ポケモンGOは配信当初、ゲームとしての抜群の知名度に反して、ゲーム性がほとんどないゲームであった。
歩いて、ポケモンと遭遇して、モンスターボールをスワイプしてゲットする。バトルが出来るジムは、システムがまだまだ未整備だったこともあって、このゲットこそが楽しみの根幹だった。
ところが、そのポケモンとのエンカウントがいま一つであった。
出てくるポケモンは三種類の動作パターンしかなかったうえ、モンスターボールの投げ方にしても、中央に投げるほど経験値ボーナスがつくだけの、工夫を凝らす余地が乏しい仕様。
プレイヤーが見ている現実の風景をとりこんで、そこにポケモンが表示されるのは確かにわくわくしたものの、そもそも出てくるポケモンの種類が限られているため、間もなく飽きが来る。
ジムバトルにいたっては、運営側が早々と「やりたいことができていない」と認めるほどだった。
当時はまだ協力プレイである「レイドバトル」が未実装で、「CP(ステータスの総合値)の高いポケモンほど気力切れが早い」という仕様でもなかった。
いわゆる手の施しようのない脳筋プレイがまかり通っていた。
当時のジムバトルは、カイリュー一強であった。カイリューのみで防衛された背の高い(=レベルの高い)ジムは通称「カイリュータワー」と呼ばれ、作業要素の強かったポケモンGOをますます作業ゲーにしていった。
HPの高いカビゴンと、カイリューに「こうかはばつぐんだ」を発揮するラプラスが選択肢としてあったものの、主要都市のジムはほぼカイリューで占められていたといってよかった。
なおたちの悪いことに、カイリュー、カビゴン、ラプラスの三体はどれもかなりめずらしいポケモンで、そもそも用意するのが困難であった。更にそこから厳選、育成をするとなれば、「課金」「手間」「歩き回る体力」の三拍子がそろったポケモン廃人のみに許された道であった。
そこに前述の、「田舎には野生のポケモンがいない」条件が加わることになったわけだから、急速なユーザー離れが起こるのは必然だったわけだ。
前置きが長くなったが、運営側は、このユーザー離れを防ぐため、様々なイベントを実行した。後編では、その変遷をまとめたい。
当時のジムバトルは、カイリュー一強であった。カイリューのみで防衛された背の高い(=レベルの高い)ジムは通称「カイリュータワー」と呼ばれ、作業要素の強かったポケモンGOをますます作業ゲーにしていった。
HPの高いカビゴンと、カイリューに「こうかはばつぐんだ」を発揮するラプラスが選択肢としてあったものの、主要都市のジムはほぼカイリューで占められていたといってよかった。
なおたちの悪いことに、カイリュー、カビゴン、ラプラスの三体はどれもかなりめずらしいポケモンで、そもそも用意するのが困難であった。更にそこから厳選、育成をするとなれば、「課金」「手間」「歩き回る体力」の三拍子がそろったポケモン廃人のみに許された道であった。
そこに前述の、「田舎には野生のポケモンがいない」条件が加わることになったわけだから、急速なユーザー離れが起こるのは必然だったわけだ。
前置きが長くなったが、運営側は、このユーザー離れを防ぐため、様々なイベントを実行した。後編では、その変遷をまとめたい。
3.2016年秋~年末までのイベント
・ハロウィンイベント(2016年10月26日~11月2日)
「不気味なポケモンとの遭遇率がアップ」とゆうことで、めずらしいポケモンがいくつか出現したイベント。
ゴースとカイリュータワー(写真中央)
とくにゴースが「常駐」とまで言われたほど大量に出現し、多くのトレーナーを即席のゴーストハンターに仕立て上げた。他にスリープやカラカラ、なぜかニャースが出現した。
他に、ポケモンを捕まえたときなどにもらえるアメの量が倍になるなどのボーナスもあり、おいしいイベントではあった。
ただ、ゴースの進化系であるゲンガーが、期待に反して強くなかったのでがっかり感した人もいたようだ。
イベントのボーナスは以下のとおり。
ゴースとカイリュータワー(写真中央)
とくにゴースが「常駐」とまで言われたほど大量に出現し、多くのトレーナーを即席のゴーストハンターに仕立て上げた。他にスリープやカラカラ、なぜかニャースが出現した。
他に、ポケモンを捕まえたときなどにもらえるアメの量が倍になるなどのボーナスもあり、おいしいイベントではあった。
ただ、ゴースの進化系であるゲンガーが、期待に反して強くなかったのでがっかり感した人もいたようだ。
イベントのボーナスは以下のとおり。
- 捕まえた時のアメの入手量が6個になる
- 博士に送ると貰える数が2個になる
- タマゴ孵化時の入手量も2倍になる
- 相棒ポケモンの距離が1/4になる
- 不気味なポケモンとの遭遇率がアップする
・感謝祭イベント(11月23日~30日)
この期間は、もらえるEX(経験値)と「ほしのすな(ポケモンの強化に必要)」が2倍になった。
使用すると30分間、経験値が2倍になる「しあわせのたまご」と併用してボーナス4倍にし、乱獲しておいたポッポを片端から進化させるものが各地で続出した。筆者もその一人。
・サンタピカチュウが出現(2016年12月13日~2017年1月3日)
サンタっぽい帽子をかぶったピカチュウが出現する。ピカチュウ自体が珍しいこともあって、当初は夢中で捕まえが、エンカウント率が高いので最後のほうはありがたみがなくなった。
なお当たり前といえば当たり前だが、サンタピカチュウの内容(ステータス)は普通のピカチュウと変わらない。
なお当たり前といえば当たり前だが、サンタピカチュウの内容(ステータス)は普通のピカチュウと変わらない。
4.年末年始のイベント(2016年12月26日~2017年1月3日(初代御三家の出現率アップは1月9日まで))
・ふかそうちが無料配布
毎日ログインしてポケストップをまわすと、その日最初の一回目はタマゴの「ふかそうち」がもらえるというイベント。
ふかそうちは課金しない限りなかなか手に入らないアイテムで、このイベントの速報を聞いたときわくわくしたものだ。さすが任天堂、気前がいい!
