2019年3月18日月曜日

初めてのスキー(安比高原 2019)



やろうやろうと思って、先延ばしにしていたことがあった。


スキーに挑戦する、だ。

出身は関西で、この地域にはあまりスキー場がない。皆無ではないのだが、シーズンに限りがあったり、狭かったりして、選択肢は狭まってしまう。

しかし今いるのは東北。雪国にいてスキーをしないというのは、楽しみの半分を放擲しているに等しい。



とゆうわけで、やってまいりましたスキー場。場所は岩手県の安比(あっぴ)。盛岡の北だな。

ゆきゆきゆき~♪


まずは、スキー用具のレンタルだ。持っていないどころか、見たこともないシロモノをカネの力で借りるぞ。




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なんだこの歩きにくい靴は!? 足首が全く動かん。今日び、ガンプラの方がもっと動くぞ!?
 



スキー板をつけると、不自由に拍車がかかった。

これはまずい。よくない風だ。滑る以前の問題だ。歩く練習をしなくては

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・・・・・・初心者歩く練習中。



▲俺の視界

・・・なんか、転んだら起き上がれないんですけど・・・

長い板が邪魔する上に、足首が動かないものだから、倒れたら起き上がるのが困難だ。

一度板をはずして、立ち上がって再び取りつける。幸い着脱はワンタッチだ。

ふ、一度は後れを取ったが、次はそうはいかん。キングのデュエルはエンターテイメントでなければならなし、俺の歩みがロードとなるのだ!!



▲俺の視界パート2



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▲初心者徒歩で挫折中




しかーし、こんなこともあろうかと、ちゃんと秘策を練っている

インストラクターを頼む、だ。



▲インストラクターのイメージ画像



先生、おねがいしやす! 先生、俺、スキーが、スキーがしたいんです!

ニコニコ笑顔の彼と、軽い準備体操をする。それから片足だけスキー板をはいて、滑る練習だ。 

なおこの先生、もうすぐ大阪にいる友人に会いに行く予定らしく、ついでに伊勢神宮に、レンタカーで日帰りで向かおうと計画しているお方である。・・・いや、不可能じゃないけど、しんどいだろう・・・

私はなんばから近鉄電車で向かう、疲労度の少ないルートを進めておいた。彼の旅の無事を願ってやまない。

それはともかく。

まずは滑って停止する練習だ。

スキー場のはじ、人畜に危害を加える危険の少ない一画へと移動する。せまいところに押し込まれたような低い丘で、登るのにゴンドラを使わず、ベルトコンベアーみたいなので十分間に合う。


俺たちは、すみっこぐらしを、強いられているんだ!!


文句を言っても仕方がない。ゆるやかな丘の上から、ハの字の形に足を広げながら、ゆっくりと滑りを開始する。停止の時はさらに足を開いて、接地抵抗を増やして止まる。

実は、スキーに関して、自分には確固たるイメージがある。

クレヨンしんちゃんのまつざか先生(原作)だ。

知っている人は知っているだろうが、まつざか先生はスキーがドへたくそである。

つまり、このまつざか先生を幼いころに何度も読んでいた私は、必然的に「人の振り見て我が振り直せ」状態になっているということだ! 逆無意識学習だ。




うおおおお、止まらない、止まらないぞお!

いやね、無理の止まろうと足を広げると、スキー板のトップ(先端)と先端がごっつんこして、そのままこけたりとかするんだよ。

でも僕はがんばる。長い板なんかに、私は負けない! 


そう、雄々しく認めなければならない

逆無意識学習は無意味であり、そして脇を滑る5歳児より技術的に劣っているということを。



とりあえず、「きのこの山」と「たけのこの里」を食って休憩だ!

