬く、「まなみ、おまえはなんて重いんだ!」って感じである。

 今回の記事の趣旨だが、新しいところに引っ越したら、なるべく自転車か原付で早めにあたりを回ってみることをおススメするということだ。思わぬ発見が必ずある。
 先日も、近所にないと思っていたコインランドリーを発見した。

 最近ではグーグルマップ神の威光が私のような庶民の携帯にも及んで、少々無計画に動き回っても現在地をすぐに把握でき、常時「もうなにもこわくない」状態である。
 そのときもグーグルマップ神のお導きによって、無事にコインランドリーから帰宅する事ができた。

 このようにグーグルマップ神は偉大であり、みなもグーグルマップ神をたたえよう。

 お告げによれば、私とCoCo壱のあいだには強大なゴルフ場が横たわっており、迂回路を取らざるを得ないようだ。
 迂回路は狭く入り組んでおり、困難な旅路が予想された。これはいよいよ、神の電波を受信するスマートフォンに常時熱い視線を送らねばなるまい。
 道中、この季節に厚着をしているヘンな女の子の自転車を追いかけて、神の示す道を少々はずれた以外、順調に進んだ。

 ただ、問題が一つあった。
 道がきついのだ。
 グーグルマップ神は、道のアップダウンまでは示してくれない。ある程度予測は可能だが、だからといってグーグル神は高低さやまなみ号の重さまで考えた順路設定をしてくれるわけではない。
 あえて私は迂回路の迂回路をとることにした。なあに、グーグルの加護がある私に、行けぬ道はない!

 道に迷った。

 グーグル神はなぜか、私がゴルフ場の敷地内にいるとお示しになり、そうかと思うとつつつと現在地の矢印を動かして、近くを流れる川の真上をお指しになられた。

 グーグルマップ神はグーグルマップ神なりに深いお考えがあるようで、しばしば私を予期せぬ方向へ導いた。
 先日も、明らかに正面に太陽があるのに「おまえは北を向いている」とご表示になり、私は泣く泣く、神に逆らった。正解だった。

 進むべき方角はわかっていたし、グーグル神は現在地を間違っても地図そのものを間違って表示することはないので、後は自分の感で進んだ。
 まもなくCoCo壱の光りが、私を暖かく包んでくれた。そしてちゃんと冷凍のカレーも売っていた。

 帰り道、良さげなリサイクルショップも発見し、また一つ、俺の脳内地図に一ページ、書き加えられた。

 ※ ※ ※

 この話、実はオチがついている。

 ビーフカレーとポークカレーを一つずつ注文したのだが、家に帰って袋を開けてみると、なぜかポークカレーが三つも入っていた。レシートにはちゃんとポークとビーフ一つずつ打刻されている。

 いや、多いのはいいんだけど、俺は今日はビーフカレーが喰いたい気分なんだけど。

 交換してもらおうかとも思ったけど、今からまた一時間かけてカレー屋に行く気力はなかった。


2016年7月10日日曜日

過去の未完を果たす 第一回目 ――テイルズオブファンタジアなりきりダンジョン(初代)――その2

 クルールLV37 メルLV37 ディオLV37 29:05分 25608ガルド

で、十数年前から時が止まっていた。


 操作キャラの双子は、自分たちの屋敷のセーブポイントの上にいる。

 まず私がやったこと。それは自分の屋敷をくまなく調べることだ。
 この屋敷はちょっとした「初心者の館」を兼ねていて、ゲームシステムを簡単になら教えてくれる。

 ここで、このゲームのストーリーをちょっと紹介しておく。

 ある日「あなた」は、落ちた流れ星の中から双子の赤ちゃんを見つけました。
 珠のようにかわいいその二人を、あなたはディオとメルと名付け、双子はすくすくと成長します。
 そして、13年の月日が流れました。
(十数年前に見たオープニングをうろ覚えで要約)

 ゲームシステム的に言えば、あなた=プレイヤーは冒険する双子を見守る役で、イベントごとに双子の質問に答え、二人の性格を形成する。

 その性格が、ストーリーに影響を与えていく。

 実はこのゲームのストーリーとオチに関して、自分はすでに知っている。
 小説版を、何回も読んだからだ。
 問題は、自分がゲームシステム、操作方法、をほぼ完全に忘れていることだ。

 あれ、移動速度が遅い・・・ これどうやって走るんだっけ?
 このシリーズでの「フード」って、どうゆう仕組みだっけ?
 これはなんだ、あ、ダメージ床だ!
 ダンジョン内にバニーガールがいるが・・・ うわ、戦闘になった!
 ああ、コスチュームを着ても性格が徐々に変わっていくわけね。そういえばこんなシステムだった。

などなど。

で、Bボタンがマップでのダッシュボタンだと思い出したり、フードに食糧を入れておくと一歩移動ごとにHPが回復するのに気づいたりして、なんとか「せいれいのもり」の最深部にいる彼の元にたどり着いた。


 しかし、ゲームボーイの画像をスマホのカメラで撮ろうと思ったら、反射がひどくてうまくいかんのだよ・・・ 何かいい方法はないか・・・

 このオリジン弁当さんはファンタジアではお馴染みの大晶霊(だいしょうれい)で、威力の高い雷の技を使ってくる。
 なんと「なりダン」ではインディグネイションを使ってきた! シリーズによっては秘奥義扱いの大技だ。 

 その神のいかずちは「月光蝶」に匹敵するといわれ、ガンダムサンドロックのパイロットも愛用しており、一撃でぶりぶりざえもんを退ける・・・ 


 今回もHPが半分ほど削られる! 


