2022年1月30日日曜日

遊戯王マスターデュエル 配信開始直後の感想

さて、『遊戯王マスターデュエル』の配信が今年(2022年)の1月から始まった。


アプリゲーですでに『デュエルリンクス』があるのになぜ? って感じがしないでもないが、あっちはスピードデュエルのルールによるキャラゲー、こっちはOCG(紙のカード)ルールをデジタルに落としこんだものだ。



それで、ツッコミを交えつつプレイ(switch版)の感想を少々。



あ、ちなみにブログ主は、「リンクス」もOCGもやっていたぞ。



●え、これだけのチュートリアルですか


チュートリアルは、はっきり言って「すがすがしいほど不十分」と言わざるをえない。


いや、誇張表現じゃなくて、ぜんっぜんないのだ。


  • 「各フェイズの流れの説明」
  • 「モンスターの通常召喚」
  • 「通常魔法カードの発動」
  • 「通常罠カードの発動」


事実上これだけだ。

「チェーン」も、「エクストラデッキからの特殊召喚」も、「効果モンスターの効果の発動」さえもとりあえず棚上げされている。アドバンス召喚さえ説明しない。

チュートリアルの最後、

「あなたはデュエルの基礎を覚えました」

的なセリフが出るんだけど、これを見た経験者全員が「いやいやいやいや」と総ツッコミを入れたはずだ。


 


●ソロモードは楽しいっす



遊戯王のカードには、MTGみたいにカバーストーリーがあるんだけど、それをデュエルしつつ楽しめるモードだ。


短編小説とかSFの設定資料を読んでいるようで、なかなかおもしろいぞ。


とくに注目は、デッキカテゴリ【シャドール】や【クリフォート】などが属するDT世界のストーリーだ。DT世界は、界隈でとっても有名な動画投稿者がガチ考察を行なっているほどの深い世界観をなんだけど、その「正史」がいよいよ公開されるってわけだ。


対戦時の相手AIも、なかなかにかしこい。


たまに「ふふ」ってほほ笑むプレイングがあるけど、リンクスの初期みたいなバグと見まがう挙動、例えばモンスターに装備魔法を装備させた直後に、そのモンスターをアドバンス召喚でリリースとかはない。なんだよおもしろみがねえな




●対人戦は、ナオキです・・・


対人戦は、残念ながら・・・ OCGの欠点を忠実に踏襲してしまっている。


つまり、先攻制圧&ソリティアゲーだ。


これ、裏を返せばOCG環境をうまくデジタルTCG化できた証左でもあるんだけど、その、もうちょっとなんとかならなかったのか・・・ 例えば、OCGで明らかに環境を荒らしているカードの実装は見合わせるとか・・・


でもまあ、デュエリスト的には、チェーンや効果の発動の確認をコンピュータが行なってくれる点だけでも、納得&大満足すべきなんだけど。




●目当てのカード、手に入りにくね?



OCGで【蟲惑魔】組んでるから、マスターデュエルでも組もうって思って、意気揚々と専門パックを50パック(カードに換算して400枚)剝いたんですよ。


ぜんぜん、蟲惑魔が、あたらないんだけど・・・


必須カードの〈トリオンの蟲惑魔〉は皆無だし、〈リセの蟲惑魔〉も1枚だけ。エクストラデッキの蟲惑魔たちもほとんどそろわない(セラちゃんが一体も出てこない)。


〈カズーラの蟲惑魔〉だけは11枚当たったんだけど、そんなに必要ねーから!


っていうーかこのゲーム、そのテーマのパックに、縁もゆかりもないカードを入れすぎ・・・


カードの封入数に上限がなく、「カートン

全部買えば必ず目当てのカードが手に入る」がないのも問題だ。

一応、いらないカードの「リサイクル」的な活用法はあるが、効率はあまりよくない。いやね、それでもリアルカードのパック開封よりまだ良心的と言われればそこまでなんだけど・・・




●ジェムの配布はまあまあある


目当てのカードは手に入りにくいけど、ゲーム内通貨であるジェム自体は、一定量は手に入る。


つまり、ケチと見なされない程度で、しかしぎりぎり飢える絶妙な量を支給してくれるぞ。


ようは、小まめに対戦をこなし、毎日ログインをしていれば、「塵も積もれば」効果でわりとたまるってこと。


リンクスの方もジェム配布を定期的にやってくれるから、マスターデュエルも無課金でそこそこ楽しめる課金体系を維持してくれると思われる。




●対人戦追記



ジェムの配布は一定量あるとはいえ、「マスターデュエル」も商売である。


やむを得ないことなんだが、対人戦で勝てるデッキを組むには課金が必須となる。


You tuberとかが「無課金で組める」みたいなのを結構紹介してくれているけど、あれらのデッキで勝てるのは、限定的な状況(相手が慣れていないor自分と同じく無課金勢)などの場合だ。


ただし、ヘイトをほうぼうで買っていることで有名な【エルドリッジ】は、確かに強い。


ただ、【エルドリッジ】で使われる〈スキルドレイン〉〈虚無空間〉〈王宮の勅命〉〈御前試合〉といったカードは、ガチ対戦ならともかく、カジュアル対戦で使うのはマナー違反すれすれのカードであることは指摘しておく。これらのカードって、遊戯王というゲームそのものをさせなくするカードたちだからな。




●本当の初心者は、どんなデッキで練習すればいい?