ただ残念なことに、このふかそうち普通のと違って、一回タマゴを孵すと壊れてしまう粗悪げふんげふん――簡易生産品だったが、それでも下記の「ベイビィタマゴの入手率アップ」のイベントと連動していたからウマイイベントではあった。
・ベイビィタマゴの入手率アップ
ほぼ一ヵ月後の2月17日に「金銀」のポケモンが実装されるのだが、それに先駆けて「金銀」の「ベイビィポケモン」が実装された。
ベイビィポケモンはタマゴからしか生まれないから、これをきっかけにポケモンGOを起動してほしいという狙いがあったようだ。
なお、筆者はそれなりにかんばったが「ベイビィポケモン」は孵らなかった。
それまで「初代」のポケモンしかマップ上で出現しなかったのだが、金銀の舞台である「ジョウト地方」に登場したポケモンが80種類以上が出現するようになった。
ようやく、コラッタ、キャタピー、ナゾノクサばかりのゲームから脱却したわけだが、ポッポの出現率が相対的に減ったため乱獲によるレベル上げがやりにくくなった(ただし、ピジョンへと進化するのに必要なアメの数は減った)。
このイベントはポケモンGO配信一年目の「中興」とも呼べるバージョンアップで、他にもいろいろな機能が実装された。以下に記す。
それにしても、「金銀ポケモンが追加されていなかったら(ポケモンGOを)やめていた」という人をちらほら見かけるので、配信から一年以内に実装できたのは僥倖であった。
レイドバトルに向けて、システム整備中のジム
レイドバトルは、大雑把に言えば「みんなで協力して一狩り行こうぜ!」なシステムで、不定期にジムに登場するでっかく(しぶとい)ボスポケモンを倒す。
勝利すれば捕獲のチャンスや、報酬がもらえる可能性があるのだ。
他に、通常のジムバトルの変更点も上げておこう。
シカゴのトレーナーのみなさんががんばってくれたおかげで、それまで各イベントごとに小出しにされていた「アメが2倍」と「XPが2倍」が、一気にやってきた。
他にはメタモンの実装や被災地の復興支援イベントとかも書きたかったけど、今回が割愛する。ほら、石巻市とか熊本って、だいたいの日本人にはおいそれとは行けない位置にあるでしょ?