 でもこんなこともあろうかと、操作キャラをミント(純ヒーラー)のコスチュームを着たメルにして「ナース」「リザレクション」連発のチキンプレイだったから問題なく勝てた。

 テイルズシリーズにおいて、この戦術は結構有効なので、勝てない敵がいたら試してみよう。

 ※ ※ ※

 さて、十数年ぶりに物語を進めた私は、いよいよ魔王プルートのいる洞窟へと挑む・・・
 小説版では、ディオとメルが一時撤退を余儀なくされた洞窟だ。

 最近は選挙会場の設営のアルバイトで忙しいから、まったり進めていくつもりだ。



2016年7月8日金曜日

空白の一ヶ月をどうしのぐか

 引っ越しをして一人暮らしをする人は、おそらく収入が一ヶ月ほど途絶えると思う。働いた分の給料は普通、翌月の支払いになるからだ。
 今回は、そんな収入のない人のための、一ヶ月間の金策を紹介したい。私を例としてあげるので、具体的なアドバイスになると思う。

1、一ヶ月にどの程度支出があるか?

 新居に引っ越して最初の一ヶ月、私の支出は¥107,144であった。内訳を以下に記す。

家賃 32,000
交通費 14,610
保険料 4,430
新生活準備 2,515
食費 26,430
酒代 3,837
書籍 1,422
UMA費 8,162
その他 13,738

 項目を簡単に説明する。
 家賃は共益費を含んでいる。
 水道代は¥507と安いので、「その他」の項目にまとめてある。携帯代及び電気代は、この記事を打っているときには、まだ明細が出ていない。
 新生活準備は、新しく買いなおす台所用スポンジ、カーペットのコロコロ、アルコールスプレーなどの清掃道具の費用だ。
 UMA費というのは、このブログを書くためのネタや資料を買うために使った費用だ。こんなブログだが、地味に金はかかっている。

 では、収入の説明に移る。
 収入は¥131,327であった。

派遣会社収入 35,159
解約返済金 36,960
貯金切り崩し 25,000
いろいろ売却費 3,716
前月現金繰越 28,506
電子マネー繰越 1,986

・金策1 派遣会社
 派遣会社は色々あるが、少なくない数が日払いによる給料の受け取りを可能としている。
 働いた当日にお金が受け取れるのは、やはり心強い。
 上に記した¥35,159は、AKBとアート引っ越しセンターからもたらされたものだ。
 イベント会場の設営、特に有名なアーティストのものは、給金が良いので積極的に受けていこう。
 引っ越し屋さんは、誰から見てもしんどい仕事で、定時に終わることもほぼないが、その分稼げる。
 ついでに言うと、いざ自分が引っ越しする前にこの仕事を経験すると、引っ越し屋さんに対してやさしくなれる自分を発見する。

・金策2 解約返済金
 ようは、前に住んでいた家の敷金やら保証金やらが帰ってきた分だ。これはかなり助けになるが、実家住まいの人には当然存在しない金なので注意。

・金策3 貯金の切り崩し
 引っ越しはさほど頻繁にはないイベントなので、貯金も積極的に投入していいだろう。
 私は虎の子の百円玉貯金と、ずっととっておいた大学の学務課から紹介されたバイトの給料の封印を破った。

・金策4 いろいろ売却費
 引っ越しのときすでに、400冊近い本を売ったが、まだ400冊近く持っている。
 売れば二日分の食事代ぐらいにはなる。

・金策5 前月繰越(ぜんげつくりこし)
 やはり大事なのは、引っ越しをする前の月は出費を控えるということだ。
 私は収入面では副業だが精神面では本業だと思っている職をもっていて、その給料が残っていたのだ。
 電子マネーとは「わおん」と鳴くあのカードのことである。人によってはキリンさんのカードになるだろう。

 ※ ※ ※

 結局何が言いたいかと言うと、お金を捻出する手段はいろいろありますよ、ということだ。
 人によってはもっと派遣の割合を増やしてもいいし、親からの仕送りを期待する方法もあるだろう。
 
