2022年7月11日月曜日

潰瘍性大腸炎「個人的に」効く薬 効かない薬

発症して2年。手術をするまで、これまで様々な薬を使ってきた。


2年間で使った薬の、個人的な採点評価の表。



評価の基準

5点(★マーク5個で表す)をそれぞれの薬の持ち点とし、そこから加点、もしくは減点する方式。



加点の条件

・一時的にせよ、症状が大きく改善した +1点



減点の条件

・値段が高い、飲みにくい、まずい -1点

・効果はあったが、効きづらくなった -2点

・そもそも効果があまり感じられない -3点



それでは、参考程度にごゆるりと



リアルダ



得点★★☆☆☆

服用量 1日2~4錠


個人的に、飲んでも飲まなくても変わらない薬。

「若干出血は減ったかな」と思わないでもないが、ゼロにはならず、トイレで粘液便を出す回数はむしろ増えた。

それに、一度だけだが、未消化のままでまるまる一粒、便と一緒に排出されたことがあった。

なお、体質のせいか知らないが、4錠を10日連続で飲むと10日目に下痢をする(2回この現象が起こった)。これは、その日は薬を控えるでピタリと改善した。

かようなように、


「こうかは いまひとつの ようだ」


が続いたので、ほぼ1年後には「ペンタサ顆粒」に変えることとなった。



レクタブル


得点★★★★☆

服用量 症状がひどいときに、数日間集中して使う


ステロイド剤。リアルダが効かねえって言ったら、追加で出してくれた。

ステロイドは副作用で有名な薬だけど、こいつはお尻から注入するタイプで、おかげで素早く肝臓で分解されるため、比較的大丈夫だそうだ。事実俺も、これといった副作用には見舞われていない。

劇的な効果を発揮する。投与した次の日には症状が改善した。

惜しいのは、リアルダに比べて高いことと、使うとき、ポンプにノズルをつけたりする組み立て作業があって、めんどうなことか。



ペンタサ顆粒 94%



得点★★★☆☆

服用量 朝晩に一包ずつ


リアルダの代わりに出されて薬。

名前こそ違うが、「メサラジン」という薬が使われている点では同じ。

なぜか顆粒の薬にしたら、効果が出た。

少なくともトイレの数は1日4回前後に収まり、出血量も(あいかわらずゼロにはならないが)減った。

欠点は、顆粒で飲みにくいことか。

残念なことに、この薬はまもなく効かなくなり、1回目の再燃期を迎えることになった。




プレドニン



得点★★★★☆

服用量 最初の2週間  1日一回8錠

    次の2週間   1日一回6錠

    その次の2週間 1日一回4錠

    その次の2週間 1日一回2錠



ステロイド剤。

ステロイドはその副作用から、一時期テレビで否定的に扱われ、今でも忌避感を振りまいているが、その効果は無類である。

再燃期真っ只中の厳しい時、最初の服用で下痢が劇的に改善し、一ヶ月後には大便の数も1日2回と、まあ常識的な数にまで落ち着かせた。

まさに「奇跡の薬」と呼ばれるのにふさわしい。

惜しむらくは、自分の体にしっかりと「ステロイド耐性」ができてしまい、次の再燃期には頼りなくなっていたことか。




アザニン



得点★★★☆☆

服用量 2日に一度半錠を朝に一つ



免疫抑制剤。

つまり、腸に悪さをする白血球を減らすかわりに外部からの病気にも弱くなりますよ、というステキなおクスリ。よく、臓器移植の拒否反応を抑えるのに使われる。

効果はないことはない。

少なくとも、「メサラジン顆粒」ぐらいには症状は軽くなり、また、血液検査でも、白血球の数が、


H15000→H10000


程度にまで減った(これでも基準値より高いのだが)

だが、2日連続で飲むと、猛烈な吐き気と倦怠感に襲われた。ちょっと日常生活が送れないレベルだったので、担当医と相談し、「2日に一度半錠を朝に一つ」なんて変則的服用となる。

次の再燃期による緊急入院まで、この薬を飲み続けることになる。



レミケード

得点★★★★☆

服用量 一日一回 腕からの静脈点滴による


はじめに断っておくと、自分はこの薬を1回しか投与してもらってない。

本来は数週間に分けて、複数回投与するものなのだ。

なので、一回のみでの評価だとお伝えしておく。


一回ポッキリでも、かなり効いた。

少なくとも、


弱りきったうんこ製造機→健康なダンゴムシ


ぐらいの回復能力はある。

ようは、熱と痛みと下痢にまみれた緊急入院患者を、ちょっと町医者に行こうかなレベルの病人に格上げする。

1回の投与でこれだから、複数回投与ではいっそう効果が高まると思われる。

実は医者にも、


「このまま服薬で症状が改善するかも」


と言われていた。

難点は、べらぼうに値がはること。

1回の投与で約4.8万円という、俺の一ヶ月の食費と光熱費と酒代をあわせた値段を請求される。

しかもこれ、医療費の3割負担適応後でこの値段なのだ。

先述したように、自分は大腸の摘出手術を望んだので、この薬は一回のみの使用となった。



◆手術後のお薬◆

ここからは手術の後に服用を開始した薬



カロナール



得点★★★☆☆

服用量 朝昼晩毎食後2錠(200mgの場合) 


痛み止め。

自分は腰痛で訪れた整形外科ですでに処方されていたため、馴染み深かった。ジェネリック医薬品でお財布にも優しい。

効くは効く。特に術後の、痛みが激しい数日間は、必ず服用していた。

味もハッカのようで、まあ、飲めなくはない。

問題は、飲み続けるとだんだん効かなくなってくること。

体が、


「はいはいカロナールカロナール」


と、耐性を獲得したようだ。

それでも、枕元に常備するぐらいには、一時期これに頼っていた。



大建中湯(だいけんちゅうとう)



得点★★★★☆

服用量 食前に2包

漢方薬。その正体はニンジン、カンキョウ、サンショウの連合軍。

小腸の働きを活発にし、術後の腸閉塞のリスクを下げるのがお仕事。

狙い通り、これを飲むとお腹がグキュルと音をたてる。

術後はこのキュルキュルさえ痛かったので、たまったものではなかったが、腸閉塞は考えられる限り最悪の事態なので、我慢して飲んでいた。

ちなみに、味は甘くて苦い。つまりまずい。

術後10日以上だった現在でも飲んでいる。



ペンタサ坐剤 1g



得点★★★☆☆

服用量 一日一回



先述のペンタサのお尻からVer.ポラギノールとかと同じ類。ただし、その硬さはプラスチックみたいではある。

挿入後は、体温で徐々に溶けて、おしりの中で広がる。「押し」が弱いと、肛門の筋肉に負けて外に出てくる。

効くのか効かないのかは、正直よくわからない。

すでに大腸の大部分は取り払われていて、出血の目安となるうんこがほとんど出てこないからだ。

ただ、服用開始から数日後に微熱が治まったので、直腸の炎症を止めた可能性はある。

ただありそうなのは、手術の施術跡が治り始めたので、それに伴い、体内の炎症が消えただけかもしれない。




ここまでつらつらと書いたが、

★★★★★

の満点がなかったのは、結局どの薬も、病を完治させる能力はなく、また、自分が手術するまでに至るのを止めることができなかったからだ。


以上 悪口っぽいことも書いたが、薬の服用はお医者さんの指示に従って、正しく利用しましょう



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