2020年5月4日月曜日

一巻目から読み進めていないラノベたち


買って、最後まで読んだはいいが、続刊は買っていないライトノベルが結構ある。


それはつまらないわけではなく、諸般の事情(主に時間的な制約)で読まずにいる作品たちだ。


日記代わりに、書いていく。


※ ※ ※


『冴えない彼女の育て方』富士見ファンタジア文庫


いろいろ残念な男子が、同人ギャルゲーサークルを立ち上げてなんやかんやする話。

地の文にはスピード感があって、キャラのかけあいも勢いがある。

強いて欠点を上げるなら、主要登場人物の四人のうち三人までがド級のオタクのため、セリフが誰のものかしばしばわからなくなることか。話の筋にとって大した問題ではないが。

もう一つ。ギャグに関して。

欠点とは言えないのだが、ギャルゲー(一部エロゲ―)の「お約束」を知っていて、なおかつそのパロディにおもしろさを感じる人間じゃないと、ギャグがいまいちぴんとこない。

で、ギャルゲーにはうといので、一巻で止まってしまっている。



『スーパーカブ』角川スニーカー文庫


地味で丁寧な小説。まるでライトノベルじゃない(ほめてます)。

話の筋としては、地味で無趣味な女の子が原付のカブを手に入れ、少しずつ世界や物の味方を広げていく話。剣も魔法も異世界もなし。

読めばカブの知識がかなり増す。往年の教養小説に近いか。

ただ、カブにさほど興味があるわけではないので、一巻しか読んでいない。



『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』電撃文庫


うーん、って感じ。

青春ラブコメとしてまとまっていると思うし、キャラ同士のかけあいもつまらないことはないのだが、今一つ物足りない。

たぶん、ラブコメなのにライバルが出てこなかったり、チーマーに絡まれたりしないからだろう(いちおう言っておくと、もっと質の悪い障害が主人公たちにたちはだかる)。

タイトルと表紙イラスト、あと作者の前作からのファン、そういったものの相乗効果で、成功を収めた作品と言える。

どうしても気になったのは、主人公の妹が「家好き」「極度の家好き」だという描写。

彼女はいじめによる心的外傷から、やむにやまれず家にこもることを強いられたのであり、家が好きでは断じてない。

家好きというのは、「この住んでる部屋ごとロケットで飛んでって近所のコンビニの駐車場に着陸できたらいいな♪」と考える俺のような人種のことを言うのだ。

何らかの事情で「ひきこもり」という単語を使いたくなかったので「家好き」なんて表現になったのだろうが、この不正確さがどうしてもいただけない部分であった。



『鏡のむこうの最果て図書館』電撃文庫


一言で言うなら「物足りない」。パワプロで、球速142キロ、持ち球がカーブとチェンジアップだけの投手と対戦した気分。

魔王がいる世界で、勇者が旅立って、主人公が陰ながらに協力して・・・ といった作品。

踏み込んで言うなら、主人公のいる場所が必ずしも図書館でなくてもいい(本を使ったギミックは、確かにあるのだが)。

最後は覚醒した主人公が魔王を物理的にやっつける。

ネタバレされたとなげく必要はない。さすがに、ここはそれなりの変化球で読者を驚かせにかかる。ただし、俺はこれに似た変化球を他の作品でも見たことがある。

「安楽椅子探偵」みたいに、最後まで座ったまま解決していたら、それはそれでおもしろいことになっていたかもしれない。ライトノベルとしては、失格かもしれないが。




『キノの旅』電撃文

読もう読もうと思って約10年。最近ようやく手に取った。

初見の感想は『星の王子様』に「星新一」を足して2で割った作風。個人的には嫌いじゃない。

ただ、すでに出ている膨大な続刊に尻込みして、一巻目で止まっている。



『86』電撃文庫

ディストピア+ミリタリー。そのミリタリーはまさかの「多脚兵器」。しかもノリが「57ミリ砲搭載の旧式vs155ミリ砲搭載の巨体重装甲」

近代ドイツ史+近代フランス史をかなり取材していて、このあたりも電撃大賞をとった秘訣。

個人的な性癖にクリーンヒットの作品なのだが、惜しむらくは読むのに気力がいる。

宇宙世紀ガンダム全話は気分がのらないと見れないように、「読むぞ」という精神の状態にならないと、なかなか手に取れない作風なのだ。

なので、一巻で止まっている。気が向いたら買う。


『錆喰いビスコ』電撃文庫

錆が蔓延する日本を縦断しろ! 錆に犯された師匠を救うため、美少年医師と東北を目指せ!