 次回は、ようやく「せいれいのもり」を突破したので、そのことを書ければいいと思う。

2016年7月7日木曜日

雑学列記

 みんな知ってるか? 今日は「たなばた」という日らしい。

 なんでもこと座のベガとワシ座のアルタイルに住んでいるおり姫とひこ星というやつが、年に一度会ってにゃんにゃんするそうだ。

 しかも16光年離れている二つの星をたった1年で行き来できるらしい超技術を持っているのに、二人が出会えるか出会えないかは「地球のある地域で雨が降っているか降っていないかにかかっている」のだそうだ。

 しかも地球の人間はこれを記念してどこからか竹を切ってきて、それに願い事を結びつける迷信を年中行事で実行している。地方によってはそれを海に流すそうだ(そして海を汚さないために、あとでスタッフが回収する)。

 もともとこと座のベガはお裁縫とお蚕さんを祭る星だそうで、ベガはアラビア語で「ハゲワシ」。どんだけキャラを重ねるつもりだ!

 ちなみにワシ座のアルタイルの別名は「牽牛星(けんぎゅうせい)」で、この名は中国の故事が元になっている。

 なお、ゲームの「爆ボンバーマン64」では、大ボスの名がアルタイルなのだが、部下三人の誰よりも弱い。蹴った爆弾で気絶させて場外に投げて殺せる。

 ベガの名前がつく飛行機に「ロッキード・ベガ」というのがある。初めて飛行機で大西洋を横断した女性アメリア・イアハートの愛機になったことで有名。イアハートは映画の「ナイト・ミュージアム2」に博物館の偉人として出ている。

 ちなみに昔、缶コーヒーのおまけでロッキード・ベガがついてきたことがある。なくしてしまったことが悔やまれる。

 最後に、7月7日は「眠り流し」といって、夏の労働の疲れを流す日でもあるそうだ。青森の「ねぶた祭り」も、この習慣からきているらしい。

 夏の疲れを流すって、まだ夏始まったばかりやろうが! 旧暦で考えても8月7日頃だから、暑さ真っ盛りだ。流した次の日にはまた疲れがたまりそう。

 とゆうわけで、明日は選挙会場の設営のアルバイトに行って大いに疲れをためてまいります。

 以上、雑学のコーナーでした。

2016年7月1日金曜日

不思議な話 その1

 新居に引っ越して、一ヶ月がたった。つまり7月である。
 新しい土地はいつも強い風が吹いていて、今の時期でもまだ涼しい。夜など窓をしめるし、タコ足ハンガーも部屋の中にしまう。でないと風の力で高速回転して、ついに折れて飛んでゆくのだ。
 それにしてもこの風、夏はいいが、冬も吹きっぱなしだろうか? 今からふるえる次第である。
 で、夏なので怖い話ではないが、不思議な話をしたい。
 実体験である。
 
 当時、兵庫県の神戸市にあるアミューズメントパークにアルバイトに入っていた。
 いつもは夕方に上がるのだが、その日は夜まで働いていた。夏休み中で来客が多いことがわかっていたので、あらかじめ決められていたシフトだった。
 職場を出たときには、夜の九時をまわっていた。
 アルバイトが終わった後は、神戸の中心地である三ノ宮で本屋めぐりをするのが日課だった。
 
 あかつき書房→ブックオフ→ジュンク堂→清泉堂書店→らしんばん→メロンブックスと回る。ここにいくつかのカードショップ、イエローサブマリン、模型屋のボークスを混ぜれば、バイト終わりの日常が完成する。
 すでに九時を回ったその日は当然、店のどれもがあいていない。
 それでも私はなぜか、ブックオフ三ノ宮センター街店に行くことにした。
 すでに閉店していることは重々承知していたが、なぜか足が向いた。
 巨大な商店街のような構造のセンター街は、恐ろしくさみしかった。
 左右全てのシャッターが降り、人通りはなく、薄暗い道のはるか先まで見通せる。
 
 センター街の海側の入り口に立っている、生田神社の大鳥居が、なぜか印象に残った。
 
 あたりまえのことながら、ブックオフは閉まっていて、テナントビルにさえも入れない。私は岐路につくべく、阪急電車の三宮駅へと向かった。
 
 乗るはずの電車が、一本遅れた。
 
 特急か、快速急行か忘れたが、とにかく大阪方面に向かう電車に乗った。もう何百回と乗っている路線だ。
 突如ガタンと、ギアをはずす音が聞こえ、強めのブレーキとともに電車がある駅に停車した。普段は各駅停車しか止まらない、うす暗い小さな駅だ。
 アナウンスが聞こえる。
『前方の電車にて、人身事故が発生しました――これより電車は西宮北口駅まで前進し、そこで停車いたします――阪神電車による振替輸送を実施しますので・・・』
 
 西宮北口駅の隣、武庫之荘(むこのそう)駅にて、飛び込み自殺が発生したのだった。
 
 ※ ※ ※
 
 私は、乗るはずだった電車をなぜか一本ずらして、その乗るはずの電車が自殺者をはねる体験を三回している。
 ある種の危険感知能力があるのだと思っているが、あまり気分のいい話ではない。

PAGE TOP