さて、8月には、横浜でピカチュウ関連のイベントがある予定だ。現在東北の沿岸(津波被災マップでは、容赦のない全損地域)、に住んでいる筆者が行けるかどうかはわからないが、行けたらまた何か一筆したためようと思う。
思えば、スマホゲーにまったく興味のなかった筆者が、初めて手を出したのが「ポケモンGO」だった。「ポケモン」のネーミングは、それぐらいの魅力があった。
もはやポケモンをがっつりとやりこむほど時間に余裕のある身分ではないが、これからもぼちぼちと楽しんでいきたいと思う。
なお、筆者はそれなりにかんばったが「ベイビィポケモン」は孵らなかった。
・初代御三家の出現率アップ
初代御三家(フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメ)は今も当時も珍しいポケモンであった。それがマップ上に大量に出現したイベント。
普段の出現率がもっとも低いヒトカゲの出現率があいかわらず低かったので、難のあったイベント。
・バレンタインイベント
バレンタインということで、ピンク色のポケモンが大量に出てきた。
なぜかピンクのポケモンは(タマタマとヤドンをのぞいて)めずらしいポケモンが多いので、普段はバレンタインを憎憎しく思っている一部トレーナーにも好評だった。
このとき捕まえたラッキーは、のちに「金銀」の実装でハピナスとなり、多くの新参トレーナーをアンラッキー&ドントハッピーに突き落とすことになる。
イベントのボーナスは以下のとおり
- ルアーモジュールの効果が6時間に延長
- アメの入手量が2倍
- 相棒ポケモンの距離が1/2
- ピンクのポケモンに出会いやすくなる
5.金銀ポケモン実装
ようやく、コラッタ、キャタピー、ナゾノクサばかりのゲームから脱却したわけだが、ポッポの出現率が相対的に減ったため乱獲によるレベル上げがやりにくくなった(ただし、ピジョンへと進化するのに必要なアメの数は減った)。
このイベントはポケモンGO配信一年目の「中興」とも呼べるバージョンアップで、他にもいろいろな機能が実装された。以下に記す。
- 進化アイテムが実装(たいようのいし、りゅうのうろこ、おうじゃのしるしなど)
- 一部わざの威力などが修正(「あなをほる」の威力が大幅にアップなど)
- ポケモンの動作パターンが追加
- 新たな「きのみ」が2種類追加(新しく「ナナのみ」と「パイルのみ」が加わる)
- 操作性(インターフェイス)の改善(ボールときのみの使用がスムーズになった)
- 着せ替えアイテム(トレーナーの服)が追加(メガネやベルトなど)
- ポケモンのオス、メス(性別)の実装
- 進化後ポケモンを捕まえると、貰えるアメの数が増えるようになった(それまでは一律)。
それにしても、「金銀ポケモンが追加されていなかったら(ポケモンGOを)やめていた」という人をちらほら見かけるので、配信から一年以内に実装できたのは僥倖であった。
6.2017年春~初夏のイベント
・帽子ピカチュウイベント(2017年2月27日~3月7日)
先にあった「サンタピカチュウ」のグラフィックをマイナーチェおっと誰か来たようだ。
かわいらしいとんがりぼうしをかぶったあいらしいピカチュウが現れたイベント。2月27日がポケモン誕生の日なので、それにあわせての登場だ。
このピカチュウは出現率が高いとか低いとか情報が錯綜したけど出現率は低くて、筆者は一体しか捕まえられなかった。
・水祭りイベント(3月23日~3月30日)
コイキング、ゼニガメ、ワニノコなどの「みずタイプ」ポケモンの出現率がアップし、水辺以外でも普通に出現した。
- みずタイプポケモンの出現率がアップ
- 水辺でジョウトの水ポケモンが出現率UP
- 着せ替えアイテム「コイキング帽子」追加
- 金色のコイキング、赤い色違いギャラドスが出現(したらしい。筆者は未見)。
みんな大好きラプラスの出現率がほとんど変わらなかったので、がっかりした人多数。
・イースターイベント(4月14日~4月21日)
イベント概要
- 獲得XPが2倍
- しあわせタマゴが半額
- 2kmタマゴから孵化するポケモンが増える
- タマゴ孵化時にもらえる飴の量がUP
- 金銀御三家が5kmタマゴに登場
個人的には、あんまり印象に残ってないイベント。この頃にはトレーナーレベルも27かそこらになっていて、XP2倍ぐらいではどうにもならない時期に来ていた。
・くさタイプポケモンイベント(5月6日~5月9日)
このフシギダネの絵ちょっと好き
草タイプのポケモンの出現率がアップしたイベント。しかし開催期間が短すぎた・・・
そもそも草タイプにさほど需要がない上、前回のバレンタインで飽きるほど見たタマタマがここでもでしゃばってきた(ただし進化系のナッシーは、この時のジムバトルでの常連)。
イベントの概要は以下のとおり。
- くさタイプポケモンの出現率がアップ
- ルアーモジュールの効果が6時間に延長
・いわタイプポケモンイベント(5月19日~5月26日)
- 「岩タイプ」の出現率UP
- ポケストップで貰える道具の数がUP
- モンスターボールが半額で販売
- 相棒が4倍の速さでアメを見つける
- 新きせかえアイテム「探検家の帽子」が登場