ちなみに、俺は「きのこの山」と「たけのこの里」を、必ず同じ数ずつ買う。つまり、派閥争いには与しない姿勢だ。

まったく。争うのは愚かなことだ。

神と俺の前では、きのこもたけのこも平等だ。



――そんなこんなで昼休みを挟み、練習を開始して4時間。


・滑って止まる
・プルークボーゲン(右ターンと左ターン)



は、とりあえずできるようになった。

途中、先行する講師の人に二回ほどぶつかったり、中上級者が使うカービングターンをそれと知らずにやったり(もちろん、普通に曲がることはできない状態)と、いろいろあったが、私は元気です。



とりあえず、覚えたスキーのコツはこれら。

・前傾姿勢で、ハの字ですべる。
・ハの字の先端は、なるべく動かさないようにする。
・前傾姿勢は、ひざ下と背中が平行になるようにし、すねをブーツにあてるようにする
・止まるときは、ハの字を広げ、スキー板の内側を立てるようにする。
・曲がるときは、曲がる方とは反対の足に体重をかける(左ターンなら右脚)




ふふふ。

基本操作を覚えた以上、いよいよ大いなる山に挑むときが来た。
 



ゴンドラにのり、頂上目指す。
 

途中、ゴンドラから降りる要領がわからず、そのまま下山するゴンドラに連れていかれそうになったが、前に転倒することで危うく回避したぜ。
 




さあ、行くぜ。坂が急すぎてすぐ先が見えていないが、そんなのでおじけづく俺ではない。

ハの字をかき、減速を心がけ、前傾姿勢を意識する! 俺はできる子、俺はできる子、がんばれがんばれ。ふもとではインストラクターが見ているぞ。




ぬわあああああああ!!!



姿勢は完璧だった。足を踏んばり、腰を落とし、雪をとらえた。加速も順調だった。

しかし、最大戦速に達したまさにその時、風圧に負けてのけぞるという解決困難な問題が起こった。

そういえば前にスキューバダイビングをやったとき、図体の割に体重が軽くて水に沈まないという致命的な欠点が露見した。それと同じことか!?



なんの、もう一度だ。ワンモアタイム、ワンモアチャンス。継続は力なり。

俺の性格は冷静沈着。アグレッシブベースライダーで、他人に流されない。

見せてやるぜ! 俺の、最初からクライマックスの、ダイレクトアタックを(意味不明)!!



▲倒れるとき、最後に見たのはお日さまでした


ぬわあああああああ!!!(2回目)


このあと三回滑って、三回とも同じこけ方をした風圧の力ってすげー


素直に転倒してその場にとどまるのはまだいい。後続のスキーヤーに轢かれそうになるだけだ。

転倒もできず、しりもちをついた状態で滑り落ちると悲劇が待っている。
方向転換もままならずに境界線代わりの鉄の杭をなぎ倒しながら進むことになるのだ。


――帰るか。ボウリングみたいにストライク出したし。


●今回の経費

・インストラクター代:6800円
・スキー板レンタル代:5400円
・リフト利用券(終日):3100円


計:15300円

ご参考までにどうぞ。


●感想




では今回の感想を。

やはり、滑れるようになるのは楽しい。

感覚としては、自転車が補助輪なしで乗れるようになるのに近い。幼少期の、はるか昔の体験が、状況こそ違うものの体感できるぞ。

上達しているのが確実にわかる部分もグッドだ。俺はもう、地元の5歳児と同じ程度の技量(同じとは言っていない)だぜ!

あと、滑走時のスピードを切る感覚は、他ではなかなか体験できないものだ。

これ以上の加速は危険だとわかっていても、ついスピードを出しすぎてしまう(そして柵に激突する)。

とにかく、下手なりにそれなりの満足感を持って、その日は帰宅できたのだった。



●次の日


・・・今まで痛めたことのない筋肉が痛いんだけど・・・

特に痛むのは、太ももの内側とふくらはぎの外側。滑走を停止する時に力を入れる部分だな。

日常生活では使わない筋肉なものだから、ちょっと酷使するだけですーぐ悲鳴を上げてしまうのだろう。

あと腕の全体が痛い。段差を乗り越える時にストックを「かいて」進むのだが、これが思いのほか重労働だ。


●痛むまとめ

・太ももの内側
・ふくらはぎの外側
・腕(手首、二の腕、上腕二頭筋)
・すね(スノーブーツの締め付けのため)


どのぐらい痛かったかと言うと、立ち上がって人間的な活動するのが億劫で、この日は一日ベッドでごろごろしていたほどだ。

スキーをこれからやる人、筋肉痛は覚悟したほうがいいだろう。

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