《死者への手向け》は、当時では貴重な、モンスターを破壊できる魔法カードだった。
今でこそ、便利なモンスターが色々増えて、相手を破壊する魔法カードなんぞほとんどデッキに入れないが、時はバニラモンスターで殴りあうのが主な戦法だった2000年代。
効果モンスターの数は少なく、今でいう「誘発即時効果」を持つのにいたってはほとんどいなかった。
モンスターを破壊する効果を持つカードで手に入りやすいのは《人喰い虫》ぐらいで、こいつはリバースモンスターだから、セットして相手の攻撃を待つ必要があった。
だから、発売されたころは強いカードで、全国大会でも活躍したらしい。
だが、このカードを見た小学生の自分の感想は、「弱い」であった。有名な《サンダー・ボルト》や《ブラック・ホール》に比べて、一体しか処理できなかったからだ。
いちおう、能動的に手札から墓地へカードを送れる最古の手段であったが、当時のカードプールではそれを生かせるギミックがほとんどなく(《死者蘇生》ぐらいだった)、手札を一枚捨てるは、明確な欠点だった。
ひるがえって現代。墓地にいることで効果を発動するカードが幾千とあるものの、《死者への手向け》は採用されていない。
これ以上に便利なカードがたくさんあるから、これからも、デッキに投入されることはないだろう。
古いカードのリユースで有名なデュエルリンクスでは、一時期、幅を利かせていたが、それも結局、新規カードの追加で、まもなく使われなくなった。
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