イワーク、オムナイト、カブト、ツボツボなど、普段は見かけないポケモンが大量に出現したイベント。個人的に超欲しかったプテラも出現率がアップしたそうだが、見つけられなかった。
・炎氷ポケモンイベント(6月14日~6月22日)
画像では「~20日」となっているが、実際は22日まで行われた。
来るべき「一周年」に向けた、前哨戦とも言うべきイベント。致命的に出現率の低かった「ほのお」及び「こおり」タイプのポケモンを大盤振る舞いした。たぶん、数ある「大量出現」イベントの中でもっとも恩恵の大きかったイベント。
- 炎&氷タイプの出現率アップ
- 捕獲ボーナスで貰える経験値がアップ
- 孵化時の獲得XPアップ
- しあわせタマゴがセールを実施
上の画像に書いてある「エクセレントスロー」というのは、大雑把に言えば、出てきたポケモンにうまくモンスターボールを当てたときにもらえるボーナスの中で最上級のものだ。我々トレーナーはボール投げを誇張抜きでウン万回やるため、この一つ一つはちんまいボーナスも馬鹿にはならない。
このイベント最大の功績は、こおりタイプのイノムーが普及してカイリュー退治がやりやすくなったことか。
7.ポケモンGO一周年イベント(7月7日~)
・サトシピカチュウの登場(7月7日~)
これはこの時期に上映の20周年映画と連動したイベントでもあって、アニメ版ポケモンの主人公のサトシの帽子をかぶったピカチュウが出現する。
なお意外なことだが、サトシピカチュウのステータスは普通の(以下略)。
・GO FEST
「7/22よりアメリカ合衆国イリノイ州にある都市、シカゴのダウンタウン、グランドパークでリアルイベントが開催!」
これは連動型の大規模リアルイベントで、GO FESTの会場でトレーナーが捕まえたポケモンに応じて、世界中のトレーナーも恩恵を受ける内容だった。
イベント当日は会場でトレーナーが特定の「タイプ」のポケモンを捕まえると世界中のトレーナーへのボーナスが開放される。また、世界中のトレーナーがポケモンを捕まえるほど、ボーナスの継続時間が延長する。いわゆる「Win Win」を演出したかったのだな。
このイベントの目玉は、なんといっても「ミステリーチャレンジ」で、「伝説ポケモン」が出現し、さらにチャレンジにクリアすれば、世界中のジムに伝説ポケモンが出現する「レイドバトル」が行なえるようになるのだ。
レイドバトルに向けて、システム整備中のジム
・ジムバトルの一新(レイドバトル他)
レイドバトルは、大雑把に言えば「みんなで協力して一狩り行こうぜ!」なシステムで、不定期にジムに登場するでっかく(しぶとい)ボスポケモンを倒す。
勝利すれば捕獲のチャンスや、報酬がもらえる可能性があるのだ。
他に、通常のジムバトルの変更点も上げておこう。
- ジムで配置できるポケモン数が6匹になり、かつ、同じポケモン禁止になった。
- ポケモン配置画面で回復可能に(驚くべきことだが、それまで回復ができなかった)
- 防衛ポケモンを倒した後、連戦するか撤退するか選べる
- ダメージ倍率の変更(ポケモンの「タイプ」がより重要に)
- やる気システムの導入(CPが高いポケモンほど、時間ごとにやる気=CPが下がりやすい)
- ジムバッジが貰えるようになった(バッジのランクに応じてアイテムがもらえる)
- ジムからアイテムと経験値を受け取れる(ジムのディスクアイコンをくるくる回す)
- ポケコインの受け取り方が変更(ポケモンがジムを防衛した時間に応じてコイン)
・メダルボーナスイベント(7月23日~7月28日)
シカゴのトレーナーのみなさんががんばってくれたおかげで、それまで各イベントごとに小出しにされていた「アメが2倍」と「XPが2倍」が、一気にやってきた。
- ほしのすなが2倍
- アメが2倍
- XPも2倍
- 野生のポケモンが増加
- 孵化までの歩く距離が1/3 に短縮
- 相棒ポケモンがアメを見つけるまでの距離が1/3
ちなみに、この記事を書いているその日に、イベントは終了した。筆者は「いわイベント」及び「炎氷イベント」で捕獲&ストックしていたもろもろを一気に進化させて、無事レベルが30になった。
※ ※ ※
ちょっと急ぎ足で書いたが(それでも結構な長文になったが)、「ポケモンGO 一年の変遷」はこんな感じだ。
他にはメタモンの実装や被災地の復興支援イベントとかも書きたかったけど、今回が割愛する。ほら、石巻市とか熊本って、だいたいの日本人にはおいそれとは行けない位置にあるでしょ?
さて、8月には、横浜でピカチュウ関連のイベントがある予定だ。現在東北の沿岸(津波被災マップでは、容赦のない全損地域)、に住んでいる筆者が行けるかどうかはわからないが、行けたらまた何か一筆したためようと思う。
思えば、スマホゲーにまったく興味のなかった筆者が、初めて手を出したのが「ポケモンGO」だった。「ポケモン」のネーミングは、それぐらいの魅力があった。
もはやポケモンをがっつりとやりこむほど時間に余裕のある身分ではないが、これからもぼちぼちと楽しんでいきたいと思う。
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