2018年8月29日水曜日

今日の乗り物 第五回 測量用飛行機くにかぜ(ビーチB-65P)


 
飛行機が発明されて、さっそく軍事に転用されたとき、その目的は敵の陣地の偵察だった。当時の飛行機は木と布でできていてやぼったかったから、爆弾を積んでシャーとかできなかったんだな。
 



それで、飛行機で空から見ると地形がわかるってことで、測量用飛行機なんてものができた。いわゆる航空測量の始まりだ。
 
 

日本では「くにかぜ」が、長く測量を務めた。


 
国土地理院が昭和35年に導入し、昭和56年まで運用された。総飛行時間は7000時間を近い。
 

 プロトン(陽子)磁力計センサー
 
そんなに長く飛んで何をしていたかというと、地図を作るための空中写真を撮っていたのだ。
 
 2万5千分の1地図 日本全土が紙で印刷されている
 
国土地理院発行の地図は、日本のすべての地図の元になる。
 
「まっぷる」も「ゼンリン」も、すべてこの地図をもとに作られるのだ。
 






正面から前輪
 
 


着陸灯



主翼フラップ

 銘板

もとはアメリカ製の「ビーチB-65P」だ。ビーチ社は小型のビジネス機が得意な会社。測量用飛行機に求められるのは素直にゆっくりまっすぐ飛ぶことだから、軍用機よりも民間用の乗り心地がいい飛行機が使われる。
 
 

 
尾翼の形状も、最近の飛行機ではあまり見ないほぼ四角形の構成。
 
 
実は、機内を地上と同じ気圧にする装置がなく、乗組員は高い高度を飛ぶときは酸素マスクをつけたそうだ。昔の飛行機だなぁ。
 

 
乗員は5名、最高速度は365キロ。飛行機の操縦は海自のパイロットが務めた。
 

 
じつは「くにかぜⅡ」というのもあって、これは隣にある地図と測量の科学館」に、乗務員席が保存されている。
 
21世紀の昨今、プロペラ機を間近で見る機会はなかなかないと思うので、興味があるなら茨城県つくば市にまで行ってもいいかもしれない。

▲お土産のクッキー


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