2019年11月12日火曜日

人生二回目のスキューバダイビング――千葉県勝浦市 ふるさと納税 体験ダイビング


JR千葉駅から、外房(そとぼう)線の各駅停車にゆられておおよそ一時間半。



田舎にありがちな無人駅に降り立ち、そこから徒歩で10分ほど。


小さな港が見えたら、目的地の「勝浦ダイビングサービス」はすぐだ。

今日は体験ダイビングに参加する。

まずは問診票みたいな書類を記入する。健康状態の確認のためだな。

それから、スタッフのN(あだ名)氏に、潜るための簡単な説明を受ける。

・水中でのハンドサイン
・レギュレーター(口にくわえるアレ)から空気を吸うコツ
・海中での上手な浮き方
・装備の説明

などだ。



N「前に一度、潜られたことあるんですよね? どこで潜られたんですか?」
岩手県です」
N「めずらしいですね! なにかあだ名ありますか?」

 あだ名?

「ないです」
 少し雑談して、潜ってきた人が戻ってくる。
N「彼はGさん(あだ名)で、こっちはBさん(こっちもあだ名)です」
「よろしくお願いします」
N「俺さんに何かあだ名はありますか?」

あ、そういうノリでっか。

「ユウで」

クッキーをもらった。与那国みやげらしく、辛かった。



まもなく来た担当インストラクターK氏は、ナイスミドルであった。

潜りから戻ったばかりだったのだが、親しみを込めたあいさつをし、早々とシーフードヌードルをかきこむと、俺を海にいざなった。

と言っても、大海原に繰り出したわけではない。

今回は、ふるさと納税による体験ダイビングだ。



▲だいたい25×50メートルぐらいの大きさ

我々は、コンクリートで囲われた一画へとやってきた。
数十年前、イケスとして造られ、今は放擲された設備だ。程よい広さと深さ、そして何より初心者が海の藻屑にならない囲われた空間である。


▲装備一式 空気ボンベ、レギュレーター、BC(浮袋が仕込まれたベスト)、手袋、フィン。あと写真にはないが、おもりをつけたベルトも装着した。


ボンベを背負い、ゴーグルをはめる。ウェットスーツはすでに借りたものを着ている。

そして今回は、水中の様子を激写すべくアクションカメラを持ち込んでいる。

そう、つまり俺は、単なるマリンハイザックから、ザクマリナー偵察型になったのだ!(意味不明)




タラップを降りる。水温は20度ほどて、むしろ外より温かい。

まずは壁に取り付けられた手すりにつかまって、うまくバランスを取る練習をする。背負うボンベは10キロ以上あり、油断しているとすぐに病気の金魚のようにひっくりかえるからだ。

これが良好だったので、すぐに水中深くへと潜った。



透明度は2メートルほど、深さは5メートルほど。


4キロのウェイトをすでに腰に巻いていたが、なおうまく沈まなかったので、改めて2キロ、水中で追加した。



ここで、今潜っている勝浦市について説明したい。

勝浦市は、千葉県南部、外房と呼ばれる地域にある。有名な九十九里浜に、わりと近い。

千葉県は和歌山と似たところがあって、南に行けば行くほど田舎である。
とはいっても、東京駅から電車で3時間ほどで行けるので、ダイビングスポットとしてはそれなりに知名度がある。

千葉県でダイビングで有名なのは、他に館山がある。これは「内房(うちぼう)」と呼ばれる、東京湾に面した地域だ。地理的に近い伊豆と、海の様子は似ているらしい。

勝浦のある外房は、また違った海中だそうだ。



うまく沈まない初心者のために、海中に荒縄が張ってあり、これを伝って進む。

道中では、タチウオ、黄色と黒の横じまの魚(たぶんチョウチョウウオ)、よゐこ濱口が無人島で「とったどー」としている魚(名前は教えてもらったが忘れた)、が現れた。





海中では、水中ノート(子どもがお絵かきに使う、バーを左右に動かせば書いたものが消えるアレに似てる)で、意思疎通を行なう。

ちなみにこのノートの裏側には、ネオジオンのマークが描かれている。K氏いわく「自作」とのこと。



海中に進むのに慣れてきたら、縄から離れる。壁際には、段々畑のように平たい岩(風化したコンクリ?)が積み重なっていて、すき間に様々な生物がいた。

いくつかの魚の幼魚、エビやカニ、そしてコウイカだ。



威嚇するコウイカの子ども。触腕をかかげ、色が朱色に変わった。と思ったらすぐに泳ぎ去った。




それほど広くない生け簀だが、砂地や河原のような底面、岩が折り重なった地点、海藻が草むらのように茂っている場所など、いろいろ楽しめる。



陸地に近い(とゆうか目と鼻の先)なこともあって、大きな魚はあまり見かけない。
中央左に光ってるのが、見かけた一番大きな魚。タイの仲間だと思うが、名前まではわからない。



アオウミウシ。日本中の海にいる最も有名なウミウシ。二匹いるので、交尾中かもしれない(ただし、産卵時期からはずれている)



潜っていた時間は50分ほど。これは体験ダイビングにしては長めのほうで、普通はもうちょっと、波打ち際で慣れるためばちゃばちゃしているらしい。まあ、2回目だからな。

このことからも、ダイビングはわりとすぐに体が慣れるスポーツだともいえる。


●感想


陸地から近い位置での、浅い場所を潜ったにすぎなかったが、それでも十分楽しめた。

当日は、はるか南の海上にある台風のため、若干の波があって透明度もよくはなかったのだが、それでも生き物は見れたし、陸地では味わえない体験ができた。


来年あたりに、Cカード(ライセンス)を取りましょうかねえ。




▲お食事処「ニュー福屋」にて


帰りは勝浦駅でいったん降りて、ご当地B級グルメ「勝浦タンタンメン」を食べた。

魚介系の出汁がきいたうまから味。もともと漁師や海女さんにふるまわれていたそうだが、納得だ。

海から上がった後ではすごくうまく感じた。

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