本当の初心者とは、これまで遊戯王はおろかカードゲームをほとんどプレイしたことがない人を指す。

個人的な見解だが、遊戯王はやったことないけどこれまでMTGで「水色のパーミッションデッキ使って(使われて)ました」とかの人は断じて初心者ではない


ここではちょっくら、ソロモードの早い段階で紹介されて、そのデッキでプレイングを繰り返せば遊戯王を覚えるよ、というデッキを紹介したい。

 


・【帝王】(みかど)

 相手ターンでも節操なく動くという現代遊戯王の闇をつかむのにピッタリ。デッキパワー自体が高いのも吉。エクストラをほぼ使わないので、〈強欲で金満な壺〉と組み合わせて脳金プレイも可能。



・【不知火】(しらぬい)

 墓地と除外ゾーンを行ったり来たりさせてシンクロを繰り返すという、頭が痛くなるデッキ。これでもシンクロソリティアデッキの中では難易度低めなのだから恐れ入る。

 アンデット族でほぼ統一されたテーマであり、今後アンデット関連の強いカードが出れば間接的に強化される点も良い。



・【クリフォート】

 OCGで発売した当時は、コナミのペンデュラム売りたい病も手伝って、破格の強さを与えられての登場だった。

 その時のルールでは、エクストラからペンデュラム召喚するモンスターを気兼ねなく普通のモンスターゾーンに出せたことも相まって、今のエルドリッジみたいに嫌われていた。そういえばクリフォートも〈スキルドレイン〉と相性がいいな。

 今でも強さはなかなか。ペンデュラムの練習にはちょうどいいと思う。リアルカードでの価格も安めので、実際にカードを買いそろえて動かし方を勉強してもいいかもしれない。



・【星杯】

 このテーマじたい、コナミが「リンクとはこういうものだよ」と教えるために登場した感じがする。啓蒙の尖兵だ。

 実は構築次第では、エクシーズ軸やシンクロ軸もできなくはない。通常モンスターが多めなこともあいまって、けっこうおもしろいデッキに仕上がるかもしれない(強いとは言っていない)。

 なお、カード内ストーリーではヒロインが・・・






●まとめ


ゲームとしての評価だけど、良くも悪くも遊戯王、と言える。

ほうぼうで飽きるほど言われている「先攻制圧」「じゃんけんゲー」はかなりの程度事実だし、複雑怪奇と化したカードの効果どもは、完全な新参者を遠くに追いやることだろう。

バグと思われる挙動も皆無ではなく、自分が遭遇した例では、


ダメージステップ開始時に前のターンに伏せていた〈リミッター解除〉が発動できない

相手メインフェイズ開始時に〈増殖するG〉が発動できない


などがある(むろん、自他に発動を妨害する条件はなし)。

※2月追記:おそらく、フェイズごとにカードの発動の確認を行なう設定をOFFにしてしまっていたと思われる(switchだと、Rボタンで簡単に切り替えられる)。お恥ずかしいかぎりだ。


ただ、やはりもろもろが自動化されたことによる恩恵はでかい。

ライフポイントの計算に電卓をたたく必要はないし、カードの発動忘れも防いでくれる。「1ターンに1回」の制約を忘れて二重に効果を解決してしまうなんてこともなくなった。

とにかくOCG経験者の誰しもが思う、


「〈強貪〉や〈強金〉の除外処理の手作業めんどくせー」

「〈黒庭〉発動時の〈邪神アバター〉の攻撃力計算できねーよ」


の問題をコンピュータが肩代わりしてくれるのは感謝感激である。


使えるカードもこれからどんどん実装されていくから、デュエルの中心は紙からデジタルへと移ってゆくと思われる。


少し不満があるとするなら、レスポンスがやや遅いことがある(switch版)ところか。いや、これは俺の通信環境が悪いのかもしれんが。


通信環境で思い出したけど、このゲームをプレイして大きな収穫が一つ。


スマホを使った「swich」でのデザリングの方法を知った。


いやね、「swich」ではデザリングができないと思い込んでいたのだ。

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