2017年9月25日月曜日

初めてのスキューバダイビング体験 in 田野畑

 筆者にとって「海」といえば、「岩場」の海岸だった。海でみんなと泳ぐより、一人で潮溜まりでカニやヤドカリと戯れるほうが好きだった。
 
 そんな私が今回、泳ぐを一歩超えて潜ることになった。理由はカンタン、「そこに潜れるサービスがあるから」。まあ誰しも一回は、海の中を見てみたいと思うものだ。
 



 


 その日、舞台となる田野畑(たのはた)村は避難訓練をしていて、小一時間ほどの間に津波と火災と土砂災害が起こっていた。車で走っていると、村内アナウンスの「訓練」という単語が聞き取れずサイレンばかりが聞こえるもんだから、思わず停車したほどだ。
 

 
 で、停車したり道に迷ったりカーナビにだまされたりしながら、無事に机浜(つくえはま)番屋群に到着する。この小屋の一つ一つが、何かしらの体験コースができるようになっていて、例えば海水からの「塩作り」を行なえる。
 
 一番奥の、もっとも海に近いところが、ダイビングサービスになっている。
 
 応対したおねーさんとのあいさつもそこそこに、必要な書類を記入する。(主に肺や呼吸器系統に)病気を持っていないかとかの、確認の書類だな。
 
 それから冊子が渡されて、簡単なお勉強だ。



 水中でのハンドサインとか、機材の名前とその説明とか。だいたい30分ぐらいで終わる。
 
 
 ウエットスーツに着替えたら、いざ海に出発だ!
 
 ここで、ウェットスーツの着方をカンタンに書いておこうかな。
 
 

① ウェットスーツは「つなぎ」みたいに、上半身と下半身が一体になっている。足から履いて、腕を通す。両足両手首背中のところにファスナーがあるから、それを締める。
 
② 専用の靴を履く。これは海に近い靴屋とかに売っているマリンシューズに似ている。これもファスナー式だ。
 
③ バラスト(おもり)がついたベルトをつける。これは建設現場で使われる安全ベルトとか、軍隊で使う弾たいに近いものだけど、この説明じゃかえってわかりにくいな。
 
 腰を45度に曲げ、その上にベルトをのせて、その体勢のまま前を締める。おもりは海に沈むためにつけるもので、体重の十分の一が目安。

④ 空気の入ったボンベを背負う。これは重さ15キロ前後。海では浮力が働くので、この重さはあまり気にならない。

⑤ 水中眼鏡とシュノーケルが一体になったのをつける。このとき、前髪が挟まっているとそこから浸水するので注意する。
 
 全部の機材をつけると、ガンダムに出てくるマリン・ハイザックにちょっと似た格好になる。
 
⑥ 海に出たら、そこではじめて足の「フィン」をつける。
 
 
 
 さて、ダイビングをやってみようと思うくらいだから、筆者は当然泳げる。
 
 インストラクターの人に、空気ボンベが背負って歩けるかどうか心配された部分があったが、筆者は20キロの装備をかついで琵琶湖沿岸を25キロほど歩いたことがあるので、これも問題ない。
 
 youtubeにて、「スーパーマリオ64」の、海にもぐって赤コインを集めるステージを連続して見て、イメージトレーニングもばっちりだ。
 
 だが・・・
 
 しかし・・・
 
 根本的かつ、致命的な問題が発生していた。
 
 ・・・海に沈まねぇw
 
 
 
 いやね、ぜんぜん沈まないの。結構がんばっているのに、いつまでたっても水面でパシャパシャしてるの。
 
 おかしい・・・  ちゃんと、自分の体重の十分の一のバラストをつけたし、空気ボンベもあわせたら、体重の三分の一もの重りを身にまとっていることになるのに、海底にぜんぜんたどり着かない。浮力の力ってすげー。
 
 それとも、おおうなばらの神が「おまえはくんな」と言ってるのか? 毎週ヤドカリ飼育用の海水を2リットルほど失敬しているのがそんなに気に入らないのか?
 
 空気ボンベといっしょに身に付けたライフジャケットに空気が入ったままという、初歩的なミスに気づいたのが海に入って十分ほどたってからだった。ぶしゅーって抜いた。今度は簡単に潜れた。
 
  
 
 海の中の様子を撮った写真がないのが残念だけど、なんとか文章でお伝えする。
 
 砂浜からすぐ先でのダイビングということで、それほど風景に期待はしてなかったのだけど、やはり、水の中の世界は一種おもむきがある。
 
 まず見えたのは、アイナメという茶色に黒い縞模様がついた魚で、体長40センチぐらいのがゆっくりと横切っていった。

 海底は、全体的にピンク色の藻に覆われていて、そこに黒いウニがあちこちにころがっている。アワビなんかもへばりついていて、一個ぐらいお持ち帰りしてもばれないんじゃないかな、と思ったりした。
 
 海水の透明度は、だいたい4~5メートルぐらいだろうか? 場所によって多少違う。
 
 他に、こんな生物がいる。撮ったのは筆者じゃなくて、アシスタントインストラクターの方だ。
 

 地元では「どんこ」と呼ばれる。ハゼの仲間


 
 
 この白いの、ウミウシの仲間だそうだ。なんたらガーベラウミウシ(詳しい名前忘れた)という、花屋の店先に並んでいそうな名前をしてやがる。

 これが捕獲されたとき、インストラクターのおねーさんが喜んでいた。なんでも、田野畑ダイビングサービスの「うり」にするらしい。 
 


 
 きもかわいい系?
 
 
 海に潜っていたのは、だいたい50分ほどだ。短いと思う人もいるかもしれないが、想像以上に体力を使うので、初心者にはちょうどいいと思う。
 
 海の中でむずかしいのは、前に進むこと、息をすること、そして、そもそも海中にとどまること、この3点だ。バタ足オンリーで、口呼吸で、行きたいところに進むのは、かなりの慣れが必要だ。まるで操作性の悪いゲームだ。
 
 ただ、ゲームと違うのは、泳げば泳ぐほど、確実にうまくなることだ。次に潜るとき、そしてその次に潜るとき、上達した自分が感じられるだろう。
 
 また、挑戦してみようと思う。
 

 参加証のようなものがもらえる
 
※ ※ ※
 
 今回お世話になった「田野畑ダイビングサービス」は、国道44号線沿い、「机浜番屋群」内にある。近くには、景勝地で有名な北山崎があるな。
 
 行き方は、車オンリーと考えてよい。近くに鉄道、バスはない。歩いていくのもオススメしない。レンタカーか、自家用車が便利だろう。カーナビが古いと「あさっての方向」に誘導されるので、注意。
 
 海が近いから、もしかしたら自家用船でも行けるかも知れない。そのときは、ちゃんと関係者各位に問い合わせてね。
 
 ダイビングサービスは、基本的な器材はそろっているので、水着とバスタオルだけもっていけOK。水着は浜辺で着るような短パンタイプではなく、スパッツタイプを持っていこう。この上からウエットスーツを着ることになるがゆえだ。
 

 

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 最後になぜか野菜をもらって、帰路に着く。

 水の中では思った以上に体力を消耗するらしく、運転中うとうとして、海に再ダイブするところであった。不安な人は昼寝しよう。
 
 
 

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