突破されるグンマ県の関所、飛来する生物兵器。そして、マスコット親衛隊をはべらせる知事の野望・・・

ジャンルは世界崩壊後のSFファンタジー。主人公の武器がキノコが発生する弓矢など変化球はあるものの、基本的に王道。

惜しいのは、後半、物語が早足なことか。おそらく、文字数の制約の関係だろう。上下巻で読みたかった作品ではあった。

一巻目で物語としてきれいに完結しているため、あえて手に取っていない。気が向いたら取る。
 

『賭博師は祈らない』GA文庫

場所は産業革命期の英国、ロンドン。富と頽廃がつどうこの街で、賭博師として生きていく男がいた・・・

ラノベではめずらしい舞台設定。流行りの「奴隷の少女」も登場するが、それは「賭けに勝ちすぎた主人公が胴元に目をつけられないため購入」というからめ手。

最後の「戦闘」の勝ち方も、相手を完全に打倒するのではなく、利益に見あわない損害を与えて手を引かせるもので、きれいなゲーム理論を見ているよう気分にさせてくれる。

非常に面白く読める一品。買ってないのは、『錆喰いビスコ』と同じく一巻目できれいに完結しているため。


『ゴブリンスレイヤー』GA文庫

ゴブリンに執着する男の話。無口で職人気質で、しかしやさしさも兼ね備えているイケメン。顔は兜で見えないけど。

世界観は、TRPGのDDとソードワールドに似ている。作者がDDのファンだそう。

とゆうか、登場人物に固有名がない。

「神官」とか「槍騎士」とか、徹頭徹尾役職名で呼ばれる。キャラのセリフでさえ例外はない

たぶん、ゴブリンに女の子が手籠めにされる描写があるのも、人気の秘訣。

自分の中で、ゲーム的な世界観の小説を買う優先度が高くないため、一巻で止まっている。ただ、おもしろい作品であることは伝えておく。




『異世界テニス無双』GA文庫

俺つえー系の亜種。ただし武器はテニス。緩急つけた変化球で攻めてくる。テニスなだけに。

主人公の名前が「相馬王助」。これはまだいいのだが、通う学校がなんと「陽帝」

俺はテニプリにさほど詳しくないし、むしろ無知同然なのだが、それでも作中いたるところに、どこかで見た気がする単語や技がたくさん出てくる

だいたい最初の書き出しが、「ゲームセット、アンドマッチ! ウォンバイ陽帝・相馬! カウント0―6、6-4、7―6!」。昔流行ったテニプリミュージカルを思い出したぞ

この作品も一巻しか読んでいない。とゆうか、一巻しか出ていない。

そのまんまなパロディがテニプリファンたちの反感を買い、孫正義社長GA文庫はソフトバンククリエイティブのブランド)にやめさせるよう書面をしたためる者まで出てきて、中止となった。孫社長に言うのはお門違いな気が・・・

小説としては楽しめる。テニスを知らなくても無問題。古本であったら買いな作品。



『この素晴らしい世界に祝福を!』角川スニーカー文庫

読み終えた感想は「物足らない」。おもしろくはあるのだが、どうしても、いくつもある小説の中で優先的に読む意義を見出せなかった。

設定も描写も「イマドキ」のラノベを忠実に突いており、また、不快にさせる要素を慎重に排除している部分はうまい。

例えば、主人公やヒロインが、読み手が嫉妬を抱いたりしないよう「欠点ありき」に書いてあるところ。

もしくは魔物がおり、ギルドがある、ゲーム的なとっかかりやすい設定に終始しているところとかだ。

ようは、良く言えば奇をてらっていない、悪く言うのなら本気を出していない小説と言える。

嫌いと言うわけではない。作者が楽しんで書いているのは伝わってくるし、TCGのヴァイスでデッキを組むぐらいの関心はある。一巻しか読んでないけど。

0 件のコメント:

コメントを投稿