2019年2月13日水曜日

出張先でもプラモ 第13回 ブローニングM1910(マルシン モデルガン組立キット )組立と分解


ガンマニアの間で、変なアイテムを発売するメーカーとして知られているマルシン工業は、組み立て式のモデルガンも発売している。
ブローニングM1910は、古い拳銃だ。1910は、西暦1910年を表す。
 
小型で軽くて扱いやすく、しかも安い。

見た目も美しく、見栄えがする。『ルパン三世』の峰不二子や『鋼の錬金術師』のリザ・ホークアイが使っていたな。



今日はそんな拳銃のモデルガンをつくる。けっこう詳しく解説していくつもりだ。

いちおう、実銃の分解と組立の経験(M1910じゃないけど)がある。

これから組み立てる人にとって、ある程度参考になるはずだ。
 




さっそく中身を確認する。


部品点数はカートリッジ(弾薬の模型)とそこに火薬をこめるロッドを含めて59点。この数は、ピストルの部品数としては普通だ。

さて、モデルガン組み立てキットなので、普通のプラモデルと違って、いろいろ「工具」が必要になってくる。家の大工道具箱をあさろう。

とはいっても、たいそうなものは必要ない。
 







ペンチ、紙やすり、カッター、ピンセット、ニッパー、プラスドライバー、マイナスドライバー各種。

これだけあれば十分だ。

銃というものは、基本的に簡単な工具さえあればだれでも分解、整備、組立ができるようになっている。ほら、戦場に接着剤とかないでしょ?


あ、あと大事なものが一つ。






▲筆者はエアガン用のシリコンオイルで代用。横のフィギュアが気になるならこちら


機械用の油だ。これがないと、パーツをはめるのが硬くてしんどいぞ。

では組んでいく。見とけよ見とけよ~。
 





















完成!!!


え? 詳しく説明するんじゃないかって?

スマン、あれは嘘だ

いや、本当は、完成させたあと、仕事の合間に作った自主的休憩時間で5000文字ぐらい解説文を打ったんですよ、ノリノリで。

だけど、はたと気づいて読み返したら、マニアックな部品の説明ばかりでおもしろくなかったうえ組み立て説明書の記述となんぼも変わらなかったため、結局写真ばかりを載せることにしたのだ。


あ、でも、いちおう組む時に注意すべき点は書いておこうかな。


ピンが多い
 
部品を止めるためのピンのパーツは全部で6本あって、サイズも3種類ある。

説明書には「実物図」の表示があるから、それと重ね合わせて確認する。

説明書では、ピンは金づちでたたいて押し込むよう指示している部分があるけど、ピンが曲がってしまう可能性があるのでおススメはしない。

 

片手で握りやすい適当な鈍器で、ちょんちょんとたたいて押し込もう。自分はオロナミンCのビンをペーパーでくるんで使った。
 
 

組み前に、部品をちゃんとやすりがけをしておこう
 

パーティングライン(部品成型時のつなぎ目)も、やすりで削り、バリもとる。どちらも実銃にはないものだ。

特にバリ取りをサボると、見栄えが悪いだけでなく遊んでいるとき手をすりむく。実際に親指をすりむいた俺が言うのだからまちがいない。

自分は、600番と4800番のスポンジやすりを使った。


部品をフレーム(本体)にピンでとりつけるときは、光ですかす。




このように光にかざして、トリガーの穴とフレーム(銃本体)の穴とを合わせよう。

それと、ピンは、組む前にあらかじめ油を塗っておく事。でないと、刺さらない。行為の前のローションと同じだな。



シアースプリングとグリップセフティのセットは、やや組みにくい

▲シアースプリング(板バネ)と、グリップセフティと、マガジンキャッチのセット


この長い板バネを、シアー(逆鉤:ぎゃっこう)にちゃんとひっかけないと、銃がうまく作動しない。




銃は、「銃を組む」としか表現できない手先の使い方をする。

プラモデルは説明書を見れば組めるが、銃の場合、内部メカニックを理解していないと組むのに難儀or組んでもうまく作動しない。



いちおう、ちゃんと作動した場合どういう動きをするのか撮影したので、うPする。






本来は、このカートリッジに火薬(駄菓子屋にや100均に売っているようなピストルのおもちゃにつかうやつ)をしこんで、火薬の力で自動で排莢と再装填をする。

火薬は手に入れていないので、試していない。



▲見てのとおり、小さい拳銃だ。

▲薬きょうが飛び出る部分

▲銃口



そういえば、中古で完成品を買ったはいいけど分解の仕方がわからない、という人がちらほらいるようなので、分解の仕方も説明しておく。


▲まずは完成品の状態。分解に先立って、中に弾薬が残っていないか確認しておこう。



 ▲スライドを引き、スライド止めで固定して前に戻らないようにする。
スライドは、銃を発射するたびに「上下に上下に」動くアレ。


 ▲こんな感じに、切り欠きにはめる




▲次に、飛び出たバレルを横に回す。これで、中でかみ合っている部品を外す。




 ▲マガジン(弾倉)を外す。




 

▲スライド止めを下ろして、スライドが引き抜けるようにする。



 ▲スライドをフレーム(本体)から引き抜く。



 

 ▲スライドのおしりから飛び出る撃針ばねとかをとりだす。こんな感じに部品が分かれる。
 


▲スライドから銃身を取り出す。
銃口覆いを回してとりはずし、ぶっといばねを抜く。
油断すると、ばねの力で銃口覆いが「みょん」と顔にダイレクトアタックを仕掛けてくるので注意。




▲銃身に埋まっているイモネジをマイナスドライバーではずしてから、中で固定されている撃針を長いピンで押し出す。

これはモデルガンなので、発火のための撃針が銃口に仕込んである。
 



 ▲スライド止めを上にずらし、引き抜く。




 
▲グリップをマイナスドライバーで外す。




 ▲グリップセフティを固定しているピンを外す。



▲こうゆう部品が出てくる。



引き金とシアーを連動させる部品を抜く。
シアーは、銃内部でガチャガチャ動いて、安全装置として働いたり解除したりする部品。




▲続いてマガジンセフティと、シアーを固定するピンを抜く。


▲引き金を固定するピンをつついて抜く。



分解したら、こんな感じになる。

あ、この写真では撃針とシアーを取り外していないので、映っていない。



分解したら、壊れた部品(マルシンで注文できるはず)なり取り換える油を塗るなりしておこう。

特に塗る場所は、稼働する部分。

できたら、いよいよスライドと銃本体の合体だ。


組立は、分解のおおむね逆順でできる。



最後に、この銃に関してちょっとした小ネタを少し。

ブローニングM1910には、銃が暴発しないよう、三つも安全機能がとりつけられている。

すなわち、普通の拳銃にもついている「スライド止め」、グリップを強く握らないと引き金を引かせない「グリップセフティ」、マガジンを抜くと同時に引き金を固定する「マガジンセフティ」の3つだ。

この先進的で執拗な安全対策は、この時代においては「変」と よんでさしつかえなく、おかげで設計者のブローニングさんには「未来人」説が浮上している。



もう一つ。

ネットでの書き込みだが、なんでも発売から百年たった現在でも、麻薬取締官はこの拳銃を使っているらしい。

さすがに、新しいのを買ってあげてよ・・・




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