みんな聞いてくれ。今年の夏は冷房器具をまったく使わなかった。
厳密に言えば引っ越したときエアコンを試運転したのだけど、それ以外は皆無だ。
扇風機は使ったんじゃないの? というそこのあなた、私は扇風機自体を持っていない。
前の家には、扇風機より使いにくくエアコンより涼しくない「冷風扇」というのがあった。それは引っ越すとき粗大ごみのに出してきた(そして10分後には外箱を残して消えていた。誰かがお持ち帰りしたらしい)。
とにかく我が家はナチュラルの風が強くて、扇風機いらずだねって話だ。
思えばたくさんのものが、風に飛ばされた。タオル、軍手、下着、ベルト、ハンガー、枕カバーに枕本体。
ある日家に帰ってくると、駐車場に見慣れないけど見慣れているものが落ち葉にまみれて転がっていた。・・・室外機の上に干してあったはずの枕であった。
で、今日は私的一人暮らしのうっかりを少々。
1.電気の契約し忘れ
前に住んでいた家は電気ガス水道とも、不動産屋が開栓の手続きをしてくれた。自分はまったくノータッチだったのだ。
だからある日玄関のドアノブに、電気の契約を迫る督促状がくくりつけてあるまで、俺が自分で電力会社を選んでなんやかんやしなければならないことに気付かなかった。
ところで、今年の4月から電力に自由化をうたって、各人が電力会社を選べるようになった。
一人暮らしの自分は東電の従来型のプラン一択だったが、家族がいる方や携帯電話をauやsoftbankにしている人は、いろいろプランがあるようだ。
それで話の続きなのだが、慌てて電話をかけたら、しきりに女の自動音声がインターネットでの申し込みを薦めるわけよ。だからネットで契約をしたわけよ。
ところが向こうで連絡ミスがあったようで、契約が成されていない扱いになっていた。すると当然家の電気代の引き落としも発生しない。その行き着く先はもちろん・・・電気の停止だ。
実はそれが、8月22日公開の記事「嵐の夜に」につながる。あの時私は向かいの家の電気が点いていることを憤ったが、点いてるのは当たり前なのだ。向こうは電気代を払っているのだから。
今回、何が言いたかったかというと、電気の契約はお早めにね、ってことだ。ネットでの契約が実務レベルでまで伝わっていなかったのは先方のミスだが、そもそもこちらが忘れずに契約をしていれば、防げた可能性の高い事故だ。
2.市民税の払い忘れ
我が家には専用のポストがなくて、玄関の受け口に直接投函する構造なのだが、引っ越して間もないある日、幽鬼のごとく市民税の督促状が玄関に舞い降りていた。
屈辱だった。TSUTAYAの延滞すらしたことのない男なのに、なんだか抗議されている気分だった。しかも督促状のハガキ代と称して、しっかり50円上乗せされた金額を請求されていた。
近所のコンビニで払い、やれやれようやくかつての住みかの清算が終わったと安心した数ヶ月後、再び悲劇が襲った。
また同じ督促状が、玄関に舞い降りたのだ。
「なるほど先の分に関しては、私はついうっかりしていたことを認めよう。しかしもはや住んでいない都市の市民税を、払う言われはない!」
私は仕事の合間に自主的に作った休憩時間を利用して、かつてお世話になった市役所に電話を入れる。電話番号の市外局番が、なんだか懐かしい感じがした。
「今年の5月まで〇〇市に住んでいた者ですけど、払ったはずの市民税の督促が再び届いたので、確認して欲しいんですけど」
電話で対応したおっちゃんは、たった一言で私の疑問を氷解させた。
「あ、その年の1月まで住んでいた自治体に、一年間市民税を納めていただくことになってるんですよ」
3.引っ越しの忘れ物
最後は引っ越す直前のうっかり。
関西での最後の日。引っ越し業者に荷物を託し、あとは不動産屋に部屋を引き渡すだけという時のこと。部屋の中に積み忘れがないか最終確認をしていた。
「まあ、押し入れも流しの下もさんざん確認したし、部屋も一目で見渡せる狭さだから、忘れ物なんぞあるわきゃねえよな」
近くのコンビニで買ったグリコのカフェオレをすすりつつ、自分の計画がうまくいっていることに満足する。手荷物はリュック一つ。身軽に夜行バス乗れるはずだ。
時は夕方。窓は東にしかないため、室内は薄暗い。
「ちょっと電気つけるか」
そう思って私は、目の前に垂れるヒモを引っ張ろうとした。
そこではたと気がついた。
あまりにも見慣れていたがゆえ、すっかり天井に同化し、私物であることを失念していた存在。
そう、蛍光灯、である。つまり傘型の電気だ。
「忘れただと? この俺が!」
結局、電気を抱えて夜行バスに乗ったぜチクショー。
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